カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[99]

投稿日:2012年6月22日

ロシア軍極東軍管区歴史博物館で立ちすくむ

 ハバロフスクの「ムラビヨフ・アムールスキー公園」を歩き、展望台からアムール川を見下ろしたあと、公園とは道をはさんで反対側にある「ロシア軍極東軍管区歴史博物館」を見学した。
 屋外には軍用車両や高射砲、歴代の戦車、現在の主力戦車のT80、ミグ17戦闘機などが展示されている。

軍用車両
高射砲


歴代の戦車
現在の主力戦車のT80


ミグ17戦闘機
屋内の展示


カラシニコフなどの火器類


 屋内の展示では旧満州での日本軍との戦闘が目を引いた。
 ソ連軍が参戦したのは終戦間近の昭和20年(1945年)8月8日。
 150万の兵力が怒涛のごとく旧満州の全域になだれ込んできた。
 主力は東方のウラジストック周辺の部隊と西方のモンゴルに駐屯していた部隊。
 東方からはハルビン、新京(長春)へと攻め、西方からは大興安嶺山脈を越えて奉天(瀋陽)へと攻めた。
 日ソ間の戦闘は終戦後の9月までつづいた。
 100万の兵力の日本軍(関東軍)は敗走に敗走を重ねて10万人近い死傷者を出し、60万人もの兵士が捕虜になり、その後、シベリア各地に抑留された。
「極東軍管区歴史博物館」の展示を見ていると、旧満州での日ソ戦がつい昨日のような臨場感でもって迫り、しばらくは立ちすくんで動けなかった。

旧満州での日ソ戦
ソ連軍の旧満州への侵攻ルート


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