東北四端紀行[2]
投稿日:2017年1月24日
南端編 2 奥州三関「勿来関」
水戸でひと晩泊り、翌日は国道6号を北上。相棒のスズキDR−Z400Sを走らせ、東北太平洋岸最南端の鵜ノ子岬に向かう。県境を越えて福島県に入る。福島県に入って最初の交差点を右折し、勿来漁港の岸壁でDRを停めた。目の前の岩山は断崖となって海に落ちているが、そこが関東と東北を分ける鵜ノ子岬。岬をはさんで反対側(南側)は、北茨城市の「アンコウ漁」で知られる平潟漁港になる。岬の断崖には海食洞の穴があいているが、そこからは関東がチラッと見える。
次に海水浴場になっている勿来海岸で国道6号を左折し、「九面丘陵」と呼ばれる台地上に登っていく。そこには白河関、鼠ヶ関と並ぶ「奥州三関」のひとつ、勿来関の関跡がある。「勿来関」と呼ばれるようになったのは平安時代になってからのこと。蝦夷の南下を防ぐために設置された関は、「(蝦夷よ)来る勿(なか)れ」の意味で「勿来」になったという。
関跡には乗馬姿の源義家像が建っている。ここには義家の「吹く風を勿来の関と思えども道もせにちる山桜かな」の歌碑もある。
源義家(1041年〜1108年)は「八幡太郎」で知られているが、陸奥守兼鎮守府将軍となり、東北各地で信望を得た。今でも東北人には慕われており、各地で義家の銅像を見る。福島県の三森峠下の休石温泉にも義家の銅像が建っていたのを思い出す。
国道6号に戻ると、国道沿いの勿来温泉「関の湯」に入り、カツオの水揚げ港で知られる小名浜漁港へ。小名浜漁港は活気に満ちあふれていた。漁港の市場内の2階にある「市場食堂」で昼食にする。ここで食べた「カツオの刺身定食」は最高のうまさ。「(小名浜のカツオは)銚子以上よ!」と店のおばちゃんは自慢していたが、ほんとうにうまい小名浜のカツオだった。