5月19日(12)盛駅→綾里半島(大船渡市)
投稿日:2011年7月3日
岩手県の大船渡では、大船渡湾の一番奥あたりに位置する盛駅前でビッグボーイを停めた。ここはJR大船渡線の終着駅であるのと同時に三陸鉄道南リアス線の起点になっている。
盛駅の駅舎は無事だったが、JR大船渡線も三陸鉄道南リアス線も大きな被害を受け、大船渡線は「盛ー気仙沼」間、三陸鉄道は「盛ー釜石」間が不通になっている。
盛駅前には大船渡市の観光案内板があるが、それに出ている海岸地帯は全域が今回の大津波にやられた。
大船渡からは海沿いの県道9号で綾里(りょうり)半島に入っていく。
綾里半島の綾里は日本の津波の特異地帯といってもいいほどで、明治29年(1896年)6月15日の「明治三陸大津波」では38・2メートルという最大波高を記録した。「明治三陸大地震」によってひきおこされた「明治三陸大津波」では2万1959人もの死者を出したが、この大災害によって「三陸」、「三陸海岸」の名前が日本中に定着したといわれている。
さらに綾里では昭和8年(1933年)3月3日の「昭和三陸大津波」では28・7メートルという最大波高を記録した。このときの「昭和三陸大津波」では死者1522人、行方不明者1542人を出している。そして今回の「平成大津波」では、綾里湾で30・1メートルという30メートル超の波高を記録している。
綾里漁港でビッグボーイを停めた。港をぐるりと取り囲む巨大な防潮堤と水門は無事だったが、防潮堤を乗り越えた大津波でかなりの家並みが破壊された。しかし何度も大津波に襲われた綾里ならではといったところで、一段、高くなった高台にも家が建ち並んでいるが、そこは無事のように見えた。
綾里からさらに県道9号を行くとやがて綾里湾が見えてくる。ビッグボーイを停めて青い海を見下ろしたが、何事もなかったかのような波静かな海だ。