環日本海ツーリング[158]
投稿日:2012年9月5日
輪島で食の文化財、魚醤「いしる」を味わう
国道305号で石川県に入ると、大聖寺(加賀市)の町を走り抜け、国道8号に合流。スズキDR-Z400Sを走らせ金沢へ。金沢からは国道159号で能登半島に入っていく。
宝達清水町の「バイク市場きゃぷてん」に到着。なつかしの中村社長と奥様、店長の光君、愛犬のバラキとの再会。ここでDRのオイル交換をしてもらった。
中村社長夫妻としばしの歓談のあと、輪島に向かっていく。その途中では千里浜なぎさハイウエェイを走り、能登の一宮、気多大社を参拝した。
輪島では「まつおか」という店で「いしる定食」(1000円)を食べた。いしるの貝焼きだ。
いしるというのは、奥能登特産の魚醤のこと。日本の食の文化財といってもいいほどで、かつては日本各地(とくに沿岸一帯)で使われていた魚醤の数少ない残存例が「いしる」なのである。
ちなみに魚醤というのは、魚を塩漬けにして重しをかけ、しみ出る汁を漉したもの。魚のうま味のたっぷり入った調味料である。日本ではほかには秋田の「しょっつる」がよく知られている。
さていしるの貝焼きだが、煮えたぎってきたところで、ナスやネギ、ダイコンの野菜類とエノキ、イカ、甘エビを入れる。
いしるの貝焼きの具は野菜類中心。その中ではとくにナスがうまかった。たっぷりといしるのしみ込んだナスには、いしる特有の濃厚な味わいがあった。最後にご飯に、いしるをかけて食べた。これがまた、うまい。何種もの具の味がしみ出たいしるは、ひときわうま味を増していた。