カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[26]

投稿日:2012年3月9日

寂しさが漂う留萌港の今を見る

 増毛から国道231号で留萌へと、スズキDR-Z400Sを走らせる。左手には日本海、右手には増毛山地の山並みを眺めながらの走行だ。増毛山地の最高峰、暑寒別岳(1492m)が大きく見えている。
 留萌に到着。中心街を走り抜け、留萌駅前でDRを停めた。自販機のカンコーヒーを飲みながら、駅前の留萌の案内図を見る。こうして駅前まで行き、その町の案内図を見るのがぼくは好きなのだ。
 留萌ではまず、留萌川河口近くの黄金岬に行く。そこには「波濤の門」と彫り刻まれた石塔が建っている。その周辺は岬公園。東屋風の休憩所もある。DRを停めると、日本海を見ながら岬突端の岩礁地帯を歩いた。

留萌駅前に到着
駅前の留萌の案内図を見る


留萌の町を走る
黄金岬へ


黄金岬の石塔
黄金岬突端の岩礁地帯


 次に留萌川河口の留萌港へ。ここはかつての石炭積出港。留萌近くの大和田炭田の石炭は馬車で港まで運ばれ、ここから船で本州に送られた。明治43年の「深川?留萌」間の留萌線開通後は、空知炭田の石炭も留萌港から本州に送られた。
 その石炭も廃れ、今の留萌港には寂しさだけが漂っていた。
 留萌も増毛同様、かつてはニシン漁で栄えた。
 その歴史は古く、寛延3年(1750年)にはニシン漁場の「留萌場所」ができたという。留萌場所は「千石場所」と呼ばれたほどの好漁場で、ニシン漁は江戸後期から昭和20年代の後半までつづいた。ニシンは留萌に限りない繁栄をもたらしたのだ。
 しかしそれ以降、ニシンはパッタリ獲れなくなってしまったが、今でも「留萌の数の子」は有名だ。それはかつての留萌を支え、留萌に繁栄をもたらしたニシン漁の名残といえる。

留萌港の岸壁


留萌川河口の留萌港
留萌港から見る日本海


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