東北四端紀行[33]
投稿日:2017年3月30日
西端編 1 えー!
東北の最西端は山形・新潟県境の鼠ヶ関だとばかり思っていた。鼠ヶ関には地つづきの弁天島があり、島の西端には灯台がある。ということで「西端編」では鼠ヶ関を目指すつもりでいた。
ところが『ツーリングマップル東北』の東北全図をよく見てみると、なんとさらに西の東北エリアがあるではないか。
「えー!」
と、思わず声を上げてしまったほどだ。
その西端の東北エリアというのは、南端編でも紹介した奥会津の一帯だ。檜枝岐村や南会津町の一部になっている旧舘岩村、旧伊南村、旧南郷村、それと只見川沿いの只見町と金山町が鼠ヶ関よりも西になる。
東北最西端というと福島・新潟県境の山並みだ。
国道252号の福島・新潟県境の峠、六十里越のすぐ南には前毛猛山(1233m)から毛猛山(1517m)へと県境の山並みがつづいているが、さらにその南にある名無しの山が東北最西端。ここは東北四端の中では行くのが一番、難しい。
バイクで行かれる最西端というと福島・新潟県境の六十里越になる。
このあたりまでのことを『ツーリングマップル東北』で確認すると、六十里越を目指して東京を出発。そのあと鼠ヶ関に行くことにした。
今回の相棒はニューカラーのスズキDR−Z400S。ホワイトの新車だ。
東京から関越道で一路、小出ICへ。関越トンネルを抜けて新潟県に入ると、塩沢石打ICでいったん関越道を降り、上野温泉「名月荘」で泊まった。湯から上がると宿の夕食。魚野川産のアユの塩焼きを肴に飲む地酒の「鶴齢」はうまかった。
翌朝、朝湯に入り、朝食を食べて出発。塩沢石打ICから小出ICへ。
関越道の小出ICというのは、あまり知られていないが東北への玄関口なのである。
小出ICから国道252号で六十里越を越えて福島県の只見へ、国道352号で枝折峠を越えて福島県の檜枝岐へと行ける。
小出ICで関越道を降りると、国道17号経由で国道252号に入っていく。JR只見線に沿ったルート。最奥の集落、大白川を過ぎると、一気に山中に入り、県境の六十里越を目指して登っていく。やがて前方には新潟・福島県境の山並みが見えてくる。
小出ICから42キロ走って六十里越に到着。日本でも有数の豪雪の峠で冬期閉鎖。長らくスノーシェルターなどの道路改修工事がおこなわれてきたが、ほぼ終了し、今では快適に走れるようになっている。
六十里越のトンネルを抜け、福島県の只見町に入ったところでDRを停めた。そこがバイクで行ける東北の最西端。眼下には田子倉ダムによってできた田子倉湖が見える。湖岸の右手には前毛猛山、その南には毛猛山がつづき、さらにその南の山(名無し山)が東北最西端になる。
六十里越のおすすめは、冬期閉鎖が解除された直後。残雪の美しさといったらない。ということで、冬期閉鎖解除直後(2010年5月8日)の写真も見てもらおう。なお六十里越の冬期閉鎖は雪の多い年だと5月下旬から6月上旬になることもある。