カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[25]

投稿日:2012年3月8日

増毛の歴史的建造物群が繁栄のなごりを残す

「蝦夷三険岬」の雄冬岬を出発。国道231号で増毛へと、スズキDR-Z400Sを走らせる。
 雄冬海岸には赤岩崎、観音崎、日方崎、マッカ崎、カムイエ崎と岬がつづき、赤茶けた岩山がそのままストンと海に落ちている。国道231号はそれらの岬を連続するトンネルで通り抜けていく。
 増毛に到着すると、JR留萌本線の終着、増毛駅でDRを停めた。

雄冬岬を出発
JR留萌本線終着の増毛駅


 駅前には木造3階建ての「旅館富田屋」が建ち、その隣には同じく歴史を感じさせる建物の「風待食堂」がある。旅館はすでに廃業し、食堂の方は観光案内所になっていたが、それらの建物はかつての増毛の繁栄をしのばせた。
 増毛は宝暦年間(1571年?1764年)に漁場として開発されて以来、ニシン漁の中心として繁栄した。「旅館富田屋」や「風待食堂」は増毛の栄華を今にとどめる「歴史的建造物」ということで北海道遺産に指定されている。

増毛駅前の木造3階建の「旅館富田屋」


増毛駅前の「風待食堂」
増毛の駅前通り


 このほかにも増毛の駅前通りには旧商家の「丸一本間家」や「増毛館」、日本最北の造り酒屋「国稀酒造」などの「歴史的建造物」がある。
 高台にある増毛小学校の校舎もそのひとつ。現存する小学校の校舎としては北海道最古。昭和11年に建てられたものだ。

旧商家「丸一本間家」


増毛の造り酒屋「国稀酒造」
北海道最古の木造校舎、増毛小学校


 それら北海道遺産の「歴史的建造物」を見たあと、増毛港へ。岸壁にDRを停め、漁港とその向こうに広がる日本海を眺めた。かつてはこの港と海が増毛におおいなる繁栄をもたらしたのだ。

増毛漁港
増毛漁港の漁船


増毛漁港から見る日本海


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