カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[209日目]

投稿日:2019年7月9日

「オバラッチ」登場!

本州東部編 35日目(2007年7月24日)

 船沢温泉「船沢温泉」の朝湯に入る。若干のにごり湯。かなり濃い塩分。大浴場には朝日がサンサンと差し込んでいる。梅雨が明けたかのような青空が広がっている。

 湯から上がるとご飯、味噌汁、ナスの煮物、ナスの漬物、完熟トマト、身欠きニシン、納豆、海苔朝食。ナスの漬物と完熟トマトがことのほかおいしかった。ナスとトマトは船沢温泉の庭でつくられたもの。「おいしいですねえ!」と女将さんにいうと、「たくさん食べてね」といって、ナスの漬物と完熟トマトのおかわりをもってきてくれるのだった。

 8時、船沢温泉「船沢温泉」を出発し、能代駅前でDR−Z400Sを止めた。

「さー、行くぞ!」
 と、DRにひと声かけて走り出す。

 第1湯目は森岳温泉。「森岳温泉ホテル」はまだ時間が早く、「ゆうぱる」は本日休業で入れず、3軒目の「丸富ホテル」の湯に入れた。森岳温泉は日本一の強塩泉だとのことで、無色透明の湯はかなり塩辛い。源泉は64.0度という高温湯だ。

 森岳温泉から能代駅前に戻ると、国道7号→国道101号で日本海を南下する。

 第2湯目は砂丘温泉「ゆめろん」の湯。大浴場の湯は塩分を含んだ有色湯。浴室からはわずかに日本海が見える。湯から上がったあとは大広間で「15分寝」。これが最高の気持ち良さ。生き返るような思いだ。

 第3湯目は若美温泉「夕陽温泉WAO」の湯。大浴場と露天風呂はともに茶色っぽい湯。大浴場の湯はかなり塩分の濃い湯だが、露天風呂の方は無味無臭。浴室からは松林越しに日本海が見える。

 第4湯目は大潟村温泉「サンルーラル大潟」の湯。8階の展望浴場からは、八郎潟の干拓によってできた大潟村の大水田地帯を一望する。そんな風景を眺めていると、船沢温泉の女将さんの話が思い出される。女将さんは八郎潟の湖畔で育った。「浅い湖でね。海水と混じり合っているので、とってもよく魚がとれたの。シジミなんか、それこそザクザクとれたのよ」といって、「シジミ採り」の格好を実際にやって見せてくれたのだ。

 男鹿半島に入っていく。さ〜、「男鹿半島一周」の温泉めぐりの開始だ。

 第5湯目は男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」。大浴場には大風呂のほかに泡湯や寝湯がある。無色透明の湯だが、大風呂は有味、そのほかは無味の湯。湯から上がると昼食。「稲庭冷やしうどん」を食べた。

 第6湯目は男鹿温泉の国民宿舎「男鹿」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。草色がかった湯の色。若干の塩味がする。加水、加温、循環、ろ過、消毒剤ナシ。すべて、ナシナシの源泉100パーセントの湯だ。

 男鹿温泉から男鹿半島最北端の入道崎へ。岬に立ち、岬突端の白黒2色の灯台を見る。

 入道崎からは男鹿半島西岸の断崖が連続する海岸線を南下する。このルートは絶景!

 第7湯目は戸賀温泉「ホテル帝水」の湯。大浴場、露天風呂からは日本海を一望する。すばらしい「絶景湯」だが、湯の方は加水アリ、加温アリ、循環アリ、ろ過アリ、消毒剤アリの「アリアリ湯」。それでも「超絶景湯」なのでじつに気持ちよく湯につかれた。

 第8湯目は桜島温泉「ホテルきららか」の湯。大浴場と露天風呂はともににごり湯で塩分が濃い。大浴場は熱め、露天風呂は温めの湯で、ともに湯につかりながら日本海を眺める。戸賀温泉もそうだが、海を見ながら湯につかっていると、もうそれだけで温泉の効果がぐっと上がったような気がする。海の見える温泉はいいものだ。

 男鹿半島西岸をさらに南下する。交通量も少ない。そんな道でBMWとすれ違った。その瞬間、ライダーは大きく手を振ってくれた。バックミラーをのぞき込むと、停車し、Uターンしようとしているではないか。

 何とそのBMWに乗っていたのはカメラマンの「オバラッチ」こと小原信好さんだった。「温泉めぐり日本一周」の「本州西部編」の前橋駅前で別れて以来、半年ぶりの再会になる。

「ヤーヤー!」

「オバラッチ」は『ツーリングマップル東北』の表紙撮影という密命を帯びているという。それにしても何という偶然。我々はさっそく撮影を開始した(この瞬間技で撮った写真が『ツーリングマップル東北2008年版』の表紙を飾った)。

 ここからは「オバラッチ」と一緒に走る。

 第9湯目は鵜ノ崎温泉「ホテル楽一」の湯。大浴場の大風呂はきれいな緑色の湯。源泉は49・9度。含硫黄ナトリウムカルシウム塩化物泉だ。

 鵜ノ崎温泉を最後に「男鹿半島一周」の温泉めぐりを終えると秋田に向かった。

 19時45分、秋田温泉「秋田温泉プラザ」に到着。ここが今晩の宿。「オバラッチ」も一緒に泊まる。

 第10湯目の「宿湯」に入ったあとは、レストランで夕食。まずは生ビールで乾杯。つづけてもう1杯。さらにもう1杯。こうなると、もう止まらない2人。「刺身定食」にはほとんど手をつけずに飲みつづける。そこへ「オバラッチ」のライダー仲間、秋田美人の「かおりんさん」がお母さんと一緒に来てくれた。「母が運転手なので」ということで、「かおりんさん」も一緒になって生ビールを飲み干していく。飲みながらバイク談義、ツーリング談義、温泉談義…と話は弾み、あっというまにレストランの営業終了時間になってしまった…。

「かおりんさん」、お母さんと別れると、今度は「オバラッチ」と部屋に場所を移し、自販機のカンビールで二次会開始。日付が変わったところで、我々の宴会はお開きになるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 船沢温泉「船沢温泉」
朝食 船沢温泉「船沢温泉」 ご飯、味噌汁、ナスの煮物、ナスの漬物、完熟トマト、身欠きニシン、納豆、海苔
8時 船沢温泉「船沢温泉」を出発
切石温泉(廃業湯)
駒形温泉(廃業湯)
2202湯目 森岳温泉「丸富ホテル」(730円)
2203湯目 砂丘温泉「ゆめろん」(300円)
2204湯目 若美温泉「夕陽温泉WAO」(300円)
2205湯目 大潟村温泉「サンルーラル大潟」(500円)
2206湯目 男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」(300円)
昼食 男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」 稲庭冷やしうどん(550円)
2207湯目 男鹿温泉「男鹿」(300円)
入道崎
2208湯目 戸賀温泉「ホテル帝水」(1000円)
2209湯目 桜島温泉「ホテルきららか」(800円)
出会い オバラッチ
潮瀬崎
2210湯目 鵜ノ崎温泉「ホテル楽一」(400円)
19時45分 秋田温泉「秋田温泉プラザ」(1泊朝食8150円)
2211湯目 秋田温泉「秋田温泉プラザ」
出会い かおりんさん、かおりんさんのお母さん
夕食 秋田温泉「秋田温泉プラザ」 刺身定食(1570円)
本日の走行距離数 202キロ
本日の温泉入浴数 10湯

船沢温泉「船沢温泉」の朝湯に入る「船沢温泉」の朝食羽州街道の松並木

船沢温泉「船沢温泉」の朝湯に入る 「船沢温泉」の朝食 羽州街道の松並木

森岳温泉「丸富ホテル」の湯砂丘温泉「ゆめろん」若美温泉「夕陽温泉WAO」

森岳温泉「丸富ホテル」の湯 砂丘温泉「ゆめろん」 若美温泉「夕陽温泉WAO」

大潟村温泉「サンルーラル大潟」の湯福米沢油田男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」

大潟村温泉「サンルーラル大潟」の湯 福米沢油田 男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」

男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」の「稲庭冷やしうどん」男鹿温泉の国民宿舎「男鹿」国民宿舎「男鹿」の湯

男鹿山温泉「なまはげのゆっこ」の「稲庭冷やしうどん」 男鹿温泉の国民宿舎「男鹿」 国民宿舎「男鹿」の湯

男鹿半島最北端の入道崎戸賀温泉「ホテル帝水」の湯桜島温泉「ホテルきららか」の湯

男鹿半島最北端の入道崎 戸賀温泉「ホテル帝水」の湯 桜島温泉「ホテルきららか」の湯

秋田温泉「秋田温泉プラザ」の「刺身定食」

秋田温泉「秋田温泉プラザ」の「刺身定食」    

Comments

Comments are closed.