カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[19]

投稿日:2012年3月2日

飲んで飲んで飲みまくった思い出の「もいわ荘」に到着

 積丹半島西岸の泊漁港から国道229号を北上。スズキDR-Z400Sを走らせるとほどなく盃温泉に到着。国民宿舎「もいわ荘」(入浴料500円)のツルツル湯に入り、湯から上がると食堂で「天丼」(850円)を食べた。

盃温泉の茂岩。国道から歩いて渡れる


盃温泉「もいわ荘」
「もいわ荘」の「天丼」


 ここはなつかしの温泉。
「300日3000湯」(2006年?2007年)ではひと晩、泊まった温泉宿で、そのときはカブタン夫妻と一緒に泊まった。その時の様子をお伝えしよう。

「積丹半島一周」の温泉めぐり、開始だ。
 この日の第3湯目の余市川温泉、第4湯目のふるびら温泉と入り、積丹半島の東岸から北岸へ。
 第5湯目は積丹温泉「岬の湯」。大浴場と露天風呂。露天風呂からは日本海を一望する。左手には神威岬が見える。ほぼ無色透明の湯で塩分が濃い。湯から上がると、体にはベトツキ感が残った。
 第6湯目はシララ温泉。民宿&食堂「北都」の「シララ姫の湯」に入る。ほぼ無色透明の湯で、かすかな甘味。浴室からは日本海を一望する。
 国道229号で積丹半島の西岸へ。夕日を浴びて海がキラキラ光っている。
 珊内ぬくもり温泉、神恵内温泉、998温泉の3湯に入り、盃温泉に到着。国民宿舎の「もいわ荘」に行く。
 驚いたことに、そこにはカブタン夫妻がいるではないか。夫妻は今日のぼくの動きを見ながら、きっとここにやって来るに違いないと推測し、待ち構えていたというのだ。
 我々はここで一緒に泊まることにし、「さー、宴会だ〜!」と、俄然、張り切ってしまう。夕食も用意してもらえることになった。
 大急ぎで第10湯目の「宿湯」に入り、食堂で夕食。カブタン夫妻と一緒に食べる。まずはビールで乾杯。
「乾杯!」をくり返し、何本ものビールをあけた。カブタンは強い。まったくピッチを落とさずにグイグイ飲み干し、次々に空にしていく。ぼくだって負けてはいられない。ビールの空きビンがズラズラッと並んだところで、シャケのチャンチャン焼き、宗八の焼き魚、刺身、茶碗蒸し…の夕食を食べた。
 食堂での夕食を終えると、今度はカブタン夫妻の部屋に舞台を移しての飲み会になる。
 そこではカブタンが車に積んできた北海道の地酒を飲む。1升びんとか5合びんとか…、何種もの地酒。カブタン旦那は早々とダウン。そんな旦那を尻目に平然と飲み続けるカブタン…。
 カブタン、恐るべし。
 強い、ほんとうに強い!
 だんだん意識が朦朧としてくる。呂律もまわらなくなってくる。それでも飲みつづける。ほとんどの酒ビンを飲みつくし、空にしたところで我々の宴はお開きになったが、まっすぐ立って歩くこともできず、自分の部屋に這うようにして戻った。
 驚いたのはカブタンだ。それだけ飲んでも平然とした顔つき。
「おやすみなさい、カソリさん!」
 といわれてしまった。

300日3000湯めぐり日本一周 下巻』昭文社刊より

 そんな、何ともなつかしいカブタン夫妻とは札幌で再会をはたすことになっている。楽しみだ。
 盃温泉からさらに国道229号を北上。積丹トンネルを抜け出ると、前方には神威岬が見えてきた。

海岸のテトラポット
国道229号を北へ


積丹トンネルを抜け出る
積丹半島北西端の神威岬が見えてくる


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