野付半島と打瀬舟
投稿日:2010年1月13日
日本最大、全長26kmの砂嘴
根室からは国道44号→243号→244号で野付へ。いよいよ「北海道遺産めぐり」の「北海道一周」も、第2ステージの「根室→稚内」編に入っていく。
野付では全長26キロの砂嘴(さし)、野付半島と、野付湾で北海シマエビ漁をする三角帆の打瀬舟がセットで北海道遺産になっている。
「砂嘴」というのは沿岸流や波浪などによって運ばれた砂礫が海岸や湖岸から堆積し、細長く延び、突堤状になった地形。野付半島は日本最大の砂嘴で、ほかには静岡の三保の松原がよく知られている。
ひと晩、野付温泉の「うたせ屋」で泊まり、翌朝は宿近くの尾岱沼漁港へ。活気のある漁港だ。港に揚った秋アジ(サケ)を見たが、北海シマエビ漁の打瀬舟はすでに港を出たあとだった。残念…。
道道950号で野付半島に入っていく。海の中道といったところで左手にオホーツク海(根室海峡)、右手に野付湾を見ながら走る。国後島との間は野付水道。霞んで見える国後島まではわずか16キロでしかない。
野付半島ならではの立ち枯れたミズナラの「ナラワラ」の風景を見、「野付半島ネイチャーセンター」前を通り、竜神崎を通り、道の尽きるところまで行った。水鳥の天国のようなところで、何種もの水鳥を見た。夏だと一面にエゾカンゾウが咲く原生花園になるという。
行き止まり地点から「野付半島ネイチャーセンター」に戻り、駐車場にバイクを停め、「トドワラ」への遊歩道を歩いていく。その入口には北海道遺産の案内板。野付半島全体の空中写真と打瀬舟の写真には目がいった。
30分ほど歩くとトドワラに到着。立ち枯れしたトドマツが幻想的な風景をつくりだしている。そこには「トドワラの枯木群」と題して、次ぎのように説明されている。
トドワラはまさにトドマツ林の墓場の風景。それが消えていくのも、自然の宿命というものなのだろう。この季節、自分のほかにはまったく人影はない。そんなトドワラに一人たたずんでいると、時の流れの悲しみ、無常観のようなものを感じてしまう。
野付半島から尾岱沼に戻ると、漁港へ急行。北海シマエビ漁の打瀬舟が戻っているのではないかと期待したが、帰港はまだだった。残念…。
尾岱沼漁港の南にある国後島の展望台へ。そこからは20隻あまりの打瀬舟が見えた。そのうちの何隻かは三角帆を張って漁をしていた。
打瀬舟を遠望したところで野付を離れ、国道244号で標津に向かっていった。