5月12日(9)松島→石巻市
投稿日:2011年6月17日
塩竃から松島へ。日本三景の松島は大津波の被害は少なく、松島町内の犠牲者は4人。他の地域と比べると、極端に少ない数字だ。松島湾に浮かぶ島々や松島湾口に連なる桂島、野々島、寒風沢島、朴島といった浦戸諸島の島々が松島を守ったのだろう。
国宝の瑞厳寺の参道はきれいに掃き清められていたし、いつも通りに参拝できた。国道45号沿いの何軒もの店もすでに再開し、松島湾の遊覧船も運航していた。シンボルの五大堂も無事だ。松島は復興一番乗りだ。
松島から国道45号で東松島市へ。
鳴瀬川にかかる鳴瀬大橋を渡り、市役所のある矢本へ。松島町内ではほとんど被害が出ていないのに、隣町の東松島市になると大変な被害。1500人近い死者・行方不明者が出ている。
矢本からは町つづきのような石巻市に入っていく。
今回の「平成東北大津波」で一番の被害をこうむったといっていい石巻市では5000人以上もの死者・行方不明者が出ている。信じられないような桁はずれの数字だ。
国道45号から国道398号で石巻の中心街に入っていったが、国道398号沿いの新市街の復興は早く、すでにいつも通りのように見えた。ところが石巻駅前を通り過ぎ、旧北上川沿いに出ると、状況は一変する。大津波で旧市街は壊滅状態。川岸には打ち捨てられたようなゴーストタウンがつづいた。
旧北上川の河口を見下ろす日和山公園に登り、真っ先に「奥の細道」の芭蕉&曽良像を見る。台座は動いているが、像は無事だ。よかった!
日和山の鹿島御児神社前から旧北上川の河口を見下ろしてた。あまりにも無残な姿に変わり果ててしまった石巻の町並みにはもう言葉もない。涙が出るほど。
神社前の展望台には多くの花が供えられていたが、そこで手を合わせ、亡くなられた大勢の方々の冥福を祈るのだった。