カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第4回 信楽探訪

投稿日:2010年12月13日

2010年 林道日本一周・西日本編

日本六古窯のひとつ

 三河の一の宮、砥鹿神社(とがじんじゃ)の参拝を終え、豊川ICに戻る。
 豊川ICからは東名→伊勢湾岸道→東名阪とスズキDR-Z400Sで高速道を走り、亀山JCTから新名神に入っていく。土山SAで小休止。観光バスが何台も停まり、SAは大混雑状態。ここは人気のSAだ。
 ソフトクリームを食べて出発。甲賀土山IC、甲南ICと甲賀市内のICを過ぎ、次の信楽ICで新名神を降りる。ここも今では甲賀市内。信楽町、水口町、土山町、甲賀町、甲南町の5町が合併して甲賀市になった。

 さあ、信楽(しがらき)探訪の開始だ。
 信楽ICから国道307号に出た一帯は黄瀬。ここに「幻の都」の紫香楽宮跡(しがらきのみやあと)がある。聖武天皇は天平14年(741年)、国家安泰を願って大仏の建立を行なうために、紫香楽宮の造営を開始。ここが新しい日本の都になるはずだった。しかし新都の造営は遅々として進まず、結局4年余りで都は元の平城宮に戻され、紫香楽宮は「幻の都」で終わった。大仏も平城宮で建立された。
 そんな歴史を秘める紫香楽宮跡の黄瀬から国道307号で信楽の町中に入っていく。
 信楽といえば、信楽焼であまりにも有名な陶都。信楽焼といえば「狸」といわんばかりに国道沿いの陶器店には大小様々な陶製の狸が並んでいる。その表情も様々だ。
 信楽高原鉄道の終点、信楽駅前でDRを停める。そこにも大狸、「福たぬき」の公衆電話のボックスがあった。

陶製の狛犬に出会う

 信楽の町をぐるりとまわったあと、「信楽伝統産業会館」(入館無料)を見学。はるか天平時代の焼物から近世の焼物まで、一連の信楽焼が年代ごとに展示されている。ここは一見の価値あり。まるで「信楽焼は狸さんだけではありませんよ」といっているかのようだ。
 信楽は備前、丹波、越前、瀬戸、常滑と並ぶ「日本六古窯」のひとつ。その中でも最古といっていいほどで、1260年の歴史を誇っている。ということは、その起源は紫香楽宮造営のはじまった直後ということになる。
 信楽の位置する信楽丘陵からは良質の陶土が産出し、窯の燃料となる松の木も豊富にあり、さらに大市場に近いという地の利があり、信楽は日本の陶都として発展したのだ。
「信楽伝統産業会館」の見学を終えると、すぐ近くの新宮神社を参拝。さすが、陶都の信楽だけあって狛犬は見事な陶製だ。
 この新宮神社の脇から入っていく小道が信楽焼の窯元散策路。何軒もの窯元があり、登り窯も見られる。ゆるやかな上り坂も「ろくろ坂」と名づけられている。
 今度、信楽に来るときはぜひとも窯元での信楽焼づくりを見せてもらおう!

フォトアルバム

新名神の土山SAで小休止
信楽ICで新名神を降りる


ここは黄瀬。紫香楽宮跡がある
たぬき村の日本一の大狸


信楽駅前の電話ボックス


信楽駅前に到着
信楽の町を貫く国道307号


信楽の陶器店に並ぶ狸たち
信楽の陶器店に並ぶ狸たち


信楽の陶器店に並ぶ狸たち
信楽伝統産業会館




信楽伝統産業会館に展示されている信楽焼

新宮神社の鳥居
新宮神社の陶製狛犬


新宮神社の舞殿
新宮神社の拝殿・本殿


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