ジクサー150分割日本一周[307]
投稿日:2022年6月29日
阿波の国府めぐり(その1)
5月28日4時、徳島の「東横イン」を出発。さー、「四国一周編」の開始だ。コンビニで「幕の内弁当」を食べると、ジクサー150を走らせ、四国第一の大河、吉野川の河口まで行った。対岸には徳島の町並みと眉山が見える。
吉野川北岸の道を走り、阿波一宮の大麻比古神社へ。境内には御神木にもなっている樹齢1000年の大楠がある。根回り8・3m、高さ22mという巨木だ。
大麻比古神社の近くには四国八十八ヵ所第1番札所の霊山寺がある。阿波の国府めぐりをする前に、四国八十八ヵ所の第1番から第10番までの札所めぐりをすることにした。
第1番の霊山寺から第10番の切幡寺までは吉野川北岸の一帯に横一列といった感じで並んでいる。巡礼街道の県道12号を行けば、簡単に10ヵ所をめぐることができる。
霊山寺から1キロで第2番札所の極楽寺に到着。朱に塗られた山門で合掌。ここは行基(668年〜749年)開創の寺で、本尊は阿弥陀如来。その阿弥陀如来像は弘法大師の作だといい伝えられている。
極楽寺の参拝を終えると、門前の讃岐うどんの店で「釜あげうどん」を食べた。手打ちの讃岐うどんにはしっかりとした腰がある。徳島というと「たらいうどん」で知られているが、阿波で食べる讃岐うどんもうまかった。
第3番の金泉寺を参拝。ここも第2番の極楽寺同様、行基の開いた寺で、その当時は金光明寺といった。弘法大師がやってきたとき、旱魃で苦しむ村人を見て井戸を掘ると「黄金の霊水」が湧き出た。そのとき、金泉寺に改名したのだという。
第4番の大日寺は徳島・香川の県境に連なる讃岐山脈の山裾にある。その名の通り、本尊は大日如来で、弘法大師の作といい伝えられている大日如来像がまつられている。ここの本堂と大師堂をつなぐ回廊には西国三十三ヵ所の33体の観音像がまつられている。
金泉寺の本堂 | 四国八十八ヵ所第4番札所の大日寺の山門 | 大日寺の本堂 |
第5番は地蔵寺。ここも名前通りの寺で、本尊は延命地蔵。胎内仏の勝軍地蔵菩薩像は弘法大師の作だといい伝えられている。仁王門の山門をくぐると樹齢800年の大銀杏。「四国八十八ヵ所めぐり」ではあちこちで名木、古木、巨木を見ることができる。
地蔵寺の本堂と大師堂の参拝を終えたあと、四国でも唯一という五百羅漢をまつる羅漢堂に入っていく。回廊には等身大の彩色された五百羅漢像が並ぶ。羅漢堂はコの字型の建物。中央には釈迦如来像、左右それぞれには弥勒菩薩像と弘法大師像がまつられている。
第6番の安楽寺へ、巡礼街道の県道12号を行く。右手には讃岐山脈、左手には四国山脈の山並みが見える。県道12号から右手に入ったところにある第6番の安楽寺の山号は温泉山。もともとこの寺は讃岐山脈の安楽谷にあった。弘法大師は温泉が湧いているのを見つけると、そこにお堂を建て、薬師如来像を彫ってまつったという。この寺には250人が泊まれる大きな宿坊がある。寺の宿坊で泊まるというのも「四国八十八ヵ所めぐり」のいい方法だ。
つづいて第7番の十楽寺へ。徳島自動車道の南側にある。鐘楼門をくぐり、本堂と大師堂に参拝。十楽寺の本尊の阿弥陀如来像は弘法大師の作だといい伝えられている。
第8番の熊谷寺は徳島自動車道の北側にある。山門(仁王門)はじつに大きい。四国88ヵ所の中では最大で、高さは13メートルもある。山門をくぐると右手に弁天堂、左手に多宝塔がある。その奥の中門をくぐり本堂を参拝。つづいて本堂左手の石段を登ったところにある大師堂を参拝した。
御詠歌の流れる第8番の熊谷寺をあとにし、第9番の法輪寺へ。ここは徳島自動車道の南側になる。田園地帯のただ中にある寺。地元の人たちは「田中の法輪さん」と呼んでいる。本尊は釈迦の涅槃像。88ヵ所では唯一の涅槃像になる。本堂、大師堂での参拝を終えると、門前の茶店で徳島名物の「たらいうどん」を食べた。麺の腰の強さが印象的だ。
熊谷寺の本堂 | 四国八十八ヵ所第9番札所の法輪寺の山門 | 法輪寺の本堂 |
そして第10番の切幡寺へ。ここは徳島自動車道の北側になる。第1番の霊山寺からこの第10番の切幡寺までが、巡礼街道の県道12号沿いの札所になる。
切幡寺の入口には寺の案内板が立っているが、その縁起がおもしろい。
山門をくぐり、333段の石段を登り、本堂に参拝。まつられている本尊は2体ある。南に面して弘法大師の作といい伝えられている千手観音、北に面して即身成仏の観音がまつられている。
こうして「四国八十八ヵ所」の第1番から第10番までの札所めぐりを終え、阿波の国府めぐりを開始した。