カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

第87回 安ヶ森林道

投稿日:2011年4月8日

2010年 林道日本一周・東日本編

東日本編スタート

 2010年7月22日午前6時、東京・日本橋に相棒のスズキDR-400Zともども立った。
 さー、「林道日本一周2010」の後半戦、「東日本編」の開始だ。
「行くぞー、DRよ!」
 天気は上々。青空が広がっている。早朝の都心を走り、首都高から東北道に入る。すでにかなり高くなっている朝日に向かって突っ走る。
 7時15分、宇都宮ICに到着。いよいよ「東日本編」の林道走破行がはじまるのだ。
「東日本編」ではDRで「東京→稚内」を往復し、さらに「東北一周」をした。それとスズキの250?バイク、ビッグボーイで「東北一周」と「関東一周」をした。それら4弾に分けてまわった「東日本編」のすべてをお伝えしよう。
(なお「東日本編」のロングダートはダート20キロ超にするつもりでしたが、「西日本編」に合わせ、ダート10キロ超をロングダートにします)

林道大国東北へ、栃木福島県境を越える

 東北道の宇都宮ICから日光道(日光宇都宮道路)経由で今市へ。
 今市からは国道121号を北上。鬼怒川温泉、川治温泉と通り、国道121号から県道249号に入り、8時40分には湯西川温泉に着いた。
 さっそく共同浴場の湯に入る。
 協力金箱には寸志を入れるようになっているが、「200円以上をお願いします」とあるので200円を入れた。
 この湯はいい湯だ。1人いい気分で無色透明無味無臭の湯につかっていると、もう1人、やってきた。湯につかりながらの「湯の中談義」がはじまる。宇都宮から来た人で、キノコ採りに来たという。まだ夏の盛りなのに…と思ったが、「チタケ」がもうそろそろ採れるのだという。
「モタモタしていたら、あっというまに採られてしまうからね。こうして偵察に来てるんですよ」
 チタケは相当、いいお金になるらしい。
「この辺でのキノコ採りのときは、必ず湯西川の湯(共同浴場)には入っているね。ここが一番だよ」
 湯から上がると、湯西川温泉をプラプラ歩き、湯西川の河畔にある豆腐店「会津屋」で名物の豆腐を食べた。夏は「冷奴」(400円)、冬は「湯豆腐」(600円)だ。そのあと「平家狩人村」(入園料500円)を見学し、湯西川温泉を離れた。 
 湯西川温泉からは来た道を2キロほど戻り、県道249号を左折し、「安らぎの森キャンプ場」の前を通り、安ヶ森林道に入っていく。以前は白砂の浮いたダートで、スリッピーなコーナーにやられ、痛ーい転倒を繰り返した林道だが、今では栃木県側は全線が舗装路になっている。
 関東と東北を分ける帝釈山脈の安ヶ森峠に到達。そこには林道の開通記念碑が建っている。安ヶ森山(1353m)西側の峠で標高1160メートル。ここから安ヶ森林道のダートがはじまる。
(なお安ヶ森林道というのは栃木県側の林道名で、福島県側は鱒沢林道になります。しかし我ら林道派ライダーにとって、この林道は「安ヶ森林道」の名前で定着していますので、このまま安ヶ森林道で通すことにします)
 安ヶ森峠を越えて福島県に入る。峠からは一気の下り。左手は深い谷で転落したら真っ逆さまだ。やがて沢沿いの道になる。渓流美を見ながら走る。それが鱒沢川。イワナがよく釣れるとのことで、渓流釣りの車もけっこう入ってくる。
 林道沿いの樹林は目の中まで染まるような深緑。初夏の新緑、秋の紅葉・落葉と、安ヶ森林道は東北の四季の美しさを存分に見せてくれる。
 こうして15・2キロのダートを走りきり国道352号に出た。
 さすが日本一の「林道大国」の東北だけのことはある。「東北編」は第1本目からロングダート。これから走る奥会津の林道群への期待感がいやが上にも増し、胸がおおいにふくらんでいくのだった。
「頼むぞ、DRよ!」

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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 2

宇都宮IC→湯西川温泉→安ヶ森林道

東京・日本橋を出発
東北道の宇都宮ICに到着


湯西川温泉を流れる湯西川
湯西川温泉の共同浴場




湯西川の「平家狩人村」を見学

湯西川の豆腐店「会津屋」
「会津屋」の豆腐を食べる


安ヶ森峠近くから眺める帝釈山脈の山々
栃木・福島県境の安ヶ森峠に到達


安ヶ森林道のダートに突入!
安ヶ森峠を下っていく


安ヶ森峠を下っていく
安ヶ森林道沿いの森林美


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