カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[122日目]

投稿日:2018年7月10日

痛恨のミス、宿湯に入れず

四国編 23日目(2007年4月1日)

 美嶋温泉「美嶋荘」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、焼き魚、生卵、切干ダイコン、青菜のおひたし、漬物の朝食を食べ、9時に出発。

 美嶋温泉からは国道480号でかつらぎ町の中心、笠田に下り、「笠田モータース」でスズキSKYWAVE400のオイル交換をしてもらう。ここは「ばるたんさん」のお店。オイル交換が終わると、コーヒーを飲みながらしばしの温泉談義。地図を広げて紀伊半島の温泉情報を聞く。

「ばるたんさん」の見送りを受けて出発。

 来た道を引き返す。

 美嶋温泉の前を通り、市峠を越え、高野山へ。日本の精神文化のメッカ、高野山は今日の温泉めぐりの重要な拠点だ。

 高野山の玄関口の大門を過ぎ、真言宗の総本山、金剛峯寺前を通り、天上の宗教都市といった感のある高野山を走り抜けていく。

 高野龍神スカイラインを南へ。日曜日ということもあってツーリングライダーの姿を多く見かける。

 和歌山・奈良県境の稜線上を走る高野龍神スカイラインから奈良県側の野迫川村に下り、村役場前から雲之上温泉に向かう。「ばるたんさん」に教えてもらった温泉だ。その名の通りの「雲上の湯」。急勾配の山道を登りつめたところに立里荒神がまつられている。山上の神社に参拝する人は多く、駐車場はほぼ満車状態。その先に雲之上温泉の一軒宿「開運荘」がある。

 大浴場の湯につかる。若干、白濁した湯。立里荒神はけっこうな人出だったが、雲之上温泉の入浴客はぼく一人。貸切湯状態で湯につかった。さすが雲上の湯、風のうなりがすごい。湯から上がると館内に飾られている雲海の写真を見る。どれも見事だ。これからの季節、とくに早朝には写真のような雲海のシーンが見られるという。

 雲之上温泉からは野迫川村の役場前に下り、第2湯目の野迫川温泉「ふるさと山の交流館」に入る。大浴場の湯は無色透明。硫黄泉で湯にはぬめりがある。浴室からは川原樋川の流れを見下ろす。

 野迫川温泉からは高野龍神スカイラインの方峠に出て、高野山に戻った。

 高野山からは国道480号で有田川の源流地帯に下っていく。険しい山並み。谷が深い。国道480号は林道同然の超狭路。ルート表示は「R370」になっているが、高野龍神スカイラインが有料だったころは、この道が国道370号だった。

 第3湯目は有田川上流の川岸にある高野槙の湯温泉「槙之湯」。内風呂のみで木枠の湯船。「槙之湯」というくらいだから高野槙を使っているのだろう。無色透明の湯は濃厚な味がする。湯から上がると、「ばるたんさん」からの差し入れの「男の底力」を飲み、魚肉ソーセージを食べた。

 高野槙の湯温泉「槙之湯」を皮切りに有田川沿いの温泉めぐりをはじめる。

 花園温泉は休業中で入れず、第4湯目は清水温泉になった。日帰り湯「しみず温泉健康館」の湯に入る。内風呂のみ。総槙造りの湯船。若干のにごり湯。浴室からは有田川の流れを見下ろす。

 第5湯目は二川温泉の日帰り湯「二川温泉」。桜がほぼ満開で、近くの二川ダム公園は「さくらまつり」でにぎわっていた。

 第6湯目はかなや明恵峡温泉の日帰り湯「かなや明恵峡温泉」。大浴場と露天風呂。青石の露天風呂は開放感満点。湯につかりながら有田川の峡谷を見下ろしたが、ここまでが有田川沿いの温泉になる。

 国道424号で海南へ。前日は同じ国道424号で日高川に沿って走ったが、2車線の快走ルートだった。ところが海南への峠越えルートは道幅の狭い難路。そのため国道370号との分岐までは、予想したよりもはるかに時間がかかってしまった。それが後で大きく響いてくる。

 国道370号に出ると、高野山へと向かっていく。その途中で2湯に入った。

 第7湯目は美里温泉「かじか荘」の湯。大浴場と露天風呂。大浴場は木枠の湯船。

 第8湯目は藤の森不動温泉「だるま湯」。大浴場の湯船は大きい。ここの源泉水はアトピーによく効くと定評がある。

 夜の高野山からは国道370号→国道480号でかつらぎ町の笠田に戻ってきた。

 JR和歌山線の笠田駅前でスカイウェイブ400を停めたのは20時40分。すぐさま宿探し。うまい具合に金剛乃湯温泉「リバーサイドホテル」に宿がとれた。奈良県の五條市にある温泉ホテルだ。

 国道24号で県境を越えて奈良県に入る。いったん金剛乃湯温泉の前を通り過ぎ、五條市から御所市に入り、第9湯目、かもきみの湯温泉の日帰り湯「かもきみの湯」に入った。どうしても1日10湯を達成したかったからだ。大浴場と露天風呂の湯につかり、「(これで)今日も10湯達成だ!」と一人、喜んだ。

 そのまま金剛乃湯に戻ればよかったものを目がまわるほどの、あまりの空腹に我慢できず、レストランで遅い夕食の「カレーうどん」を食べた。ジャンボサイズでカレーも麺もなかなかのもの。だが、結果的にはこの夕食が命取りになってしまった…。

 金剛乃湯温泉「リバーサイドホテル」に到着したのは23時05分。隣りあった温泉館はすでに営業を終えていた。宿泊客の入浴受付は22時45分まで。20分遅れで入れなかった。残念…。

 さらに残念なのは朝は10時からの営業で朝湯にも入れないのだ。これでは五條のビジネスホテルに泊まったのとまったく同じではないか。なんとも残念な気分で部屋の小さな湯船の湯(もちろん温泉ではない)に入り、無念さをかみしめた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 美嶋温泉「美嶋荘」
朝食 美嶋温泉「美嶋荘」 ご飯、味噌汁、焼き魚、生卵、切干ダイコン、青菜のおひたし、漬物
9時 美嶋温泉「美嶋荘」を出発
「ばるたんさん」との出会い
1137湯目 雲之上温泉「開運荘」(525円)
1138湯目 野迫川温泉「ふるさと山の交流館」(600円)
方峠 峠越え
1139湯目 高野槙の湯温泉「槙之湯」(800円)
花園温泉 休業中で入れず
1140湯目 清水温泉「しみず温泉健康館」(600円)
1141湯目 二川温泉「二川温泉」(600円)
1142湯目 かなや明恵峡温泉「かなや明恵峡温泉」(500円)
1143湯目 美里温泉「かじか荘」(600円)
1144湯目 藤の森不動温泉「だるま湯」(650円)
奈良県に入る
1145湯目 かもきみの湯温泉「かもきみの湯」
夕食 かもきみの湯温泉「かもきみの湯」 「カレーうどん」(820円)
23時 金剛乃湯温泉「リバーサイドホテル」(1泊朝食7655円)
本日の走行距離数 301キロ
本日の温泉入浴数 9湯

美嶋温泉「美嶋荘」の朝湯に入る「美嶋荘」の朝食朝食の梅干し。大きくて立派!

美嶋温泉「美嶋荘」の朝湯に入る 「美嶋荘」の朝食 朝食の梅干し。大きくて立派!

「美嶋荘」を出発「ばるたんさん」の「笠田モータース」でオイル交換をしてもらう「ばるたんさん」に差し入れをもらい、「笠田モータース」を出発

「美嶋荘」を出発 「ばるたんさん」の「笠田モータース」でオイル交換をしてもらう 「ばるたんさん」に差し入れをもらい、「笠田モータース」を出発

高野山の大門立里荒神を参拝雲之上温泉「開運荘」

高野山の大門 立里荒神を参拝 雲之上温泉「開運荘」

「開運荘」の湯「開運荘」近くの風景野迫川温泉「ふるさと山の交流館」

「開運荘」の湯 「開運荘」近くの風景 野迫川温泉「ふるさと山の交流館」

「ふるさと山の交流館」の湯高野槙の湯温泉「槙之湯」「槙之湯」から見る有田川

「ふるさと山の交流館」の湯 高野槙の湯温泉「槙之湯」 「槙之湯」から見る有田川

有田川上流の山里の風景「ばるたんさん」からの差し入れをいただく有田川上流の谷間を行く

有田川上流の山里の風景 「ばるたんさん」からの差し入れをいただく 有田川上流の谷間を行く

花園温泉は休業中清水温泉の桜清水温泉「しみず温泉健康館」

花園温泉は休業中 清水温泉の桜 清水温泉「しみず温泉健康館」

二川ダム公園の桜二川温泉「二川温泉」かなや明恵峡温泉「かなや明恵峡温泉」

二川ダム公園の桜 二川温泉「二川温泉」 かなや明恵峡温泉「かなや明恵峡温泉」

美里温泉「かじか荘」の湯藤の森不動温泉「だるま湯」JR和歌山線の笠田駅前に到着

美里温泉「かじか荘」の湯 藤の森不動温泉「だるま湯」 JR和歌山線の笠田駅前に到着

かもきもの湯温泉「かもきみの湯」「かもきみの湯」の「カレーうどん」金剛乃湯温泉「リバーサイドホテル」

かもきもの湯温泉「かもきみの湯」 「かもきみの湯」の「カレーうどん」 金剛乃湯温泉「リバーサイドホテル」

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