カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[129]番外編

投稿日:2012年7月23日

ソウル→北朝鮮2001(2)

朝鮮半島横断

 2001年6月2日午前8時、BMWのR1150RTに乗って、ソウルのオリンピック記念公園に行った。そこが「北朝鮮ツーリング」の出発点。BMWやハーレーなど、全部で13台のバイクが集合した。ウィルソンさん、フリンガーさん、カソリの3人の外国人のほかに10人の韓国人が参加している。彼らは韓国内のバイククラブの会長やバイク誌の編集長だという。
 オリンピク記念公園前でのセレモニーの後、大勢の見送りやテレビカメラの中継の中を走り出したときは、ふと「パリ・ダカ」の出発シーンが目に浮かんだ。
 1982年、冒険家の風間深志さんと2人だけの「チーム・ホライゾン(地平線)」を結成して参戦したときは、パリのコンコルド広場が出発点だった。大観衆で埋めつくされたシャンゼリゼ通りを走り抜け、凱旋門をぐるりと回ってパリ郊外に出たが、そんな20年前を思い出させるようなソウル出発のシーンだった。
 ソウルから日本海の港、東海港を目指してR1150RTを走らせる。そこからバイクを船に積んで北朝鮮の長箭港に渡るのだ。
 国道6号で漢江沿いに走り、北漢江と南漢江の合流点からは南漢江に沿っていく。
 R1150RTは車体の大きさと重さが気になったが、走るほどに慣れていった。
 国道6号→国道42号→国道38号というルートで朝鮮半島を横断し、夕方、太白に着いた。ここは太白山脈の山中にある町だ。
 市庁舎で太白市長の歓迎を受けたあと、パトカーに先導されて市内をひと回りする。そのあと焼肉店で夕食。みなさんと和気あいあいで話しながらの楽しい夕食だ。
 その夜は太白郊外の「ヒル・ハウス」という洒落たホテルに泊まった。韓式のオンドルの部屋。布団をそのまま床の上に敷く。畳と床、このあたりが日韓の違いだ。
 翌日は太白近郊に申さんが総力を上げて建設中のサーキトを見学する。
「テベック・シン・ジュヨン・サーキット」。
 完成すれば韓国初の国際級サーキットになるという。
 太白から日本海の東海へ。
 国道38号で太白山脈を下っていく。R1150の車体の大きさ、重さにはもうすっかり慣れていたので、急勾配、急カーブの山道をスイスイ走り抜けていった。
 こうして朝鮮半島を横断し、ソウルから366キロ走って日本海の東海港に到着した。


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