カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

V-Strom1000で行く日本[37]

投稿日:2015年12月24日

バイクは健康機器

2015年9月21日(東京〜鹿児島)

 9月21日。夜明けとともに目覚め、「ホテル佐多岬」の部屋の窓から、日本本土最南端の夜明けの海を見る。朝湯に入り、展望風呂からは湯につかりながら、雲の切れ間から昇る朝日を見た。湯から上がると朝食。さすが鹿児島、朝食には「さつま揚げ」がついていた。

 8時、「最南端バイクミーティング」の第2日目が始まる。いくつかのプログラムに分かれての第2日目だが、ぼくはみなさんに「カソリのバイク旅」を話した。講演会の会場には、毎日新聞記者の松尾雅也さんが来てくれていた。

 これは旅を終えてからの後日談になるのだが、10月16日の「毎日新聞」の朝刊が自宅に送られてきた。その中のコラム欄には「バイクは健康機器」と題して、次のような松尾さんの署名記事がのっていた。

「バイクは健康機器」。今秋、68歳になった世界的冒険ツーリングライダー、賀曽利隆さんは、長年、旅を共にしてきたバイクについての受け止めを、奇をてらうことなくこう表現した。

 風に秋のにおいが交じりはじめた9月下旬、鹿児島県大隅半島の先端、南大隅町であった「第1回 最南端バイクミーティング」に参加した。

 賀曽利さんは、アフリカを皮切りに半世紀近くにわたって、世界中、日本国中をバイクで巡り、その経験と土地の風土や文化を雑誌や著書で紹介している。今回のミーティングにも東京から国道を4日間、ひた走って到着した。

 講演で賀曽利さんは古希を目前にして気力、体力が衰えない自らの健康法について「バイクに乗ること」とさらりと話した。その上で、50代の頃に不整脈を患い、床にふした経験を披露。薬を飲んでも治らなかったが、思い切ってバイクに乗ると「単気筒エンジンの鼓動のように心拍は安定した」とユーモアを交えて話し、会場を沸かせた。

 ミーティングは、最果ての地を目指すツーリングライダーの「習性」を、少子高齢化の一助にしようと、バイクによる北極、南極点の踏破を成し遂げた、冒険ライダー、風間深志さん(65)と南大隅町や住民が協力して実現した。

 当日は、北海道から九州まで、全国から140台のバイク乗りが集まった。その大半は中高年ライダーで、私を含めて多くは腰や関節、尻の痛みに耐え、体調を気遣いながら佐多岬を目指した。閉会日、参加者たちは、来年の再会を約束して帰路についた。「バイクに乗れれば健康」。がむしゃらに走った若い頃とは違ったバイクとの付き合い方に気付き、更にこの世界の奥深さを知った。【松尾雅也】

 松尾さんはこの記事からもわかるように、バイク大好きな方。「最南端バイクミーティング」にもバイクで長距離を走って参加した。バイク乗り同志、言わなくても合い通じるものがすごくあるのだ。

 松尾さん、ご丁寧な記事、ありがとうございます。次回はぜひともツーリング途中でお会いしましょう〜!

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▲「ホテル佐多岬」から見る夜明けの海

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▲雲の切れ間から昇る朝日

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▲「ホテル佐多岬」の朝食

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▲大泊漁港。ここは日本本土最南の漁港

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