アドレス日本巡礼[140]
投稿日:2014年9月19日
賽銭も奮発
小豆島東部の福田を出発。ちょうど福田港からは姫路行きのフェリーが出ていくところだった。
小豆島一周の道も福田から土庄までは国道436号になる。国道沿いにある第86番の当浜庵(あてはまあん)、第87番の海底庵(かいていあん)と参拝し、ついに第88番の楠霊庵(なんれいあん)までやってきた。石段の下にスズキの125ccスクーター、アドレスV125Gを停め、石段を登り、楠霊庵を参拝した。「やったね!」という気分。賽銭も奮発し、ここでは1000円札を入れた。楠霊庵の本尊は地蔵菩薩。心をこめて真言の「オンカカカピサンマエイソワカ」を3度、唱えた。
「終った!」
うれしいような寂しいような…。
だが、まだ小豆島の旅はつづく。
国道436号で橘峠へ。標高120メートルの峠だ。南風台のある橘の集落から登り、峠を越えると旧内海町の中心、草壁に下っていく。草壁側が急な勾配で、ヘアピンカーブが連続する。小豆島の峠の中では一番、峠らしい峠になっている。
橘峠の頂上まで戻ると国道と分れ、大角鼻への道に入っていく。小半島の東海岸を南下。道幅が狭く、交通量はきわめて少ない。集落もない。ところどころでは断崖を見下ろすような道。長々と横たわる淡路島が見える。その半島の突端が大角鼻だ。白い灯台がある。大角鼻から半島の西海岸を行くと坂手湾が見渡せた。
こうしてなつかしの坂手港に戻ってきた。ここから「小豆島八十八ヵ所めぐり」をはじめたのは前々日のことでしかないのに、何か1ヵ月も2ヵ月もたったかのような錯覚にとらわれた。
坂手港からはもう一度、「岬の分教場」を見たくて田ノ浦半島に入っていく。
半島の先端近くには田ノ浦漁港。その前に壺井栄(1900~1967年)の「二十四の瞳」の舞台になった「岬の分教場」が当時のままの姿で残されている。古き良き日本をしみじみと感じさせる「岬の分教場」。壺井栄は坂手で生まれた。
つづいて「二十四の瞳映画村」も、もう一度、見ていく。田中裕子主演の映画「二十四の瞳」のロケに使ったオープンセットをそのまま残したもので、ここでは1日4回、映画が上映されている。
田ノ浦半島の行き止り地点まで行き、坂手港に引き返した。