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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本巡礼[263]

投稿日:2015年4月22日

天橋立を見下ろす

西国三十三ヵ所めぐり 2009年5月23日

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伊根の舟屋

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籠神社を参拝

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籠神社の倭宿禰像

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リフトに乗って傘松公園へ

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傘松公園から見下ろす天橋立

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リフトから見下ろす天橋立

 近畿最北端の経ヶ岬から国道178号を南へ。経ヶ岬を過ぎると、日本海から若狭湾へと海が変わる。若狭湾岸の伊根では舟屋を見る。舟屋は1階が舟置場で2階が漁具置場になっている。そんな伊根特有の舟屋が海岸に建ち並んでいる。

 伊根から国道178号をさらに南下すると、丹後の一宮、籠神社の前に出る。「籠」で「この」と読む。この地は丹後の府中で、近くには丹後の国分寺跡もある。この地は元伊勢とも呼ばれ、籠神社は伊勢神宮の元宮になる。日本三景の天橋立の北端に位置しているが、天橋立は籠神社の参道のようなものだ。

 古代の日本は太平洋側よりも日本海側のほうがはるかに文化の進んだ先進地帯だった。とくに丹後は大陸との結びつきが強く、大陸の先進文化が真っ先にこの地にもたらされた。元伊勢が丹後にあるのは、それを証明しているかのようだ。

 丹後の中心、宮津から南下する府道9号は「京街道」ともいわれるが、標高407mの普甲峠を越えたところには「元伊勢の里」がある。そこには元伊勢神宮奥宮の天の岩戸神社や内宮の皇大神社、下宮の豊受神社がある。五十鈴川も流れている。伊勢神宮は元々はこの地にあったものが、籠神社に移り、今の伊勢の地に移ったのだという。

 そんないわれのある籠神社を参拝。本殿は伊勢神宮の唯一神明造と同じ様式の唯一神明造で、ここでも伊勢神宮の式年遷宮と同じように30年ごとの造替制になっている。

 境内には倭宿禰(やまとのすくね)像が建っている。籠神社の宮司家は現在で82代目ということで、その祖が倭宿禰になるという。神武東征の折、明石海峡に亀に乗って現れ、浪速へと先導したのが倭宿禰。それにちなんで倭宿禰像は亀に乗っている。

 籠神社の参拝を終えるとリフト(往復640円)に乗って傘松公園に登り、そこから日本三景の天橋立を見下ろした。ここは「股のぞき」の名所だ。

 籠神社に戻ると、アドレスに乗って「西国33ヵ所」第28番札所の成相寺(なりあいじ)へ。国分寺跡を通り、勾配の急な山道を登り、傘松公園よりもはるか上にある成相寺に到着。天橋立を見下ろす成相山の中腹に建つ寺。成相山は山岳宗教の修験の地として知られていた。ここは「西国33ヵ所」最北の札所になる。拝観料の500円を払い、見事な彫刻のほどこされた山門をくぐり、入母屋造の本堂を参拝する。本尊は聖観音菩薩像。「美人観音」と称され、祈願すると美人になれるといわれている。

 成相寺の参拝を終えると、ダートの山道を6キロほど走り、天橋立から若狭湾を一望する大展望台に立った。

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丹後の国分寺跡 成相寺を参拝 成相寺の大展望台からの眺め

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