カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

環日本海ツーリング[156]

投稿日:2012年8月29日

潮風を受け、大海原を見ながらいくつもの漁港を過ぎる

 8月20日5時、敦賀駅前の「東横イン」を出発。越前の一宮、気比神宮を参拝し、国道8号を北へ。敦賀湾沿いの道を行く。スズキDR-Z400Sで切る潮風がたまらない。対岸に見えるのは敦賀半島。その突端は立石岬だ。
 国道8号から国道305号に入り、さらに海沿いの道を行く。海は敦賀湾から若狭湾に変っている。
 南越前町から越前町に入る。国道沿いには「越前ガニ」の看板を掲げた店を見かけるようになるが、このあたりが越前ガニの本場。冬の越前ガニの季節だと、店先の大釜でカニをゆでている光景があちこちで見られる。
 越前海岸にはいくつもの漁港がつづくが、その中でも最大の小樟(ここのぎ)漁港でDRを停めた。
 ここでは越前ガニの競りを見たことがある。漁船から水揚げされた越前ガニが魚市場にズラリと並ぶ光景は、それは壮観な眺め。カニはゴソゴソ動き、まだ生きていた。
 午前8時に一番競りが始まると、競り落とされた越前ガニはすぐさま業者の車で港外に運び出されていく。保存のきかない越前ガニは鮮度が勝負。そのあと二番競り、三番競りとつづき、競りは午前10時過ぎには終わった。そんな越前ガニの競りの光景が小樟漁港の岸壁に立つと、鮮やかに蘇ってくるのだった。
 越前玉川温泉を過ぎたところが越前岬。若狭湾の対岸が近畿最北端の岬、丹後半島の経ヶ岬になる。
 この越前岬の沖、丹後半島の経ヶ岬に向かって西へ2、30キロの海域が越前ガニの漁場になっている。越前ガニは水深200メートルから400メートル、水温1度から3度の深い、冷たい海に生息している。
 越前岬を過ぎると日本海になる。左手にはてしなく広がる大海原を見ながらDRを走らせた。

敦賀駅前の「東横イン」を出発
敦賀湾を見ながら走る。対岸は敦賀半島


越前ガニの本場、小樟漁港(越前漁港)
断崖が海に落ちる越前岬


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