温泉めぐり日本一周[17日目]
投稿日:2017年7月5日
若い女性たちと混浴もした塩原温泉郷
古町温泉「上会津屋」の朝湯に入る。昨夜は「寂の湯」が男湯だったが、今朝は入れ替わり、「侘の湯」が男湯になっている。湯から上がると、茶碗蒸し、半熟卵、サラダ、干物の焼き魚、塩辛、ふろふき大根、煮物、漬物の朝食を食べた。
さ〜、出発だ。相棒のスズキGSR400を走らせ、古町温泉を出発点にして塩原温泉郷をめぐる。
第1湯目は新湯温泉。有料の日塩もみじライン料金所の手前に温泉街がある。ここでは共同浴場「寺の湯」に入った。脱衣所は男女別になっているが、中で一緒になる混浴の湯。熱めの湯とジャスト適温の湯の2つの湯船。木の湯船と木の洗い場には温泉の成分がこびりついている。硫黄泉のにごり湯。なめると金属質の酸味がある。横浜から車でやってきたという人と一緒になったが、「これぞ、本当の温泉、という感じですね」と、「寺の湯」を絶賛していた。
第2湯目は元湯温泉。ここでは「元泉館」に入ったが、大浴場も露天風呂も草色の湯。湯につかりながら東京の御茶ノ水からやってきたという人と話した。「元泉館」には湯治でやってきたとのことで、すでに4日目になるという。「こうして自然の只中にいると、生き返りますね。温泉もすごくいいし。ただヒマでヒマで、やることがないので困ってしまいますよ。ほら、東京だと夜中でも何か音がしているでしょ。ここは渓流の音だけで、ほかの音は一切なし。ちょっと怖いくらいですね」。かつてはメグロに乗っていたとのことで、「またバイクには乗りたい、今度は1000ccぐらいの大きなバイクに乗りたいですね」という。
第3湯目は中塩原温泉の「クアホテル寿苑」。大浴場には大きな長方形や円形の湯船、寝湯、打たせ湯がある。岩風呂の露天風呂は風情があって、湯につかりながら目の前の紅葉を眺めた。これら3湯をめぐって古町温泉に戻ってきたが、前夜に入った上塩原温泉を含め、ここまでが塩原温泉郷の温泉めぐりの前半戦ということになる。
古町温泉から箒川にかかる蓬莱橋を渡ると門前温泉になる。ここには妙雲寺という寺があるが、その門前なので門前温泉になる。妙雲寺を参拝し、山門に隣りあった精進料理の「松本」で昼食。「本日のランチ」(1050円)を注文したが、「さー、どんなものが出てくるのかなあ…」と、期待半分、不安半分だったが、これが大正解。あんかけの焼き魚、タコとイクラの酢の物、ちりめん…と、じつにうまい昼飯だった。「松本」は創業明治5年の老舗。老舗の味に満足したところで、塩原温泉郷の温泉めぐりの後半戦を開始する。
第4湯目の門前温泉では箒川の河畔にある「もみじの湯」に入った。混浴の露天風呂で2つの湯船がある。「もみじの湯」の名前どおり、箒川の河畔の紅葉は目の覚めるような鮮やかさ。湯につかりながら紅葉を眺めた。
第5湯目は畑下温泉。ここではつり橋を渡ったところにある「青葉の湯」に入る。管理料の200円を入口の金属製の箱に入れるようになっている。ここも混浴の露天風呂。川辺の露天風呂なので、湯につかりながら箒川の清流を眺めた。
第6湯目は塩釜温泉。「八峰荘」で入浴を頼んだのだが、入れず。次に「かんぽの宿 塩原」に行き、大浴場の内風呂と露天風呂に入った。内風呂の湯は黄土色。体の芯からあたたまる湯。湯上りの果汁100パーセントのリンゴジュースが腹にしみた。
第7湯目は塩の湯温泉「明賀屋本館」の湯。ここも加仁湯温泉の小松さんが電話してくれたおかげでタダで入らせてもらった。小松さん、ほんとうにありがとう。内風呂の「太古の湯」に入り、河岸の露天風呂へ。長い階段を下り、渓流を目の前にする混浴の露天風呂に入った。
第8湯目の福渡温泉では、まずはつり橋を渡ったところにある「岩の湯」に行った。混浴の露天風呂で、グループのおばちゃんたちが入っていた。気の弱いカソリ、とてもその中に入っていく勇気がなく、すごすごと退散。それにしても、すごい光景だった。といっても福渡温泉を諦めたわけではない。川岸の遊歩道を5分ほど歩いたところにあるもうひとつの混浴露天風呂「不動の湯」に向かった。そこには誰もいなかった。ゆったりとした気分で湯につかっていると、なんと今度は浴衣姿の若い女性たちが数人、やってくるではないか。ここは湯船のすぐ前が脱衣所でそれも男女別になっていない。彼女たちの浴衣をはらりと脱ぐのがまる見え。彼女たちは温泉宿のバスタオルを持参していたが、「バスタオル禁止」の張り紙を見ると、「ねえー、バスタオルを使ってはいけないんだって」といって、全員がバスタオルを体に巻きつけることなく湯に入った。もうどこに視線を向けていいのやら…。「不動の湯」からなかなか出られなくなってしまったカソリだった。ぼくの経験からいうと、混浴風呂で必要以上に恥ずかしがるのは中年女性。このように若い女性たちはあっけらかんとしていることが多い。
第9湯目は大網温泉の「天然岩風呂」。国道400号沿いの温泉ホテル「湯守田中屋」のフロントに入浴料の800円を払い、急な石段を下っていく。谷底の大岩のわきに露天風呂がある。そのすぐ先にはコンクリートの屋根つきの洞窟風露天風呂。大岩の露天風呂の方が熱めの湯、洞窟風露天風呂の方が温めの湯。ここでは長湯した。すでに日は暮れかかり、湯から上がると、身を切られるような冷たい風に吹きさらされる。この大網温泉を最後に塩原温泉郷の温泉めぐりを終えた。
塩原温泉郷から那須温泉郷へと、温泉めぐりの舞台を移す。
第10湯目は板室温泉の日帰り湯「グリーングリーン」の湯。内風呂と「綱の湯」の露天風呂に入る。湯の感触がやわらかだ。ここには昭和30年代の「綱の湯」の写真が貼られている。驚きの写真。大勢の入浴客がびっしりとすきまなく湯に入っている。そのうちの何人かは綱につかまっている。その頃の「綱の湯」は浴槽の底から源泉が湧き出ていたとのことで、より多くの人が入れるように浴槽が深くなっていた。そのため入浴客は安全のため、4本の綱につかまって入浴した。「綱の湯」はその当時の名残なのだという。
今晩の宿は那須湯本温泉の「喜久屋旅館」。第11湯目の宿湯にどっぷりつかり、湯から上がると、部屋でビールを飲みながらスーパーで買った握りずしとねぎとろ、マカロニサラダの夕食を食べるのだった。
朝湯 | 古町温泉「上会津屋」 |
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朝食 | 古町温泉「上会津屋」 ご飯、茶碗蒸し、半熟卵、サラダ、干物の焼き魚、塩辛、ふろふき大根、煮物、漬物、味噌汁 |
9時 | 古町温泉を出発 |
134湯目 | 新湯温泉「寺の湯」(300円) |
135湯目 | 元湯温泉「元泉館」(800円) |
136湯目 | 中塩原温泉「クアホテル寿苑」(800円) |
137湯目 | 門前温泉「もみじの湯」(100円) |
昼食 | 門前温泉の精進料理店「松本」 「本日のランチ」(1050円) |
138湯目 | 畑下温泉「青葉の湯」(200円) |
139湯目 | 塩釜温泉「かんぽの宿 塩原」(600円) |
140湯目 | 塩の湯温泉「明賀屋本館」(0円) ※加仁湯温泉の小松さんが電話してくれたおかげでタダで入らせてもらった |
141湯目 | 福渡温泉「不動の湯」(200円) |
142湯目 | 大網温泉「天然岩風呂」(800円) |
143湯目 | 板室温泉「グリーングリーン」(500円) |
18時30分 | 那須湯本温泉「喜久屋旅館」(1泊朝食6500円)に到着 |
144湯目 | 那須湯本温泉「喜久屋旅館」 |
夕食 | スーパーで買った「握りずし」、「ねぎとろ」、「マカロニサラダ」(1100円) |
本日の走行距離数 93キロ | |
本日の温泉入浴数 11湯 |
古町温泉「上会津屋」 | 古町温泉「上会津屋」の朝湯に入る | 古町温泉「上会津屋」の朝食 |
古町温泉「上会津屋」を出発 | 新湯温泉近くの紅葉 | 新湯温泉の共同浴場「寺の湯」 |
新湯温泉の「爆裂噴火跡」 | 元湯温泉「元泉館」 | 元湯温泉「元泉館」の露天風呂 |
中塩原温泉「クアホテル寿苑」の大浴場 | 門前温泉の妙雲寺の山門 | 門前温泉「もみじの湯」 |
門前温泉の精進料理店「松本」の「本日のランチ」 | 畑下温泉「青葉の湯」 | 塩釜温泉の温泉街 |
塩釜温泉で売られていた地元産のキノコ | 塩釜温泉「かんぽの宿 塩原」の露天風呂に入る | 塩の湯温泉「明賀屋本館」の内風呂 |
塩の湯温泉「明賀屋本館」の露天風呂 | 福渡温泉を流れる箒川 | 大網温泉「湯守田中屋」 |
大網温泉の「天然岩風呂」に入る | 板室温泉の昭和30年代の「綱湯」 | 那須湯本温泉「喜久屋旅館」で食べるコンビニ弁当の夕食 |