ジクサー150分割日本一周[14]
投稿日:2020年5月26日
備前の一宮「吉備津彦神社」
津山から津山街道の国道53号を南下。美作から備前に入り、備前の一宮、石上布都魂神社を参拝した。
備前には一宮がもう一社ある。このように一宮が複数社ある国は少なくない。
国道53号で岡山に到着すると、備前のもう一社の一宮、吉備津彦神社へ。
国道180号のすぐ南にあるのでわかりやすい。
JR吉備線の備前一宮駅がすぐ近くにある。
ここは備前と備中の国境だ。伝説の「吉備の中山」をはさんで東側に備前の一宮の吉備津彦神社、西側に備中の一宮の吉備津神社があって相対している。
備前の一宮と備中の一宮は国境をはさんんで隣り合っているのだ。このような例はほかにはない。
古代吉備国は備前、備中、備後の3国に分かれ、さらに備前から美作が分かれた。
このような吉備国の分国とも関係があるようだ。
吉備国は4つの国に分かれたが、今でも「吉備は吉備」で、「吉備はひとつ」の空気が流れている。
備前の一宮は吉備津彦神社、備中の一宮は吉備津神社、備後の一宮は吉備津神社だが、備中の一宮の吉備津神社が3社に分かれたという説もある。
これら3社とも、祭神は吉備津彦命(きびつひこのみこと)。
吉備津彦命は「桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけた 黍団子 一つわたしに くださいな」と童謡に歌われている桃太郎さんだ。吉備国平定のため「四道将軍」の一人として派遣され、鬼の温羅(うら)を退治した。鬼というのはもちろん反乱勢力のことで、その眷族にはモウ鬼、ツテ鬼、シャクシャウ鬼などの多くの鬼がいた。吉備津彦は軍兵のほかに楽々森彦や楽々興理彦、夜目山主、夜目磨の協力を得て鬼退治をしたというが、それらの協力者が「桃太郎さん」の歌に出てくる犬や猿や雉なのであろう。
桃太郎さん♪ 桃太郎さん♪
まあ、そのような前置きはおいて、さっそく備前の一宮の吉備津彦神社を参拝する。
鳥居の両脇には備前焼の狛犬。見事な作りだ。参道の両側には神池がある。神池の右側には鶴島、左側には亀島が浮かんでいる。2つの島には渡れるようになっている。
随神門をくぐり、拝殿で参拝。拝殿の後には祭文殿、渡殿、本殿があるが、これらの社殿の背後には御神体の「吉備の中山」へとつづく広大な境内林がある。その神域は34万4850平方メートル、10万坪以上の広さで、岡山県内でも一、二の自然の宝庫になっている。これが一宮のすごさというものだ。
吉備津彦神社の参拝を終えると、境内の茶店でお茶を飲みながら「きび団子」を食べた。1串4個で300円。雑穀の黍と糯米とでつくられた「きび団子」を食べていると、ついつい「桃太郎さん 桃太郎さん お腰につけた 黍団子 一つわたしに くださいな」と口ずさんでしまう。
吉備国から分かれた備前国だが、国府跡は『ツーリングマップル中国・四国』(昭文社)にものっている。岡山の中心街から北東、JR山陽本線の高屋駅から2キロほど北で、ここには総社もある。近くには湯迫温泉がある。
国分寺跡は岡山市から赤磐市に入ったところで、旧山陽町の両宮山古墳の西側にある。この近くには岡山桃太郎温泉がある。
吉備津彦神社の狛犬(左) | 吉備津彦神社の狛犬(右) | 吉備津彦神社の境内案内図 |
吉備津彦神社の神池 | 吉備津彦神社の随神門 | 吉備津彦神社を参拝 |
「一品一宮」の吉備津彦神社。一品は第一位の意味 | 吉備津彦神社の茶店 | 吉備津彦神社の茶店で「きび団子」を食べる |