第94回 真昼岳・峰越林道
投稿日:2011年4月16日
2010年 林道日本一周・東日本編
林道途中でスタック車両に遭遇!
東鳴子温泉「初音旅館」の朝湯に入り、朝食をいただく。
宿のすぐ前がJR陸羽東線の鳴子御殿湯駅。新庄行の列車が通り過ぎていった。
列車の走り過ぎていく音を聞きながら食べる部屋での朝食がいい。
食べ終わると、
「また来ますからね」
といって、おかみさんと若旦那に見送られ、「初音旅館」を出発。
おかみさんは、昼食用の「おにぎり」をつくってくれた。
ありがとうございます!
東鳴子温泉から国道47号→国道457号で一関に向かっていく。奥羽山脈の山並みを眺めながらスズキDR-Z400Sを走らせ、宮城・岩手の県境を越える。
岩手県に入ると、一関からは国道4号→国道107号で湯田へ。
奥羽山脈の山裾に点在する湯田温泉郷では、JR北上線のほっとゆだ駅の駅舎温泉「ほっとゆだ」(入浴料250円)の湯に入った。
浴室内には鉄道用の信号がある。列車到着の45分前になると信号は青になる。30分前になると黄色、15分前になると赤信号に変わる。それ以外の時間帯は無灯火だ。
今では日本各地に駅舎温泉ができているが、「ほっとゆだ」はその走りだ。
湯田から県道1号で盛岡方向に走り、10キロほど走ったところで左折し、真昼岳林道に向かっていく。その途中では真昼温泉の共同浴場(入浴料250円)に入る。素朴な温泉。湯から上がり、さっぱりした気分で真昼岳林道へ。県道1号から4・7キロ地点でダートに突入だ。
真昼岳林道の岩手県側はかなりラフ。峠への登りは勾配がきつく、道幅も狭く、所々、かなりガレた区間もある。
峠に近づいたところでは信じられないような光景を見た。
秋田ナンバーの乗用車が倒木にタイヤをとられ、スタックしていた。
運転手はおそらく助けを求めて山を下ったのだろう、その姿はなかった。
林道の右側は倒木がじゃまして通れない。そこで車の左側をすり抜けていくしかないのだが、一歩間違えれば、転落して何百メートルも下の谷底に真っ逆さまだ。
人が歩けるほどの踏み分け道をつくり、DRに乗ってそろりそろりと走る。転倒しても谷底に落ちないように右側に重心をかけた。
あともう一歩で抜けられるというところに大石。どうしてもそこは越えなくてはならない。だが、乗ったままでは無理…。そこでDRを降り、谷底に落ちないように細心の注意を払い、DRのギアを2速に入れて半クラッチでエンジンを吹かし、押し上げた。
「やった!」
谷底に転落することもなく、その倒木の現場を突破した。
岩手県側のダート、13・8キロを走ると、岩手・秋田県境の真昼岳峠に到達。
峠は奥羽山脈の真昼岳(1059m)の登山口になっている。人気の山で、峠には登山車の車が何台か、見られた。マイクロバスまで登ってきている。
真昼岳林道は秋田県側では峰越林道になるが、よく整備された林道で道幅も広い。さきほどの秋田ナンバーの乗用車も、峠で折り返していれば何の問題もなかったのに…。
峠をわずかに下ったところには「峰越延命水」が岩肌から湧き出ている。奥羽山脈の名水を飲みながら、「初音旅館」のおかみさんがつくってくれた「おにぎり」を食べた。
秋田県側の下りは楽。11・0キロのダートを走り切り、舗装路に出たが、真昼岳・峰越林道のダートは24・8キロ。20キロ超のロングダートだ。
秋田県側では、奈良時代から平安時代にかけての役所跡と思われる「払田柵跡」を見たあと、仙北温泉「柵の湯」(入浴料400円)に入る。大浴場と露天風呂。無色透明の湯。湯から上がると隣接している「餅の館」(入館無料)を見学した。ここはすごい。まさに日本の餅博物館といったところで400種もの餅が展示されている。一見の価値あり! さらに奥羽山脈の山裾の川口温泉「奥羽山荘」(入浴料400円)の湯に入る。大浴場と露天風呂。湯から上がると、右手に奥羽山脈の山並みを眺めながらDRを走らせ、県道50号を北に向かった。
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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 61,62