温泉めぐり日本一周[15日目]
投稿日:2017年7月3日
奥鬼怒の温泉で美女と湯めぐり
かご岩温泉「かご岩温泉旅館」の朝湯はよかった。泊まり客がほとんどいなかったので、露天風呂の「観音風呂」を独り占めにして入った。天気は快晴。湯につかりながら目の前の鬼怒川の流れ、右手に連なる日光連山を眺める。男体山がひときわ目立って見える。近くには大小の奇岩が突出する「かご岩」。「観音風呂」は絶景湯だ。湯から上がると、納豆、オムレツ、のり、豆腐、塩ジャケ、煮物、キノコの卵とじ…の朝食を食べる。
かご岩温泉「かご岩温泉旅館」を出発。
さー、鬼怒川沿いの温泉めぐりの開始だ。
第1湯目は鬼怒川温泉の日帰り湯「鬼怒川仁王尊プラザ」の湯。内風呂のほかに露天岩風呂と露天船風呂があるが、それらを順に入った。露天船風呂は、まさしく湯船。鬼怒川ライン下りの舟に満々と湯を入れている。湯はおしげもなく湯船からあふれ出ている。この湯は源泉100パーセント。湯につかりながら眼下の鬼怒川の渓流を見下ろした。紅葉がきれいだ。露天風呂の湯につかりながら、泊まり客の常連さんと湯の中談義。「ここの湯は鬼怒川温泉でも一番。関東一だと私は思ってますよ」といっている。常連客というのはありがたいものだ。
第2湯目は川治温泉「岩風呂」の「薬師の湯」。男湯と女湯、混浴とあるが、何といっても混浴の大岩風呂が一番だ。ここでは毎朝、入りにくるという地元のお年寄りと湯の中談義。「昔に比べると、湯温が下がっている」とのことで、温湯になってからは最低でも4、50分、長いと1時間から1時間半は入るという。「温い湯で長湯するのが一番いい」という。
川治温泉からは奥鬼怒に入っていく。
第3湯目は栗山温泉「四季の湯」。ここは隣の民宿「栗山」での宿泊ができる。露天風呂には2つの湯船。山々の空気を胸いっぱいに吸い込みながら湯につかる。
第4湯目は上栗山温泉「開運の湯」。ここは源泉かけ流しの共同浴場。小さな湯船で、黄土色の湯。年配の人、2人が「オレオレ詐欺」の話をしている。話題は年金生活の大変さに移っていく。そんな話を隣で聞いていた。
上栗山温泉「開運の湯」から上がると、蛇王の滝を見たあと、食堂「山吹」で昼食。「きのこそば」を食べた。地元産のキノコがすごくうまい。猿が食堂の近くまでやってきて、畑の大根を食べようとすると、食堂の女将さんは「コラ、コラッ。山に帰れ!」と叫んで猿を追い払う。
次の蛇王平温泉では「紅葉荘」、「高台荘」、「蛇王荘」と温泉民宿をまわったが、入浴できず。このあたりではすでに紅葉は終わっているので客は来ないとのことで、温泉は貯めていないという。
第5湯目は野門温泉の共同浴場「家康の湯」。野門の集落には栗山東照宮がまつられているので、それに由来する「家康の湯」。ここではビックサプライズが待っていた。「家康の湯」に入ろうとしたまさにそのとき、後ろから「カソリさ〜ん」と若い女性に声をかけられた。振り向くと、「300日3000湯」の旅立ちのとき、東京・日本橋まで見送りに来てくれた温泉家の「ゆーゆーさん」が立っているではないか。「ゆーゆーさん」には「これで元気をつけてね」と、リポビタンDスーパーと魚肉ソーセージを差し入れてもらった。「ゆーゆーさん」は「カソリさんを捕獲しよう!」と川治温泉で待ち構えていたという。「岩風呂」にはきっと10時にやってくるだろうとふんで、その前から表口の駐車場で待っていた。ところがぼくは「岩風呂」の裏口とでもいおうか、国道121号側から橋を渡って入っていったために、すれ違いに終わってしまったのだ。そこで「ゆーゆーさん」は湯西川温泉に向かった。ぼくが川治温泉から湯西川温泉に行くだろうと見当をつけたとのことだ。ところが「300日3000湯」の昭文社の「速報サイト」でぼくが奥鬼怒に向かっていることがわかると、今度は野門温泉の「家康の湯」にねらいをつけ、ここで待ち構えていたという。「家康の湯」から上がると、「ゆーゆーさん」との奥鬼怒温泉めぐりがはじまった。
第6湯目は川俣湖温泉の日帰り湯「上人一休の湯」。内風呂と露天風呂の湯から上がると、「ここのお湯はPH(ペーハー)が9・8の強アルカリ性。それだからお肌つるつるの美人の湯になるのよ」と若き美人温泉家に教えてもらた。「ゆーゆーさん」の温泉に対する知識は豊富だ。
第7湯目は川俣温泉「ホテル清和園」の湯。渓流のわきの大露天風呂に入る。以前は混浴だった記憶があるので、「ゆーゆーさんと一緒に入れる!」と期待に胸をふくらませたが、残念…、男湯と女湯に分かれていた。それはおいて、ここの大露天風呂はすごい。巨大な木製の男根の金精様がまつられている。そのすぐわきからは98度という熱湯の源泉が流れ込んでいる。その近くでは熱くてとてもではないが入れないので、源泉の流れ込むあたりから離れたところで湯につかり、鬼怒川上流の激流を眺めた。つづいて平家平温泉に行ったが、ここは入浴のみは不可。最後に女夫淵温泉に行ったが、ここの露天風呂の外来入浴は15時までということで入れなかった。時間はすでに16時を過ぎていた。
「また、どこかでお会いしましょうね!」といって「ゆーゆーさん」と握手をして別れたが、このあと何度となく出会うことになる。
女夫淵温泉から今晩の宿、第8湯目の加仁湯温泉「ホテル加仁湯」へ。若旦那の小松輝久さんとのうれしい再会。バイクが大好きな小松さんはGSR400を見るなり、すぐに「いいデザインですねえ」とデザインの良さをほめ、「ちょっとまたがらせてくださいね」といってGSR400の乗り心地を確かめた。
小松さんに初めて会ったのは今から10数年前になる。『月刊オートバイ』の取材で「ホテル加仁湯」に泊まった。当時はまだ20代だった小松さんとは夜が更けるまでバイク談義をした。それがきっかけで、その後、何度か加仁湯温泉に泊まった、そのたびに小松さんにはよくしてもらった。
「ホテル加仁湯」の混浴大露天風呂の湯に入り、湯から上がると大広間での夕食。「温泉めぐり日本一周」に旅立って15日目にして、初めて食べる宿の夕食ということになる。まずは山葡萄の真紅のワインを味わって飲む。食事は二の膳つき。突き出しに箸をつけたあとはニジマスの刺身、イワナのホイール巻き、熱々の茶碗蒸し、紅葉麩を添えた湯葉などの煮物、舞茸とシメジの入った酢の物、名産の栗山そば、塩辛、漬物、焼肉鍋、それと二の膳の舞茸などの天ぷらを食べた。
「う〜ん、やっぱり宿で食べる夕食はいい!」
朝湯 | かご岩温泉「かご岩温泉旅館」 |
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朝食 | かご岩温泉「かご岩温泉旅館」 ご飯、納豆、オムレツ、のり、豆腐、塩ジャケ、煮物、キノコの卵とじ、味噌汁 |
8時20分 | かご岩温泉「かご岩温泉旅館」を出発 |
119湯目 | 鬼怒川温泉「仁王尊プラザ」(500円) |
120湯目 | 川治温泉「岩風呂」(300円) |
日向温泉「民宿ひなた館」(入れず) | |
121湯目 | 栗山温泉「四季の湯」(500円) |
122湯目 | 上栗山温泉「開運の湯」(500円) |
蛇王の滝 | |
昼食 | 奥鬼怒の食堂「山吹」 「きのこそば」(800円) |
蛇王平温泉(入れず) | |
123湯目 | 野門温泉「家康の湯」(500円) |
野門温泉では「ゆーゆーさん」との出会い。このあと一緒に温泉をめぐる | |
124湯目 | 川俣湖温泉「上人一休の湯」(500円) |
125湯目 | 川俣温泉「ホテル清和園」(1000円) |
平家平温泉(入浴のみ不可) | |
女夫淵温泉(入れず) | |
女夫淵温泉で「ゆーゆーさん」と別れる | |
17時 | 加仁湯温泉「ホテル加仁湯」 専務の小松輝久さんとの再会 ※小松さんのご好意で1泊2食の宿泊費をタダにしてもらった。小松さん、ありがとう! |
126湯目 | 加仁湯温泉「ホテル加仁湯」 |
夕食 | 加仁湯温泉「ホテル加仁湯」 ご飯、天ぷら、ニジマスの刺身、イワナのホイール巻き、茶碗蒸し、煮物、酢の物、栗山そば、漬物、焼肉鍋、お澄まし |
本日の走行距離数 73キロ | |
本日の温泉入浴数 8湯 |
かご岩温泉「かご岩温泉旅館」の露天風呂 | かご岩温泉「かご岩温泉旅館」の露天風呂に入る | かご岩温泉「かご岩温泉旅館」の朝食 |
かご岩温泉「かご岩温泉旅館」から見る男体山 | かご岩温泉「かご岩温泉旅館」を出発 | 鬼怒川の「かご岩」 |
鬼怒川の「かご岩」近くの炭焼き窯 | 鬼怒川の「かご岩」近くから見る奥日光の山並み | 鬼怒川温泉「仁王尊プラザ」 |
鬼怒川温泉「仁王尊プラザ」の露天風呂 | 鬼怒川温泉「仁王尊プラザ」の露天風呂に入る | 鬼怒川温泉「仁王尊プラザ」から見る鬼怒川の峡谷 |
川治温泉「岩風呂」 | 日向温泉「民宿ひなた館」 | 奥鬼怒の紅葉 |
栗山温泉「四季の湯」 | 栗山温泉「四季の湯」の露天風呂 | 上栗山温泉「開運の湯」 |
蛇王の滝 | 奥鬼怒の食堂「山吹」の「きのこそば」 | 野門温泉「家康の湯」 |
野門温泉「家康の湯」の湯船 | 川俣湖温泉「上人一休の湯」 | 川俣湖温泉「上人一休の湯」の露天風呂に入る |
川俣湖温泉「上人一休の湯」からの眺め | 川俣温泉「ホテル清和園」 | 川俣温泉「ホテル清和園」の露天風呂に入る |
平家平温泉には入れず | 加仁湯温泉「ホテル加仁湯」の専務、小松輝久さんとの再会 | 加仁湯温泉「ホテル加仁湯」の夕食 |