カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第32回 広島探訪

投稿日:2011年1月23日

2010年 林道日本一周・西日本編

路面電車、広島城、平和記念公園、そして宮島

 広島の宇品港に上陸すると「広島探訪」を開始。スズキDR-Z400Sで広島の町を駆けめぐる。
「行くぞ、DRよ!」
「広島探訪」の出発点は広島駅。
 駅前の電停に入ってくる広電の路面電車を見る。旧型車両のみならず新型車両の電車も走っている。さきほど上陸した宇品港行や、これから向かう宮島行の電車も出ている。広電は日本の路面電車の中でもメジャー級。路面電車の走る町というのは、もうそれだけで心ひかれるものがある。
 広島駅前からは城南通りを行き広島城へ。二の丸が見えてくる。堀には平櫓と太鼓櫓。二の丸の表御門から城内に入っていく。
 広島城は太田川河口の三角州に毛利照元が天正17年(1589)に築いた城。このときに広島と名づけられた。西軍敗退の関ヶ原の合戦後は福島正則が入り、元和5年(1619年)以降は浅野氏43万石の城下町として発展をとげた。
 復元された五層の天守閣は広島城にまつわる資料館(入館料360円)になっている。天守閣の上からは広島の中心街を一望!
 次に平和記念公園へ。原爆死没者慰霊碑と原爆供養塔に手を合わせた。
 世界を旅していると、「ヒロシマ」についてはじつによく質問される。子供たちに「ヒロシマ、ヒロシマ」といわれたこともある。
「ヒロシマ」は京都や大阪以上の知名度で、「トーキョー」に次いで、もしくは東京と同じくらいよく知られている。
 人類史上初の原爆投下都市ヒロシマの世界中に与えた衝撃は大きく、その知名度は抜群に高い。
 しかしいまだ広島が人の住めない、植物の育たない、原爆投下直後の被災地のままでいると思っている人が世界には数多くいる。
 ぼくはヒロシマの質問をされるたびに、
「今の広島は日本でも有数の大都市。マツダの本社も工場も広島にあるんですよ」
 といった説明をしている。
 マツダは海外での知名度が高いので、
「おー、そうなのか」
 といった顔をする人が多い。
 広島ではアジア大会がすでに開催されたが、今の広島の姿を世界中の人たちに知ってもらうためにも、「広島五輪」が実現したらすごくいいと思うのだ。
「広島探訪」の最後は安芸国の一の宮の厳島神社だ。
 国道2号でJR山陽本線の宮島口駅前まで行き、JRフェリーの「ななうら丸」(往復340円)に乗って宮島に渡った。所要時間は10分ほどだが、ちょっとした瀬戸内海の船旅気分を味わえた。
 宮島では鹿のお出迎え。子鹿がかわいらしい。
 土産物店が建ち並ぶ門前の参道を歩く。宮島名物の杓子が売られている。参道の脇には世界最大という長さ7・7メートル、重さ2・5トンという巨大な杓子も展示されている。
 宮島は世界遺産に登録された。その影響は大きく、以前にも増して外国人観光客の姿を多く見かけた。
 厳島神社を参拝。入口では拝観料の300円を払う。日本の68州の一の宮のうち、拝観料をとっているのはここだけ。(参拝するのに)金を取るのが寺、取らないのが神社という大きな違いがあるが、ここは例外。まあ、それはおいておこう。
 朱塗りの廻廊を歩き、厳島神社のシンボル、海に浮かぶ高さ16メートル大鳥居に向かって手を合わせる。そして市杵島姫(いちきしまひめ)命を主神とし、田心姫(たごころひめ)命、タギ津姫(たぎつひめ)命の宗像女神三神をまつる本殿に手を合わせた。
 厳島神社の参拝を終えると、宮島名物の紅葉饅頭を食べ、広島の中心街に戻っていくのだった。

フォトアルバム

「広島探訪」開始!
広島駅


広島駅前の電停
広島城


広島城の天守閣
広島城天守閣からの眺め


平和記念公園
JRフェリーで宮島に渡る


厳島神社の参道
厳島神社の海に浮かぶ鳥居




厳島神社の回廊

厳島神社の本殿
宮島名物の紅葉饅頭


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