環日本海ツーリング[18]
投稿日:2012年3月1日
ニシン漁でもたらされた栄華の一端を見る
岩内町に入ると、国道229号は長いトンネルが連続する。
ニセコの山並みが日本海に落ちる雷電岬は全長2754メートルの刀掛トンネルで抜け、つづいて全長3507メートルの雷電トンネルをスズキDR-Z400Sで走り抜けていく。
岩内の町に近づいたところでDRを停め、磯浜を歩き、日本海を眺める。北へと延びる海岸線の向こうには積丹半島が長々と横たわっている。
岩内に到着。函館から360キロ。ここからさらに国道229号を行き、積丹半島に入っていく。
岩内町から泊村に入り、北海道電力の泊原子力発電所を過ぎたところで泊漁港へ。ここでは鰊御殿を見学。旧川村家番屋と旧武井邸客殿の、移築、復元された2つの建物がある。
旧川村家番屋は明治27年(1894年)に建てられた。鰊番屋は漁場を経営する親方とヤン衆たちとの共同生活をする場で、豪壮な造りには目を見張らされる。
旧武井邸客殿は大正5年(1916年)頃に建てられた。ニシン漁で莫大な富を得た親方が贅を尽くした客殿。それに付随する石蔵にはニシン漁の漁具などが展示されている。
ここで目を引くのはニシン漁の魚場の模型だ。浜には番屋、母屋、客殿、石蔵と並び、そのほか米倉や網倉などがある。釜場や干場もある。漁獲されたニシンの大半は釜場で煮沸され搾られたあと、干場で干され、ニシン粕として出荷された。
ニシン粕はかつての日本の農業を支えたといってもいいほどの魚肥で、高値で売買された。そのため北海道・日本海側のニシン漁では莫大な利益を得ることいができたのだ。