アドレス日本巡礼[192]
投稿日:2014年11月27日
第1番札所へ向かう
2009年5月16日、京都を拠点にしての「西国33ヵ所めぐり」の開始だ。スズキの125ccスクーター、アドレスV125Gを走らせ、まずは「本能寺の変」の舞台の本能寺に行く。東海道と中山道の終点、三条大橋に近い。
そこには次のように書かれた本能寺の案内板が立っている。
天正10年(1582年)の「本能寺の変」は日本の歴史を大きく変えた出来事。本能寺の境内にある信長の廟に手を合わせ、信長を偲んだ。信長があと10年生きていたら…、今の日本はまったく違っていたかもしれない。
次に錦小路へ。
錦小路は京都の中心街を東西に走る四条通りの1本、北側の通り。アドレスを駐車場に止め、京都第一の繁華街、新京極から歩いていった。ここには京都の台所ともいえそうな錦市場がある。八百屋、魚屋、乾物屋、肉屋、漬物屋、総菜屋、天ぷら屋、蒲鉾屋、すし屋といった食料品店が、狭い通りの両側に140軒余りも並んでいる。京料理には欠かせない湯波や生麩をつくる店もある。
魚屋では一夜干しやひと塩しただけのイワシ、サバ、アジ、ササガレイなどの半生の魚が目につく。これらの魚は日本海側の越前や若狭から入ってくる。京都は日本海と深く結びついた町なのだ。
京都から途中峠を越えて敦賀に至る越前街道は「トト(魚)街道」、京都から周山を通って小浜に至る若狭街道は「サバ(鯖)街道」ともいわれる。このことからもわかるように、京都人にとって日本海に通じる街道は、海の幸をもたらしてくれる魚街道。日本海の浜でひと塩された魚は峠を越えるころには塩がなじみ、錦市場に並ぶころにはちょうどよい味になっている。
八百屋の店先は色鮮やか。京都特産の野菜の多いのには驚かされる。キントキニンジンの透き通るような赤、丸い聖護院大根や淀大根の目にしみるような白、九条ネギの濃い緑…とじつにカラフル。野菜類はみずみずしく、水がしたたりおちんばかりに並べられている。京都には賀茂茄子や壬生菜、聖護院かぶらといったような地名のついた京都特有の野菜が何種類もある。
八百屋で気がつくのはサトイモやエビイモ、ツクネイモ、クワイ、長老木と呼ばれるイモの根、ユリ根…と、イモや根菜の類が多いこと。ムカゴ飯などにするヤマイモの子のムカゴが山盛りにされている。それがいかにも京都らしかった。
錦小路歩きを終えると、四条河原町の交差点から国道1号の五条通りに出、京都駅前へ。そこから「西国33番」の第1番札所、青岸渡寺に向かった。