温泉めぐり日本一周[9日目]
投稿日:2017年6月25日
温泉効果を実感!
嬬恋温泉「つまごい館」の朝湯に入りながら、ぼくはうれしくてならなかった。体調がすっかりよくなっているからだ。「温泉めぐり日本一周」に出発する前の10月13日、2ヵ月に及ぶ1万3000キロの「シルクロード横断」から帰ってきたが、そのときの体調は最悪だった。「中国風邪」にこっぴどくやられたのだ。それは猛烈なクシャミからはじまった。10連発もの信じられないようなクシャミの連続。そのあとは滝のように流れ出る鼻水、息もできないような鼻づまり。それが終わると激しいセキ。最後がタンだった。そのような症状の「中国風邪」が半月以上もつづいた。「シルクロード横断」は全部で15人の仲間と走ったが、同じような症状の人が何人も出た。「中国風邪」が原因で途中、帰国した人もいた。この後遺症でいつまでもセキがつづいた。夜中にセキ込むと、あまりの苦しさにパカーッと飛び起きてしまうほどだった。
帰国してからもそれがつづき、「300日3000湯」に出発するときも、セキ止めの薬を持ったほど。薬大嫌いのカソリなので、何とも悲しい旅立ちになった。それが温泉めぐりを始め、日を重ねるごとにみるみるよくなり、ほとんどセキが止まった。前夜はセキ止めを飲まなかったが、まったくセキは出なかった。「もう、大丈夫!」と、湯から上がると、残っていたセキ止めの薬を捨てた。これというのも温泉効果。「温泉の医者いらず」を改めて実感するのだった。
嬬恋温泉から国道144号で信州との境の鳥居峠へ。「峠返し」で折り返すと、温泉めぐりの開始だ。
第1湯目は新鹿沢温泉。ここでは「入浴できます」の看板を見て、「ホテルつちや」の湯に入った。大浴場の「山乃湯」はほぼ無色透明。源泉そのままの湯で、飲泉可。コップ1杯の湯を飲んだ。
第2湯目は鹿沢温泉「紅葉館」の「雲井の湯」。木の湯船、木の洗い場。湯船からは湯があふれ出ている。ここでは温泉めぐりをしている人と一緒になったが、「湯の中談義」で盛り上がった。その人は、「私はこういう温泉が好きなんです」という。「今度は奥会津の只見川沿いの温泉をめぐろうと思っています」ともいった。
鹿沢温泉「紅葉館」の湯から上がると、地蔵峠まで行く。ここも上州と信州の境の峠。峠上には道しるべ観音第80番の聖観音像がまつられている。「峠返し」で折り返し、来た道を戻る。
第3湯目は嬬恋高原温泉「つつじの湯」。入浴料は1100円。1000円を超えるが、今日は入浴数にこだわりたいのでよしとした。大浴場と露天風呂は濁り湯。ここは1日コースで楽しむような温泉施設で、レストランで食事もできる。つづいて奥嬬恋温泉「千川旅館」に行ったが、本日休業で入れなかった。ここからは正面に噴煙を上げる浅間山が見えた。
第4湯目は嬬恋バラキ温泉「湖畔の湯」。総木造りの湯船につかりながら、樹林の間からバラキ湖を見る。入浴客は自分一人。湯から上がると、レストランで昼食。「ラーメンライス」を注文すると、速攻で寝る。横になった瞬間、深い眠りに落ちた。3秒以内には眠りに落ちているので、カソリの得意技の「秒寝」だ。「ラーメンライスのお客さま」の声でパッと目覚めたが、10分ほどは眠った。この短時間の眠りがすごく気持ちいい。
第5湯目は平治温泉「平治温泉共同浴場」の湯。入浴料の200円を料金箱に入れ、木の湯船にどっぷりとつかった。湯はザーザー、音をたてて湯船からあふれ出ていく。これら5湯に入り終えるとJR吾妻線の万座鹿沢駅前に出た。
つづいてJR万座鹿沢駅を拠点にして、本日第2弾目の温泉めぐりを開始する。まずはつま恋温泉の「山田屋旅館」に行く。玄関には「入浴のみはお受けしておりません」の貼り紙があったが、それを承知で入浴を頼んでみたが、やはりだめだった。
第6湯目は本白根温泉「嬬恋プリンスホテル」の湯。ここは標高1126メートルの高所の温泉。この「1126m」が大事で、「いい風呂」になるという。日本100名山の四阿山(2354m)が目の前に聳えている。絶景の大露天風呂の湯につかる。湯につかりながら右手に四阿山、左手に浅間山を見る。
第7湯目は奥軽井沢温泉「ホテルグリーンプラザ軽井沢」の「あさまの湯」。ここも入浴料は1000円超の1200円だったが、「もう今日は仕方ない」と1000円の上限を外して入った。大浴場と露天風呂はうす茶色の湯。体の芯からあたたまるような湯だ。
第8湯目は鬼押温泉「ホテル軽井沢1130」の湯。軽井沢といっても、ここは群馬県側の北軽井沢になる。入浴料はやはり1000円超の1150円だったが、またしても「もう今日は仕方ないな」と腹をくくって大浴場と露天風呂の湯につかった。ここもうす茶色をした湯で体の芯からあたたまるような湯だった。これらの3湯ともリゾートホテルの温泉だ。
国道144号→国道145号で長野原から中之条に向かっていく。
第9湯目は中之条の手前、JR吾妻線の群馬原町駅に近い吾妻峡温泉。幅の狭い山道を登ったところに、突然、といった感じでリゾートホテルの「コニファーいわびつ」が出現する。ふんだんに木を使った建物。温泉は内風呂、露天風呂ともに石の湯船。とくに内風呂の石の肌ざわりがよかった。寒さにやられ、体の芯まで冷え切っていたので、なんともありがたい「コニファーいわびつ」の湯だった。
中之条からはさらに国道145号を行く。新中之条温泉はすでに営業を終えて閉まっていた。その近くの「きくや食堂」で夕食。「天ぷら定食」を食べた。
今晩の宿、大塚温泉の一軒宿「金井旅館」に到着したのは20時30分。
さっそく第10湯目の「宿湯」に入る。温めの湯なので、いくらでも長湯できる。大きな音をたて、まるで滝のように湯船に湯が流れ込んでいる。湯量豊富な温泉。おまけにここは混浴の湯。なんと中年の婦人と2人だけで1時間近くも長湯した。湯から上がると、ブルブルッと震えがくるほど。それほどの温い湯だが、不思議なことに、部屋に戻るころには体の芯からぽかぽかしている。この温泉効果で快眠をむさぼった。
朝湯 | 嬬恋温泉「つまごい館」 |
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朝食 | 嬬恋温泉「つまごい館」 ご飯、納豆、目玉焼き、焼き魚、のり、漬物、味噌汁 |
8時45分 | 嬬恋温泉「つまごい館」を出発 |
鳥居峠(峠返し) | |
66湯目 | 新鹿沢温泉「ホテルつちや」(500円) |
67湯目 | 鹿沢温泉「紅葉館」(500円) |
地蔵峠(峠返し) | |
68湯目 | 嬬恋高原温泉「つつじの湯」(1100円) |
奥嬬恋温泉「千川旅館」(本日休業で入れず) | |
69湯目 | 嬬恋バラキ温泉「湖畔の湯」(500円) |
昼食 | 嬬恋バラキ温泉「湖畔の湯」 「ラーメンライス」(800円) |
70湯目 | 平治温泉「平治温泉共同浴場」(200円) |
つま恋温泉「山田屋旅館」(入浴のみは不可) | |
71湯目 | 本白根温泉「嬬恋プリンスホテル」(1000円) |
72湯目 | 奥軽井沢温泉「ホテルグリーンプラザ軽井沢」(1200円) |
73湯目 | 鬼押温泉「ホテル軽井沢1130」(1150円) |
74湯目 | 吾妻峡温泉「コニファーいわびつ」(500円) |
新中之条温泉 営業時間終了で入れず | |
夕食 | 新中之条温泉近くの「きくや食堂」 「てんぷら定食」(1100円) |
20時30分 | 大塚温泉「金井旅館」(1泊朝食5100円)に到着 |
75湯目 | 大塚温泉「金井旅館」 |
本日の走行距離数 169キロ | |
本日の温泉入浴数 10湯 |
嬬恋温泉「つまごい館」の朝湯に入る | 嬬恋温泉「つまごい館」の朝食 | 嬬恋温泉「つまごい館」を出発 |
群馬・長野県境の鳥居峠 | 鳥居峠の「峠返し」で群馬県側に戻る | 新鹿沢温泉「ホテルつちや」の湯 |
鹿沢温泉「紅葉館」 | 鹿沢温泉「紅葉館」の湯 | 群馬・長野県境の地蔵峠の聖観音像 |
嬬恋高原温泉「つつじの湯」 | 奥嬬恋温泉「千川旅館」 | 相棒のスズキGSR400。背後には噴煙を上げる浅間山 |
嬬恋バラキ温泉「湖畔の湯」 | 嬬恋バラキ温泉「湖畔の湯」の湯船 | 嬬恋バラキ温泉「湖畔の湯」の「ラーメンライス」 |
平治温泉「平治温泉共同浴場」 | 平治温泉「平治温泉共同浴場」の湯 | つま恋温泉「山田屋旅館」 |
本白根温泉「嬬恋プリンスホテル」 | 本白根温泉「嬬恋プリンスホテル」から見る四阿山 | 本白根温泉「嬬恋プリンスホテル」の露天風呂 |
奥軽井沢温泉「ホテルグリーンプラザ軽井沢」 | 鬼押温泉「ホテル軽井沢1130」 | 吾妻峡温泉「コニファーいわびつ」 |
吾妻峡温泉「コニファーいわびつ」の湯 | 「きくや食堂」の「てんぷら定食」 |