第95回 長嶺熊沢林道
投稿日:2011年4月17日
2010年 林道日本一周・東日本編
混浴パワーを教えられた赤川温泉だったが……
東北横断の国道46号に出ると盛岡方向に走り、生保内(仙北市)で国道341号に入っていく。ぼくの大好きな国道の1本。ウキウキした気分でスズキDR-Z400Sを走らせる。
まずは国道341号から左に入った日本で一番深い湖、田沢湖を一周する。一周20キロほど。交通量は少なく、きれいな湖の風景を眺めながら、ぐるりと湖畔をまわれる。
つづいて国道341号から右に入っていく乳頭温泉郷の温泉をめぐる。
第1湯目は鶴の湯温泉(入浴料500円)。ここでは混浴大露天風呂に入る。白濁湯。目のさめるような湯の白さ。鶴ノ湯温泉は日本一の「白濁湯」。大露天風呂の岩底からはブクブク、ブクブクッと湯が湧き出ている。
第2湯目の妙ノ湯温泉(入浴料1000円)では、渓流わきの混浴露天風呂に入った。大露天風呂はにごり湯(硫酸塩泉)で、小さめな湯船は無色透明の湯(単純温泉)。
「あー、これで女性と一緒だったら…」
と、思わせるほど風情のある混浴露天風呂だ。
、第3湯目の大釜温泉(入浴料500円)は内風呂、露天風呂ともににごり湯。内風呂は熱めの湯、露天風呂はそれよりは温めの湯。
第4湯目の蟹場温泉(入浴料500円)では、宿から50メートルほど歩いたところにある混浴大露天風呂に入る。森の中の湯。湯船のすぐわきが源泉で、ポコポコ音をたてて高温の湯が噴出している。
第5湯目は孫六温泉(入浴料400円)。混浴の「石の湯」に入ったあと、渓流わきの混浴露天風呂に入る。無色透明の湯につかりながら聞くせせらぎが何とも耳に心地よい
最後の第6湯目の黒湯温泉(入浴料500円)では混浴の内風呂と露天風呂に入った。木の湯船。黒湯とはいっても白濁湯。黒湯温泉が乳頭山から流れ出る先達川の最上流部の温泉になる。
これら6湯の乳頭温泉郷はどこもいい。6湯とも一軒宿で、大釜温泉を除けば、すべてに混浴の露天風呂がある。残念ながら今回は女性と一緒になることはなかったが…。
大満足の乳頭温泉郷めぐりを終え、国道341号に戻った
国道341号を北へ。玉川ダムの人造湖、宝仙湖を見ながら走る。
玉川温泉に寄っていく。ここは日本一の強酸性の湯で、一ヵ所の源泉としては日本一の湧出量。「玉川温泉自然研究路」の遊歩道を歩き、「大噴」を見る。これが毎分9000リットルという日本一の湧出量を誇る源泉で、PH1.2という日本一の強酸性の湯だ。それも98度という高温湯。その硫黄泉の流れを樋で流し、「湯の花」を採取する湯畑もある。
遊歩道を歩いていった奥には混浴の露天風呂(無料湯)。岩盤浴をしている大勢の人たちを見ながら露天風呂の湯につかった。
国道341号をさらに北へ、大場谷地峠を越える。平坦な峠だが、この峠は秋田の2大河川、北の米代川と南の雄物川の水系を分けている。
アスピーテラインとの分岐点の手前にはかつて赤川温泉と澄川温泉の2湯があったが、ともに大土石流に流されて消滅した。
そのうちの赤川温泉には何度か泊まったことがある。混浴の湯治宿で、男女が仲良く湯につかる温泉だった。木の湯船、木の洗い場がまだ目に残っている。ぼくはこの赤川温泉で「混浴」のすごさを教えられた。同じ炊事場で料理をつくり、1日に何度となく同じ湯につかっていると、見ず知らずの男女が急速に親近感を増していく。それとともに、みるみるうちに元気になっていく。それはまるでミラクルを見るかのようだった。
「男の元気の源は女。女の元気の源は男」
赤川温泉はそれをぼくに教えてくれたのだ。
澄川温泉にはまるで池のような広さの大露天風呂があった。日本一といってもいいような大露天風呂も混浴の湯だった。
自然災害とはいえ、消えた赤川温泉、澄川温泉の2湯はなんとも惜しい温泉だ。
八幡平横断のアスピーテラインとの分岐点を過ぎると、花輪に向かって下っていく。
その途中で国道341号を右に折れ、長嶺熊沢林道に入っていく。山並みの中腹を縫って走る林道で、展望ポイントからは熊沢川流域の水田と山裾の集落を見下ろした。道幅も広く、路面も整備された長嶺熊沢林道は走りやすい。17・3キロのダートを走り抜け、国道341号に出た。
国道282号に合流すると、鹿角市の中心、花輪の町に入っていった。
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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 73,79