カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[18日目]

投稿日:2017年7月7日

絶景湯も多い那須の温泉をめぐる

関東編 18日目(2006年11月18日)

 那須湯本温泉「喜久屋旅館」の朝湯に入り、半熟卵、塩ジャケ、カマボコ、チリメン、ホウレンソウのおひたし、漬物の朝食を食べ、9時に出発。まずは那須湯本温泉の温泉神社に参拝。「温泉神社」は日本各地の温泉にあるが、とくにここの温泉神社は大きくて立派。「式内社」(延喜式内社)になっている。

 相棒のスズキGSR400にまたがり、那須温泉郷の温泉めぐりを開始する。

 第1湯目は高雄温泉。温泉ホテル「おおるり荘」の露天風呂に入った。源泉のすぐわきにある露天風呂はまさに「天空の湯」。白濁した温めの湯につかりながら那須高原と、その下に茫漠と広がる那須野原の雄大な風景を一望した。膨大な湯量を誇る高雄温泉。源泉の湯は「高雄湯の川」となって流れ落ちていく。ここは高原の湯なので寒い。気温は氷点下1度。雪がちらちら舞っている。湯から上がると、ブルブル震えてしまった。

 那須湯本温泉に戻ると、有料の「ボルケーノハイウエイ」を登っていく。

 第2湯目は弁天温泉。一軒宿「弁天温泉旅館」の湯に入る。まずはもうもうと湯気のたちこめる大浴場の湯に入る。次に露天風呂。全部でつ5の湯船があるが、2つの露天風呂に入ったあとは大釜風呂、大樽風呂、大瓶風呂に入った。それら3つの露天風呂に身を沈めると、「ザーーーーッ」と、ど派手な音をたてて湯が流れでていく。

 第3湯目は大丸温泉。老舗旅館の「大丸温泉旅館」に行くと、入浴のみは11時から。で、その手前の「旅館ニューおおたか」の湯に入った。ここの露天風呂は「絶景湯」。湯につかりながら、目の前にそびえる那須岳を眺めた。

 第4湯目は北温泉。駐車場にバイクを停め、一軒宿の「北温泉旅館」まで歩いていく。ここには露天風呂風の温泉プールがある。温泉プール風の大露天風呂といった方がいいのかもしれない。そこでは男性と女性が気持ちよさそうに泳いでいる。2人とも水着はつけていない。入浴料金を払い、古びた木造の館内へ。名物湯「天狗の湯」に入る。浴室には2つの大きな天狗の面がかけられている。「天狗の湯」は混浴。ここでは若い女性の入浴客と一緒になった。熱めの湯で長湯は難しい。熱くなると上がり、また湯につかるという繰り返し。そんな湯だから女性にはちょっと辛い湯。「見てはいけない」と自分にいいつつも、湯船のふちに座る若い女性の姿にどうしても目がいってしまう…。

 第5湯目は八幡温泉。到着は12時30分。一軒宿の温泉ホテル「一望館」に行くと、入浴のみは13時から。そこで大丸温泉まで戻り、食事&入浴の「湯泉望」で昼食にした。「田舎すいとん」を食べ、13時ジャストに八幡温泉「一望館」に到着。ぼくの作戦勝ちといったところで、大浴場と露天風呂を独り占め。まさに「貸切湯」だ。露天風呂の湯につかりながら雄大な風景を眺める。茫々と広がる那須野原の向こうには八溝山地の青き山並みが連なっている。正面に最高峰の八溝山、左手には白っぽい白河の町並みが見える。八幡温泉が那須温泉郷最後の温泉。板室温泉と那須湯本温泉を合わせ、全部で7湯の温泉に入った。

 八幡温泉からは那須湯本温泉に戻り、黒磯へ。つづいて那須野原の温泉めぐりを開始する。

 第6湯目は那珂川温泉「皆幸乃湯」。源泉掛け流しの湯には気持ちよく入れた。すぐ近くには「ホテルアライ」がある。

 第7湯目は丸山温泉「丸山鉱泉旅館」の湯。ここでは「私は鉱泉の湯をめぐっています」という「鉱泉ファン」に出会った。

 第8湯目の芦野温泉は入浴料金が1000円超の1500円だったが、特例ということで入った。入口には「テレビ局の取材にご協力をお願いします」の立て看板。ここはマスコミによく登場する温泉で、都内の電車にも広告を出している。

 第9湯目は黒羽温泉「五峰の湯」。大浴場も大露天風呂もよかった。館内に漂うあたたかな雰囲気。ここからは那須連峰の那須岳、古村山塊の黒滝山、高原連峰の高原山、日光連山の女峰山、それと奥日光の男体山の5峰が見えるので「五峰の湯」なのだという。湯から上がると大広間で夕食。「ひれかつ定食」を食べた。

 第10湯目は大田原温泉「太陽の湯」。大浴場と大露天風呂の湯にどっぷりとつかる。ここでは湯上りにソフトクリームを食べた。

 大田原温泉を出発したのは20時30分。そこから今晩の宿、第11湯目の湯津上温泉に急いだ。

 湯津上温泉に到着したのは21時過ぎ。日帰り湯「やすらぎの湯」はすでに営業を終えていたので、裏手の「キャビン」へ。ここではバイクで「世界一周」した荒木夫妻、家族でキャンプを楽しんでいる「寝太郎さん」夫妻、それと昭文社の桑原さん一家がぼくを待ち構えていた。「寝太郎さん」は男っぽい愛称だが、見目麗しき女性。キャビンの湯は源泉掛け流し。普通の家庭用バスタブにたっぷりと湯が溜まっている。茶色っぽい湯。さっそく湯につかったが、どっとあふれ出る。この湯はひと晩中、湯船に流れ込んでいる。

 湯から上がると、さっそくみなさんとの大酒宴が始まった。「乾杯!」の連続。カンビールを飲みつくすと、ワイン、日本酒と、もうわけのわからないようなチャンポンの飲み会になった。「寝太郎さん」はめっぽう強い。最後まで残ったカソリと寝太郎さんは日本酒を飲みつづけた。寝太郎さんは料理も上手。飲むだけでなく、手製のピザや特製のスパゲティーをいただいた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 那須湯本温泉「喜久屋旅館」
朝食 那須湯本温泉「喜久屋旅館」 ご飯、半熟卵、塩ジャケ、カマボコ、チリメン、ホウレンソウのおひたし、漬物、味噌汁
9時 那須湯本温泉「喜久屋旅館」を出発
那須湯本温泉の温泉神社
145湯目 高雄温泉「おおるり荘」(500円)
146湯目 弁天温泉「弁天温泉旅館」(1000円)
148湯目 大丸温泉「旅館ニューおおたか」(600円)
148湯目 北温泉「北温泉旅館」(700円)
昼食 大丸温泉の「湯泉望」 「田舎すいとん」(600円)
149湯目 八幡温泉「一望閣」(1000円)
150湯目 那珂川温泉「皆幸乃湯」(700円)
151湯目 丸山温泉「丸山鉱泉旅館」(500円)
152湯目 芦野温泉「芦野温泉」(630円)
153湯目 黒羽温泉「五峰の湯」(500円)
夕食 黒羽温泉「五峰の湯」 「ひれかつ定食」(850円)
154湯目 大田原温泉「太陽の湯」(500円)
21時 湯津上温泉「キャビン」(0円)
湯津上温泉では桑原さん一家、荒木さん夫妻、「寝太郎さん一家」との出会い
155湯目 湯津上温泉「キャビン」(0円)
夜食 「寝太郎さん」手製のピザ&特製のスパゲティー
本日の走行距離数 115キロ
本日の温泉入浴数 11湯

那須湯本温泉「喜久屋旅館」の朝湯に入る。浴室は湯気でもうもう「喜久屋旅館」の朝食。部屋食だ「喜久屋旅館」を出発

那須湯本温泉「喜久屋旅館」の朝湯に入る。浴室は湯気でもうもう 「喜久屋旅館」の朝食。部屋食だ 「喜久屋旅館」を出発

那須湯本温泉の温泉神社那須湯本温泉の目抜き通り高雄温泉「おおるり荘」

那須湯本温泉の温泉神社 那須湯本温泉の目抜き通り 高雄温泉「おおるり荘」

「おおるり荘」の露天風呂に入る弁天温泉「弁天温泉旅館」の露天風呂に入る「弁天温泉旅館」の大釜風呂

「おおるり荘」の露天風呂に入る 弁天温泉「弁天温泉旅館」の露天風呂に入る 「弁天温泉旅館」の大釜風呂

「弁天温泉旅館」の大樽風呂「弁天温泉旅館」の大瓶風呂那須岳に向かって走る

「弁天温泉旅館」の大樽風呂 「弁天温泉旅館」の大瓶風呂 那須岳に向かって走る

大丸温泉の老舗旅館「大丸温泉旅館」大丸温泉「旅館ニューおおたか」の露天風呂北温泉「北温泉旅館」

大丸温泉の老舗旅館「大丸温泉旅館」 大丸温泉「旅館ニューおおたか」の露天風呂 北温泉「北温泉旅館」

「北温泉旅館」の大露天風呂「北温泉旅館」の「天狗の湯」大丸温泉「湯泉望」の「田舎すいとん」

「北温泉旅館」の大露天風呂 「北温泉旅館」の「天狗の湯」 大丸温泉「湯泉望」の「田舎すいとん」

大丸温泉から八幡温泉へ八幡温泉からの眺め。正面に八溝山を見る八幡温泉「一望閣」の露天風呂に入る

大丸温泉から八幡温泉へ 八幡温泉からの眺め。正面に八溝山を見る 八幡温泉「一望閣」の露天風呂に入る

那珂川温泉「皆幸乃湯」丸山温泉「丸山鉱泉旅館」「丸山鉱泉旅館」の湯に入る

那珂川温泉「皆幸乃湯」 丸山温泉「丸山鉱泉旅館」 「丸山鉱泉旅館」の湯に入る

芦野温泉黒羽温泉「五峰の湯」の大広間「五峰の湯」の「ひれかつ定食」

芦野温泉 黒羽温泉「五峰の湯」の大広間 「五峰の湯」の「ひれかつ定食」

大田原温泉「太陽の湯」湯津上温泉「キャビン」の湯に入る

大田原温泉「太陽の湯」 湯津上温泉「キャビン」の湯に入る  

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