第93回 小荒沢・岳山林道
投稿日:2011年4月15日
2010年 林道日本一周・東日本編
東北有数の林道の宝庫、泉ヶ岳へ
「杜の都」仙台では、伊達政宗像の建つ青葉城跡から東北一の大都市、仙台の中心街を見下ろした。足下を広瀬川が流れている。
仙台からは泉ヶ岳(1172m)を目指す。泉ヶ岳の周辺は東北でも有数の林道の宝庫なのだ。
「さー、行くぞ!」
いつものようにスズキDR-Z400Sにひと声かけて走り出す。
国道48号経由で国道457号に入り、仙山線の愛子駅前を通る。
「愛子」は難解地名。これで「あやし」という。
国道457号を北上し、仙台の市街地が途切れると、前方には泉ヶ岳が見えてくる。
国道457号のバイパスから県道223号に入り、長くつづくゆるやかな登り坂を一気に駆け上ると目の前には泉ヶ岳がそびえている。泉ヶ岳のスキー場を過ぎたところには泉ヶ岳の名水、「水神の名水」がある。泉ヶ岳の豊かな自然を感じさせる湧き水だ。
DRを停めて飲んだが、暑さにやられた体がいっぺんい蘇る。これが名水パワー。ここでは仙台市内からやってきた母娘がペットボトルに湧き水をくんでいた。
「この水でご飯を炊くと、とってもおしく炊き上がるんですよ」
と、お母さん。
スプリングバレー泉高原のスキー場を過ぎると大平桑沼林道のダートに突入だ。その地点は仙台市泉区と大和町の境になっている。大平桑沼林道は道幅も広く、路面もよく整備されているので走りやすい。
3・0キロのダートを走ると、T字路の交差点に出る。そこが大平桑沼林道の終点。右に行くと種沢林道で、直進すると升沢林道になる。ここでは3本の林道が合流している。
T字路の林道交差点を直進し、升沢林道に入っていく。道幅は狭くなるが、林道の状態はかなりよくなっている。以前は両側におい茂る草木をかきわけて走るような状態で、石ころのゴロゴロしている区間もあったが、今は難なく走れる。ダート7・2キロの升沢林道を走りきると旗坂キャンプ場の脇に出る。
ダート10・2キロの桑沼大平・升沢林道、このようなロングダートが仙台のすぐ近くにある。
ロングダートを駆け、名湯の宿へ
つづいて小荒沢・岳山林道に入っていく。旗坂キャンプ場脇の舗装路をわずかに下ったところで左に折れる道が小荒沢林道の入口だ。入口からダートなのがうれしい。1キロほど走ったところには名無しの名水がある。ここでも乗用車でやってきた人が何本ものペットボトルに湧き水をくんでいた。
そこからグングンと高度を上げ、大和町と色麻町境の峠を越える。それとともに林道名は小荒沢林道から岳山林道に変る。
峠を下ったところで分岐点に出るが、左の道を行くと、大滝キャンプ場に出る。そこは宮城・山形県境にそびえる名峰、船形山(1500m)の登山口になっている。
渓流沿いの道を走る。林道の両側には森林がつづく。青野岳山林道(左折)との分岐点を過ぎ、名無しの名水を過ぎると舗装路に出る。
小荒沢・岳山林道のダートは20・5キロ、20キロ超のロングダートだ。
色麻町から加美町に入る。
加美町は2003年に加美郡の中新田町、小野田町、宮崎町の3町が合併して誕生した。このとき、加美郡のもう1町、色麻町もこの合併に加わり、「加美市」になるはずだった。ところが色麻町は合併から脱退。結局、加美市にならず、加美町になったいきさつがある。
加美町からはダート県道267号(5・0キロのダート区間がある)経由で大崎市に入ったが、ここは2006年の合併で誕生した。古川市を中心として西は鳴子町、東は田尻町まで、1市6町による大合併だ。ついでにいうと大崎市の北の栗原市は2005年の合併で誕生した。ここは築館町を中心にした9町1村の大合併。宮城県北部の地図は大きく塗り変わっている。
日の暮れた鳴子温泉郷の川渡温泉に下り、隣りの東鳴子温泉へ。
今晩の宿、「初音旅館」に到着。おかみさんと若旦那に出迎えてもらった。さっそく大浴場の黒湯に入り、湯から上がると、部屋食の夕食。二の膳つきの豪華版だ。
「カソリさん、飲んでくださいね」
と、おかみさんが差し入れしてくれたビールをキューッと飲み干したところで、夕食をいただく。刺身や焼き魚のほかに、三陸特産のホヤもある。ビールを地酒に切り替え、ホヤを肴に飲んだが、もう、たまらん!
目いっぱい林道を走り、こうして上質の温泉に入り、湯上りに地酒を飲みながら食事をいただく…。
「人生にこれ以上の贅沢はない!」
とまで思ってしまう。
林道&温泉ツーリングは最高だー!
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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 34,40,46