カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[94]番外編

投稿日:2012年6月15日

ユーラシア横断(6)チェラビンスク→モスクワ

2002年7月22日(月)曇のち晴 チェラビンスク→ウファ 414キロ
 8時、朝食。ライス、ハンバーグ、ビーン、サラダ。
 9時、チェラビンスクを出発。ここからはモスクワに通じているM5(国道5号)になる。モスクワから放射状に延びるロシアの幹線国道の1本だ。
 10時45分にアジア側最後の町、ミアスに到着。前方にはウラル山脈のゆるやかな山並みが連なっている。
 11時30分、ウラル山脈の峠に到達。北極海に流れ出るオビ川とカスピ海に流れ出るボルガ川の水系を分ける分水嶺で、アジアとヨーロッパを分ける峠になっている。
 チェラビンスクから124キロの地点。峠には大きな石柱の碑。西に向かっては「ヨーロッパ」、東に向かっては「アジア」とロシア語で書かれ、その側面には欧亜を分ける赤い線が引かれている。
 ここはまさに「大陸境」なのだ。
 日本の峠と違って、そこからさらにいくつもの峠を越えてウラル山脈を越えていく。
 全長2000キロを超えるウラル山脈は幅も広い。本州がすっぽり入ってしまうくらいの300キロ近い幅があるのだ。
 そんなウラル山脈の峠のひとつで昼食。パン、ソーセージ、サディーンの缶詰、それとインスタントラーメンだ。
 ウラル山脈を越えると前日とはうってかわって猛烈な暑さになる。
 19時20分、ウファに到着。気温は33度。うだるような暑さ。
「ホテルロシア」に泊まる。
 ホテル8階のレストランで夕食。全員、ビールで乾杯。
 我々はアジアからヨーロッパに入ったのだ。
 ライス&ビーフ、サラダの夕食を食べ終えると、ウファの町をプラプラ歩く。巨大なレーニン像。遊園地。広場で見かけた女性たちの多くはシベリア同様、スケスケルック。ノーブラの若き女性もいて乳首がはっきり見える。

ウラル山脈を正面に見る
ウラル山脈の峠。ここがアジアとヨーロッパの境


ウラル山脈を越えて入ったヨーロッパ側の森林
ウファのレーニン像


ウファの中心街
ウファの油田


2002年7月23日(火)晴 ウファ→カザン 548キロ
 7時、「ホテルロシア」のレストランで朝食。黒パン、チーズ、サラミ、サラダ、ロシア風のオムレツ。飲み物は紅茶。
 9時、パトカーの先導でウファを出発。町並みを抜け出たところでパトカーはウファに戻っていった。
 ウファからカザンへM7を行く。モスクワへの道標が出てくる。いよいよモスクワが視界に入ってきた。
 広大な麦畑が広がっている。牧草地もとてつもなく広い。白い花をつけたソバ畑もあった。
 暑い。それにしても暑い。
 真夏のサハラ砂漠から吹いてくる熱風のシロッコがこのあたりまで入り込んでいる。気温は40度近い。
 M7沿いの木陰で昼食。パン、ソーセージ、サケの缶詰。暑さにやられもうグッタリ。昼食後は昼寝。短時間での睡眠をむさぼった。
 19時、カザンに到着。気温は39度。「ホテルタタールスタン」に泊まる。カザンはタタールスタンの都だった。それにちなんだホテル名。夕食はホテルのレストランで。ライス&肉料理。
 夕食後、カザンの町を歩く。日が落ちると、やっとしのぎやすくなる。目抜き通りのモールからクレムリンへと歩いた。

ウファからカザンへ


ここはガソリンスタンド
カザン近くのモーテル


カザンの中心街
カザンのクレムリン


カザンで泊まったホテル
M7の道標


2002年7月24日(水)晴 カザン→ニジニノブゴロド 430キロ
 8時、「ホテルタタールスタン」の朝食。パン、チーズ、ジャガイモ&白身の魚。
 9時、出発。ヨーロッパ・ロシアの大河、ボルガ川を渡る。モスクワよりもはるかに北のバルダイ丘陵を源とするボルガ川はロシアの大平原を南流し、最後はアストラファンの近くでカスピ海に流れ出る。全長3690キロ。ロシア人にとっては「母なる流れ」だ。
 前日にひきつづいて、今日も猛烈な暑さ…。ここまで暑くなるのか、ロシアは…。
 昼食は街道沿いのカフェで。
 14時の気温は36度。
 17時の気温は38度。
 20時、ニジニノブゴロドに到着。「ホテルベルグ」に泊まる。夕食はホテルのレストラン。ライス&肉料理の夕食を食べ終ると、夕暮れの町を歩いた。

ボルガ川


ニジニノブゴロドで泊まったホテル「ベルグ」
ホテルの駐車場に停めた我々のバイク


2002年7月25日(木)晴のち雨 ニジニノブゴロド→モスクワ 450キロ
 夜明けの町歩き。
 ニジニノブゴロドの町を歩く。トロリーバスが走っている。トラム(路面電車)が走っている。オンボロバスが走っている。
 8時、「ホテルベルグ」のレストランでの朝食。パン、チーズ、ハム、それとポテト、キューリを添えたチキン。
 9時、出発。M7でモスクワへ。4車線の道。今日も晴れてるが、雲が出ているので、すこしはしのぎやすい。それにしても連日の猛暑。
 M7沿いのガソリンスタンドで給油したときのことだ。給油中に突然、給油機のホースが外れ、そばにいた我々のメンバーの日向野さんは頭からガソリンをかぶった。もし何かの拍子で発火していたら、大惨事になるところだった。
 信じられないような出来事だが、何が起きるかわからないのがロシアだ。
 夕方から雨になった。
 雨をついて走り、18時45分、ついにモスクワに到着。
 ウラジオストックから8512キロ。それプラス、ブラゴベシチェンスク→チタ間の列車、約1000キロがある。
 モスクワでは「イズマイロボ・ホテル」に泊まる。7500室もある巨大ホテル。夕食はホテルのレストランで。まずはモスクワ到着を祝ってロシアン・ビールで乾杯。そのあとビーフステーキ&牛タンを食べた。

モスクワに到着!
ホテルから眺めるモスクワ


モスクワの市場
モスクワで泊まった「イズマイロボ・ホテル」


2002年7月26日(金)晴 モスクワ
 今日は1日、モスクワ滞在。
 8時、「イズマイロボ・ホテル」の朝食。セルフサービスのバイキング。
 午前中は「道祖神」の菊地さんと一緒にモスクワの中心街を車で走った。
 モスクワ川の河畔を走り、クレムリンを一周。
「イズマイロボ・ホテル」に戻ると、菊地さんの部屋で昼食。日本製焼そば&おこわを食べ、キューリを生かじりした。
 午後はモスクワ郊外の市場を歩いた。
 夕食は「イズマイロボ・ホテル」のレストラン。肉料理だ。

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