根釧台地の格子状防風林
投稿日:2010年1月24日
総延長600キロ!

標津から中標津に向かった。
道路沿いには延々とカラマツ林の防風林がつづく。空から見ると、この防風林は格子状になっている。宇宙からでも確認できるほど雄大なもの。さらに北海道開拓時代の入植区画(植民地区画)を示す歴史的な意義をも合わせ持っている。ということで「根釧台地の格子状防風林」は北海道遺産に指定された。
中標津の町をひとまわりしたところで、かつてはツーリングライダーの聖地だった開陽台へ。展望台に登ると、330度の大展望を楽しめる。
そこから見下ろすと、
「おー、なるほど!」
といった感じで、防風林が格子状になっているのがはっきりとわかる。
根釧台地の格子状防風林は標津町から中標津町、さらには別海町、標茶町にまたがっているが、その総延長は600キロを超えるという。まさに日本一の防風林!





スケールの大きさはタクラマカンのポプラ並木
「防風林」というと東京の郊外で育ったぼくなどは、すぐに武蔵野の屋敷林を思い浮かべるが、根釧台地の格子状防風林はそれとはスケールがまったく違う。
この大規模な格子状防風林を見てすぐさま連想したのは、中国・タクラマカン砂漠のポプラ並木の防風林。防砂林をも兼ねているが、その中をバイクで走っていると、すぐ近くに一望千里の大砂漠があることをまったく忘れさせるような風景がつづく。

それと根釧台地の格子状防風林は防雪林の役目をも果たしているが、防雪林といえば青森県野辺地駅の鉄道防雪林。野辺地の防雪林の風景も目に浮かぶのだった。


この根釧台地の格子状防風林は北海道開拓使の顧問だったアメリカ人のホーレス・ケプロン(1804~1885年)の提唱でつくられた。ホーレス・ケプロンは北海道の畑作農業、とくに麦作の発展には大きな貢献をした人。根釧台地の格子状防風林は、大規模な新大陸的農業の遺産という一面をも持っている。
根釧台地の格子状防風林は、まさに北海道の大きさを象徴するものだ。
「デッカイドー!」