アドレス日本巡礼[368]
投稿日:2016年6月7日
ありがたや、ありがたや
国道299号の正丸峠で折り返し、秩父盆地に戻り、第9番札所の明智寺から札所をめぐる。第10番札所の大慈寺から第11番札所の常楽寺へ。常楽寺の案内板には次のように書かれている。
元三大師の正式名は慈慧大師。比叡山延暦寺第18代の座主で伽藍を再興し、天台教学を興隆させ、天台宗中興の祖といわれている。正月の3日に亡くなったことから、縁日を「元三大師」と呼び、案内板にあるように常楽寺にもこの日は大勢の参詣者がやってくる。元三大師は厄除け大師として篤い信仰を集め、おみくじの創始者ともいわれている。
第12番札所の野坂寺の山門は二層入母屋造りで堂々としている。「野坂禅寺」と書かれた額がかかっているが、この寺の縁起には野坂寺と野坂観音堂が合併したとある。本尊は聖観音。秩父巡礼の一団がやってきて、みなさんは般若心経をあげた後、「おん あろりきゃ そわか」の真言を3度唱え、「老の身に 苦しきものは野坂寺 いま思い知れ 後の世の道」と御詠歌を歌った。境内には三面の「あずかり観音」がまつられている。それには「右側 怒り・腹立ちを預けて平常心に戻りましょう」、「中央 病気・痛みを預けて楽しい日々を過ごしましょう」、「左側 煩い・悩みを預けてやすらぎの心にもどりましょう」とある。観音様がすべての人の苦悩や苦痛を預かってくれるというのだ。まさに「ありがたや、ありがたや」といったところだ。