カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

奥の細道紀行[51]

投稿日:2016年11月1日

秋田に通う道遙か

秋田県/2009年

「奥の細道」の奥州編では、最北の地、平泉から下北半島まで行った。芭蕉はきっと津軽海峡を見たかったはずだ、蝦夷を見たかったはずだと思ったからだ。芭蕉にかわって大間崎まで行き、津軽海峡を見た。そして海峡の向こうの北海道を見た。

 それと同じように羽州編でも、最北の地、象潟から津軽半島まで行くことにした。

 前回の『おくのほそ道』の「象潟」で芭蕉は、「東に堤を築きて、秋田に通う道遥かに…」と書いている。

 その一文に、芭蕉の「もっと、もっとその先へ!」という強い気持ちがうかがわれる。

 だが、体調のことや日程のことや経済的なこと…など、諸々の理由で象潟を最後に南下しなくてはならなかった。

『おくのほそ道』の全編を読むとすぐにわかることだが、象潟を過ぎると芭蕉の旅は急速に精彩を欠き、一気にゴールの大垣に向かっていくような印象を受ける。

 そんな芭蕉のやるせない気持ちが伝わってくるので、
「よーし!」
 という気分で、カソリはスズキST250を走らせる。

 象潟からさらに北上し、津軽半島最北端の龍飛崎を目指す。

 象潟から国道7号で秋田へ。その途中では「にしめ湯っ娘ランド」の湯に入り、湯から上がると「比内地鶏の親子丼」(1000円)を食べた。

 秋田からは男鹿半島に入っていく。男鹿半島の西岸を行き、最北端の入道崎に立った。北緯40度線上の岬の突端には白黒2色の灯台。岬の周辺は広々とした草地になっている。8月下旬の晴れた日で、すでに夏が終り、秋を思わせるような澄み切った青空が広がっていた。

 男鹿半島を一周し、大潟村の道の駅「おおがた」に寄ったあと、国道101号を北上。能代からは日本海の海岸線を見ながら走る。JR五能線が国道に沿っている。赤錆の浮いた線路を1両編成のジーゼルカーが通り過ぎていく。道の駅「みねはま」、道の駅「はちもり」と道の駅でST250を停めたが、道の駅「はちもり」では名水の「お殿水」を飲んだ。参勤交代の大名行列で、津軽の殿様が「甘露、甘露!」と絶賛したという湧き水だ。

 道の駅「はちもり」を過ぎると、秋田・青森県境の須郷岬に到着。ここはまさに白神山地、海に落ちるといった地点で、展望台からは北へと延びる海岸線を一望した。

日本海を北上!

▲日本海を北上!

西目の「にしめ湯っ娘ランド」

▲西目の「にしめ湯っ娘ランド」

「にしめ湯っ娘ランド」の「比内地鶏の親子丼」

▲「にしめ湯っ娘ランド」の「比内地鶏の親子丼」

男鹿半島のなまはげ像

▲男鹿半島のなまはげ像

男鹿半島西岸の海

▲男鹿半島西岸の海

男鹿半島最北端の入道崎

▲男鹿半島最北端の入道崎

男鹿半島東岸の国道101号を行く

▲男鹿半島東岸の国道101号を行く

ここはかつての八郎潟

▲ここはかつての八郎潟

大潟村に寄っていく

▲大潟村に寄っていく

大潟村の大規模な水田

▲大潟村の大規模な水田

道の駅「おおがた」

▲道の駅「おおがた」

道の駅「おおがた」の内部

▲道の駅「おおがた」の内部

道の駅「みねはま」の「おらほの館」

▲道の駅「みねはま」の「おらほの館」

「おらほの館」の内部

▲「おらほの館」の内部

道の駅「はちもり」

▲道の駅「はちもり」

道の駅「はちもり」の「お殿水」

▲道の駅「はちもり」の「お殿水」

須郷岬の展望台から見る日本海の海岸線

▲須郷岬の展望台から見る日本海の海岸線

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