温泉めぐり日本一周[260日目]
投稿日:2020年2月2日
オホーツク沿岸はすでに冬
オホーツク温泉「ホテル日の出岬」の朝湯に入る。大浴場と露天風呂。露天風呂からは日の出岬越しにオホーツク海を眺めた。オホーツク海の水平線に昇る朝日を見たというのに、天気はみるみるうちに崩れていく。雷が鳴り、雨が降り出し、あっというまに土砂降りの雨になった。
朝湯から上がるとバイキングの朝食。いつもの「三杯飯」を食べ、9時30分に出発。幸いなことに雨は小降りになっていた。
国道238号を北へ。オホーツク海を見ながらDR−Z400SMを走らせる。切る風の冷たさといったらない。道北のオホーツク沿岸は秋を飛び越え、すでに冬に入っているかのような寒さだった。
第1湯目は枝幸温泉「ニュー幸林」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。浴室からは枝幸の町越しにオホーツク海が見える。無色透明の湯にどっぷりつかると生き返るような思い。冷え切った体に血の気がよみがえる。体はまだ夏モードなのに、天候の方がひと足先に冬モードに入っているので、まったくついていけない…。
第2湯目は歌登温泉「グリーンパークホテル」の湯。炭酸重曹泉の黄土色の湯につかる。ここには真水を沸かした無色透明の湯もある。
歌登温泉を出るころには雨が激しくなり、それにともなって風も強くなり、嵐の様相だ。寒くて寒くて、もう歯の根も合わない。
真冬並みの寒さと戦いながらピネシリ温泉へ。
「早く温泉に入って体をあたためよう」
と期待していったピネシリ温泉だが、国道沿いの「ホテル望岳荘」は休業中で入れなかった…。ガックリ。よけいに寒さが身にこたえた。
激しい雨と猛烈な北西の風をついて走り、中頓別へ。
あまりの寒さにもうそれ以上、走る気力をなくし、町中の「八番食堂」で昼食にする。「野菜チャーシュー麺」にライスをつけてもらった。1時間近くをかけての昼食。ゆくりゆっくり食べた。
中頓別の気温は1度。店の主人の話によると「このあたりは冷え込みがきついんだよ。冬になれば氷点下20度、30度まで下がる」という。
気温は0度を割っていないが、何しろ体がまだ夏バージョンなので、体感温度は真冬並みの氷点下10度といったところだ。
昼食を食べ終えると、気力をふりしぼって浜頓別へ。
第3湯目は、はまとんべつ温泉「ウイング」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。浴室からはクッチャロ湖を一望する。
オホーツク温泉から浜頓別まで200キロ以上を走っているが、まだ3湯でしかない。道北のとくにオホーツク海側は温泉が少なく、温泉間の距離は長い。
浜頓別からは国道238号で宗谷岬へ。
第4湯目は国道沿いのさるふつ温泉の日帰り湯「さるふつ温泉」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。若干のにごり湯。湯につかった瞬間、ガチガチに凍りついたか体の氷が溶けていくようだ。おまけに湯から上がると、雨が上がった。寒さと強風だけならまだ耐えられる。
猿払からは猛烈な北西の風にもみくちゃにされながらDR−Z400SMを走らせる。対向車が見えたときは要注意。フワッと舞って対向車線に飛び出しかねないからだ。オホーツク海も大荒れ。大波が次々に押し寄せている。
17時15分、日本本土最北端の宗谷岬に到着。こんなに荒れた天気なのに、何と宗谷海峡の水平線上にはハッキリ、クッキリとサハリンが見えている。その瞬間、ぼくの夢はさらなる北の世界へと飛んだ。
宗谷岬から稚内へ。その間は30キロほど。DRのエンジン全開でぶっ飛ばす。明るさを残すうちに稚内に着きたかった。宗谷岬をまわりこみ、オホーツク海側から日本海側に入ると、ガラリと変わった。風がほとんどなくなり、穏やかな海に変わり、気温も上がった。今回の「北海道一周」の最大の難関を突破したのだ。
稚内到着は17時45分。
「間に合った!」
稚内駅前から「稚内港北防波堤ドーム」へ。ここが「カブタン指令第14号」の地。DRをその入口に停め、速報用の写真を携帯で撮って送信した。
岸壁にはフェリーの「QUEEN SOYA」が接岸している。この同じ場所で1991年にはロシア船に乗り込み、サハリンのホルムスクに渡った。あのときのバイクが岸壁からクレーンで吊り上げられたシーンがなつかしく思い出される。名残おしくて、離れがたくて、しばらくは北防波堤ドームに立ちつくしてしまった。
天気は急速に回復し、「QUEEN SOYA」の船上には大きな月が昇る。14夜の月か、それとも満月か。
稚内を出発。海沿いに走り、ノシャップ岬に寄っていく。
第5湯目は日本最北の温泉、稚内温泉の日帰り湯「童夢」の湯。大浴場と露天風呂。若干の色つき湯で、ほぼ無味無臭。湯から上がると食堂で夕食の「ハンバーグ定食」を食べた。
稚内温泉からは日本海沿いのルートで稚咲内へ。コウコウと照り輝く月夜の道をひた走る。
稚咲内からはサロベツ原野を横断。平原は月光に照らされ、まるで照明されているかのように明るさ!
豊富から豊富温泉へ。DRのハンドルを握る手は冷たいのを通り越し、ジンジン痛む。感覚がすでに麻痺しているので、ヤバイ状態だ。
20時30分、今晩の宿、豊富温泉の「ホテル豊富」に到着。さっそく第6湯目の「宿湯」に入る。寒さに打ちのめされた体を湯につける。しばらくは湯の中でまったく動けなかった。凍りついた手に感覚が戻ってくると、猛烈な痛みに襲われる。
「ウギャ〜!」
と、声が出るほどだった。
朝湯 | オホーツク温泉「ホテル日の出岬」 |
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朝食 | オホーツク温泉「ホテル日の出岬」 バイキング |
9時30分 | オホーツク温泉「ホテル日の出岬」を出発 |
2722湯目 | 枝幸温泉「ニュー幸林」(500円) |
2723湯目 | 歌登温泉「グリーンパークホテル」(500円) |
ピンネシリ温泉(休業中) | |
昼食 | 中頓別の「八番食堂」野菜チャーシューメン(850円) |
2724湯目 | はまとんべつ温泉「ウイング」(500円) |
2725湯目 | さるふつ温泉「さるふつ温泉」(350円) |
宗谷岬 | |
稚内港 | |
ノシャップ岬 | |
2726湯目 | 稚内温泉「童夢」(600円) |
夕食 | 稚内温泉「童夢」ハンバーグ定食(700円) |
20時30分 | 豊富温泉「ホテル豊富」(1泊朝食6720円) |
2727湯目 | 豊富温泉「ホテル豊富」 |
本日の走行距離数 362キロ | |
本日の温泉入浴数 6湯 |
オホーツク温泉「ホテル日の出岬」から見るオホーツク海に昇る朝日 | 「ホテル日の出岬」の朝湯に入る | 「ホテル日の出岬」の朝食を食べる |
「ホテル日の出岬」を出発 | オホーツク海の海岸線を行く | 歌登温泉「グリーンパークホテル」 |
「グリーンパークホテル」の湯 | ピンネシリ温泉は本日休館 | 中頓別の「八番食堂」の「野菜チャーシューメン」 |
はまとんべつ温泉「ウイング」 | オホーツク海は大荒れ | 宗谷岬からサハリンを見る! |
稚内港に停泊中のフェリー「QUEEN SOYA」 | 北海道遺産の「稚内港北防波堤ドーム」 | 稚内温泉「童夢」 |
「童夢」の「ハンバーグ定食」 |