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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本巡礼[005]

投稿日:2014年3月11日

遠江から三河へ

四国八十八ヵ所めぐり 2009年4月3日
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弁天島の旅館「あみ住」の朝食

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弁天島の旅館「あみ住」を出発

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新居宿の新居関所を見学

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新居宿の旅籠「紀伊国屋」を見学

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白須賀宿の菜の花畑

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静岡県から愛知県に入る

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二川宿

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二川宿の旅籠「清明屋」を見学

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吉田宿の豊橋公園の桜は満開!

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岡崎宿の岡崎城

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岡崎城の徳川家康の遺訓碑

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池鯉鮒宿を行く

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安野の一里塚

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宮宿の「七里の渡し」跡

 4月3日7時、弁天島の旅館「あみ住」の朝食。納豆、卵、海苔、サラダのほかに鰻の蒲焼が出たのには驚いた。さすが浜名湖だ。
 この弁天島はすごい島。国道1号が通り、JR東海道線と東海道新幹線も通っている。まさに日本の大動脈を支える島。日本中のどこを探しても、このような島はない。
 国道1号で浜名湖を渡ったところが新居宿。宿場の入口に新居関があるが、日本で唯一、ここには関所の建物が現存している。
「新居関所」を見学。関所がどのようなものであったかがよくわかる。そのあと新居宿の旅籠「紀伊国屋」を見学する。東海道を行き来した旅人たちの息吹が伝わってくるようだった。
 次の白須賀宿を過ぎると静岡県から愛知県に入る。旧国でいうと遠江から三河に入った。それにしても静岡県内の東海道は長い。宿場の数も第11番目の三島宿から第32番目の白須賀宿まで22宿を数える。東海道は静岡街道といってもいいほどだ。
 愛知県内最初の宿場は二川宿。江戸時代の二川宿は総戸数が328軒という小さな宿場だが、国道1号の北側には当時の宿場町がじつによく残されている。まるでタイムスリップしてアドレスで江戸時代に突入したかのようだ。ここでは本陣跡の「二川宿本陣資料館」と旅籠の「清明屋」を見学した。
 二川宿ではすっかり江戸時代気分に浸ったが、次の吉田宿に向かう途中の旧東海道で現実にひき戻された。「止まれ」の横道から年寄の乗った車が猛烈な勢いで飛び出してきた。車は交差点で止まろうとした瞬間、何とエンジンの回転を一気に上げて右折してきたのだ。運転手はブレーキとアクセルを踏み間違えたようだ。ほんの数センチの差で衝突を回避したが、ここではアドレスの機敏な動きに助けられた。
 三河路を行く。吉田宿の豊橋公園は桜が満開。御油宿と赤坂宿の間には松並木が残っている。そして藤川宿と通り岡崎宿へ。
 岡崎宿に到着すると、岡崎城のある岡崎公園に行く。徳川家康ゆかりの岡崎城入口には「人の一生は重荷を負うて、遠き道をゆくがごとし。いそぐべからず。不自由を常とおもえば‥」で始まる有名な家康の遺訓碑が、亀の石像の上に建っている
 岡崎城の天守閣に登り、町並みを眺めた。岡崎は城下町であるのと同時に、東海道の主要な宿場。東海道筋では府中宿に次ぐ賑わいをみせていた。
 岡崎城の茶店で三河名物の「五平餅」を食べる。それにはたっぷりと八丁味噌のタレがかかっている。三河の赤味噌を代表する「八丁味噌」の起源は遠く室町時代までさかのぼるといわれているが、東海道を行き来する旅人たちによってその名は全国に広まった。
 岡崎城を後にすると、角九印で知られる「八丁味噌」の工場を見学。岡崎市の八帖町にあるが、ここはかつての八丁村。岡崎城から東海道を西へ、ほぼ八丁(約870m)の距離に位置しているからだ。八丁村産の味噌はいつしか八丁味噌といわれるようになった。「八丁味噌」の工場を見学。そのハイライトシーンは味噌蔵だ。塩と水の混ぜられた豆麹は30石(約5400リットル)の大桶に仕込まれるが、このような仕込み桶が薄暗い味噌蔵にズラリと並んでいる光景は息を飲むほどに壮観だ。
 岡崎宿の次の池鯉鮒宿(知立)を過ぎると、境川を渡って三河から尾張に入っていく。
 東海道の両側に残る阿野の一里塚、桶狭間の古戦場を見て鳴海宿へ。ここには往時の街道の風情はないが、その手前の間の宿、有松には東海道の風情を残す家並みがつづく。
 鳴海宿を過ぎると熱田神宮に近い宮宿に到着。第1番目の品川宿から数えて41番目。宮宿の「宮」は熱田神宮のことだ。東海道はここからは海路になる。次の桑名宿(三重県)には「七里の渡し」で渡った。七里の渡し跡には常夜灯と時の鐘が復元されて建っている。一晩、名古屋市内の「東横イン」で泊まり、翌日、桑名に向かった。当時の東海道と現在の国道1号が大きく異なるのは「宮宿→桑名宿」間だ。

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