カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第53回 水郷日田

投稿日:2011年2月22日

2010年 林道日本一周・西日本編

玖珠川沿いの温泉をめぐる

 由布院温泉から国道210号で水分峠を越え、玖珠川の流れに沿ってスズキDR-Z400Sを走らせる。この玖珠川は九州最大の大河、筑後川の上流になる。
 日田盆地の中心、日田に向かって走り、その間では温泉をめぐっていく。
 第1湯目は九重温泉。「ここのえ温泉館」の日帰り湯「見晴らしの湯」(入浴料300円)に入る。大浴場には3つの円形の湯船。2つは熱めで1つは温め。高台にあるので、その名の通り見晴らしがいい。
 ここからは国道387号に入り壁湯温泉、宝泉寺温泉、川底温泉の3湯をめぐる。
 3湯ともその名を知られた名湯だ。
 第2湯目の壁湯温泉では「福元屋」に入浴料の300円を払い、渓流のわきの露天風呂に入る。ここは岩壁下の洞窟風呂風の混浴露天風呂。豊富な湯量。洞窟の中に潜っていくと湯がブクブク湧き出ている。
 第3湯目の宝泉寺温泉には何軒かの温泉宿があるが、ここでは「たから温泉」(入浴料300円)の露天風呂に入った。
 第4湯目の川底温泉は一軒宿「蛍川荘」(入浴料500円)の湯。3つの湯船はそれぞれに湯温が違う。湯船の底には川石が敷きつめられている。まさに川底温泉!
 国道210号に戻ると、龍門ノ滝、三日月ノ滝と見ていく。龍門ノ滝は玖珠川支流の松木川の滝、三日月ノ滝は玖珠川本流の滝だ。
 第5湯目は湯ノ釣温泉「渓仙閣」(入浴料500円)の露天風呂。湯につかりながらすぐそばを流れる玖珠川を見る。玖珠川の渓流美が目に残る。
 第6湯目は天ヶ瀬温泉。玖珠川の流域では最大の温泉地で、河畔には高層の温泉宿が建並んでいる。ここでは「水光園」の大露天風呂、「かじかの湯」(入浴料500円)に入る。湯につかっていると、自分の体と玖珠川の流れが一体になるような不思議な陶酔感を感じた。大露天風呂は熱めの湯、温めの湯と2つの湯船に仕切られている。そのほか、河原には全部で7つの共同浴場の露天風呂がある。
 玖珠川流域のこれら6湯の温泉に入り、日田盆地の中心、日田の町に入っていく。
 日田は水郷で知られているが、ここで玖珠川はもう一方の流れの大山川やそのほか何本かの川を集め、三隅川と名前を変え、県境を越えて福岡県に入ると筑後川になる。
 日田は古い家並みの残る風情のある町だ。
「水郷日田」を象徴する三隅川の鵜飼は、長良川の鵜飼よりも歴史が古い。盆地の周辺は「日田杉」と呼ばれる美林地帯になっている。
 江戸時代、ここは「日田金」とか「日田銭」の名が残るほどの九州でも有数の金融の中心地で豪商が軒を並べていた。日田の町をぐるりとまわると、その名残を今でも見ることができる。

フォトアルバム

九重温泉「ここのえ温泉館」
「ここのえ温泉館」の「見晴らしの湯」


壁湯温泉の露天風呂
宝泉寺温泉「たから温泉」の露天風呂


川底温泉「蛍川荘」の湯
川底温泉を流れる渓流


龍門ノ滝
三日月ノ滝


湯ノ釣温泉「渓仙閣」の露天風呂
湯ノ釣温泉を流れる玖珠川




日田を流れる三隅川

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