第132回 とどヶ崎
投稿日:2011年10月15日
2010年 林道日本一周・東北編
東北一のノッポ灯台へ、徒歩約1時間
釜石から国道45号を北上。大槌町を通り、山田町に入る。船越半島への入口を過ぎると船越湾から山田湾へと海が変る。山田湾ではカキやワカメ、ホヤの養殖が盛んで、養殖筏が海を埋め尽くしている。
山田の町を過ぎたところで、国道45号から県道41号で重茂(おもえ)半島に入っていく。重茂半島は日本の秘境。まるで別世界の迷い込んだかのようだ。海岸のすぐ近くとは思えないほど山が深く、緑が濃い。
山田町から宮古市に入り、県道41号から姉吉漁港へと急坂を下っていく。
姉吉漁港の岸壁にビッグボーイを停め、本州最東端の岬、とどヶ崎を目指して山道を歩き始める。最初は一気の登りで苦しいが、そのあとは登り下りがつづく。とどヶ崎への山道はしっかりと整備されているので、道に迷う心配はない。木標も立っている。
1時間ほど歩くと、とどヶ崎に到着。そこには高さ34メートルという東北一のノッポ灯台が建っている。太平洋岸の岩場を歩く。斧でブチ割ったかのような割れ目も見られる。その先に「本州最北端碑」が建っている。東経142度04分35秒のとどヶ崎だ。
往復8キロも歩かなくてはならないので、この岬までやってくる人はほとんどいない。断崖の縁に腰を下ろし、自分一人でたたずみ、絶景岬を独占。目の前にはてしなく広がる太平洋を眺める。さえぎるものは何もない。水平線上を大型船が北へ、八戸の方向へ進んでいく。
名残おしいとどヶ崎を後にし、姉吉漁港に戻ると、漁師さんの話を聞いた。
「9月に入ると、天然コンブで忙しくなるな。きれいな飴色をした三陸のコンブは質が良い。ととヶ崎の名前通り、かつては岬にトドがやってきた。でも最近はトドを見かけることはほとんどなくなった」
コンブといい、トドといい、とどヶ崎は親潮の海の岬だ。植生を見ても暖地性のタブノキなどの常緑樹は消え、寒地性のナラなどの落葉樹が岬を覆っている。
県道41号で重茂半島を縦断。南の山田湾から北の宮古湾に出る。山田湾側は断崖上の道だが、宮古湾側は海岸を通っている。まるで要塞のような巨大な防潮堤で海岸の集落は守られている。県道41号はその外側、海側を通っている。
津軽石で国道45号に合流し、宮古の町に入っていった。
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今回のエリア:昭文社ツーリングマップル北海道 65,70