カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

5月19日(20)田老(宮古市)

投稿日:2011年8月26日

頑張ってるぞ!東北!! ツーリング[鵜ノ子岬→尻屋崎 55]2011年5月19日

 三陸海岸の名所、浄土ヶ浜を出発。国道45号に向かっていく途中では、宮古港周辺の大津波による被災地を見下ろす。わずかな高低差によって、1本の線を境にし、それより上はまったく無傷なことがわかる。

浄土ヶ浜を出発
宮古の被災地を見下ろす


浄土ヵ浜へとつづく蛸ヶ浜の海岸
田老の「昭和三陸大津波」の表示板


 国道45号を北へ、田老(たろう)に向かう。
 田老の町並みの入口には、「三陸大津波ここから」と書かれた表示板が立っている。この三陸大津波というのは、「昭和三陸大津波」のこと。1933年3月3日のマグニチュード8・1の大地震によってもたらされた大津波で、死者1522人、行方不明者1542人という大きな被害を出した。そのとき、「ここまで津波が押し寄せましたよ」という表示。今回はそれよりもはるかに高い地点まで大津波が押し寄せた。
 田老の町中に入っていく。中心街は全滅。田老を象徴する大堤防も巨大な水門も残ったというのに、町並みは根こそぎやられている。大津波が堤防を越えたということなのだろう。
 田老からさらに国道45号を北上。その途中の海岸線にある真崎や青野滝、和野、小堀内には30メートルを超える大津波が押し寄せた。
 真崎30・8メートル
 青野滝34・8メートル
 和野35・2メートル
 小堀内37・9メートル
 とてつもない大津波が三陸海岸を襲った。
 小本街道の国道455号が分岐する小本は海岸の集落。おそらく相当の被害が出ているのだろうと想像していたが、それほどでもなかった。海岸のすぐ近くにある一軒宿の温泉、小本温泉ももうすぐ営業を再開できるのではないか…と思わせるほど。三陸海岸では数少ない貴重な温泉なので、小本温泉にはできるだけ早く再開してほしい。

田老の巨大水門は残った
田老の巨大防潮堤も残った


田老の巨大防潮堤の上を歩く
防潮堤の上から見下ろす田老の中心街


全滅した田老の中心街を貫く国道45号
小本温泉


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