カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[23日目]

投稿日:2017年7月17日

温泉ひしめく箱根の湯めぐり

関東編 23日目(2006年11月23日)

 伊勢原発の第3弾目。8時30分に我が家を出発し、小田原厚木道路経由で箱根へ。小田原厚木道路では緊張した。ここは高速道路ではないが、大半の車は高速道路と同じような速度で走っているので、スピード違反で捕まる危険性がきわめて高い。覆面、パトカー、白バイが頻繁に走っている。そこでなるべく走行車線を走るようにし、先頭に出ないで先行車の後につくようにし、たえずバックミラーを見るようにして走り、無事に9時には箱根湯本駅前に到着した。ここから箱根の温泉めぐりがはじまった。

 第1湯目は箱根湯本温泉。共同浴場の「弥坂湯」に行ったが定休日。そこで「弥坂湯」に近い日帰り湯「弘法の湯」に入った。大浴場には八角形の石の湯船。中央には石造りのハスの花があり、そこから61度の源泉が湧き出ている。そのあと露天風呂に入り、湯から上がると、大広間で讃岐うどんの「釜あげうどん」を食べた。「弘法の湯」だから「讃岐うどん」なのだろう。

 第2湯目は塔ノ沢温泉。国道1号沿いの「上湯温泉大衆浴場」に入る。ここでは毎日、この湯に入っているという常連さんと一緒になった。湯につかりながらの「湯の中談義」。隣の老舗旅館「環翠楼」から分けてもらっている湯なので、ここの湯はすごくいいとその人はいう。浴室に入ってすぐの蛇口は源泉の飲用だという。さっそくコップ1杯の湯を飲んでみた。

 第3湯目の大平台温泉では共同浴場の「姫之湯」に行くと「本日定休日」。そこで「日帰り温泉」の看板を掲げている温泉旅館の「弥千代」に行くと、まだ湯が溜まっていないとのことで入れなかった。その奥の温泉旅館「たきい」の湯にやっと入れた。大きな湯船。源泉は67度とのことで、湯は猛烈に熱い。入浴客はぼく一人なので湯船にガンガン水を入れた。湯から上がると、体は真っ赤になっている。「どうもありがとうございました」といって宿を出ようとすると、宿の主人はウーロン茶を1本持ってきてくれて、「疲れたときにでも飲んでください」という。そんな言葉がうれしい。

 第4湯目は宮ノ下温泉の共同浴場「太閤の湯」。男湯は手前と奥の2ヵ所あるが、奥の方がいい。広くて見晴らしがきく。つづいて堂ヶ島温泉の「大和屋ホテル」と「対星館」をまわったが、入れなかった。

 第5湯目は強羅温泉「ホテル文の郷」の湯。ここは大正解。入浴料は1000円ぐらいだろうと思ったが、半分の500円。湯から上がると、「文の郷」前の食堂「若葉」で昼食。「オムライス」を食べた。

 第6湯目の二ノ平温泉では地元のおばちゃんおすすめの「湯処長薬」には入れなかったが、「亀の湯」に入れた。小さめの湯船だが、入浴客はぼく一人なので十分な大きさだ。

 第7湯目の湯ノ花沢温泉では「湯ノ花温泉ホテル」に行った。フロントの美人女将に「入浴させてもらえますか」と聞くと、「いいですよ」といわれた。そのあとで入浴料が1625円だということがわかったが、いまさら「それではやめます」ともいえず、特例ということで入った。箱根の温泉めぐりはいままでにも何度かしているが、この湯ノ花沢温泉はまだ入ったことがなかったので、「まあいいか」という気分もあった。大浴場は無色透明の湯。露天風呂は硫黄泉の白濁湯。ともに気持ちよく入れた。入浴料が1625円だけのことはある。

 国道1号で箱根峠まで行くと、「峠返し」で来た道を引き返す。

 第8湯目は芦ノ湯温泉の温泉旅館「山形屋」の湯。ここのフロントには郵便ポスト型の料金箱が置いてあった。その中に入浴料金を入れて湯に入る仕組みになっていた。源泉掛け流しの湯。硫黄泉で若干のにごり湯。岩風呂の底には玉砂利が敷きつめられている。足の裏で感じる玉砂利の感触がよかった。

 第9湯目は小涌谷温泉では「三河屋旅館」に行ったが入れず。そこで入浴料が1000円を超えるが「箱根ホテル小涌谷」の湯に入った。大浴場と露天風呂。ここでは外国人の姿を多く見かけた。湯につかりながら聞こえてくる外国語は英語だけではなく、フランス語、さらにはロシア語も聞こえてきた。さすが「世界の箱根」だけのことはある。

 第10湯目は底倉温泉「つたや」の「そこくらの湯」。さすが箱根の名湯、全身をやわらかく包み込むような湯の感触がすごくいい。だ円形の石の湯船。洗い場も石。この石は温泉でよく使われる「伊豆青石」。やわらかくて加工しやすく、滑らず、おまけに温泉の成分によって腐食することもないという。宿のご主人と立ち話をしたが、昔はバリバリのライダーだったという。ホンダのCB750に乗っていた頃をなつかしそうに話してくれた。

 第11湯目は宮城野温泉の町営「宮城野温泉会館」の湯。内風呂と露天風呂。このころになると雨が降り始め、したたり落ちる雨に濡れながら露天風呂の湯につかった。

 第12湯目の仙石原温泉「一の湯」、第13湯目の大涌谷温泉「かま家」の湯に入り、箱根を離れた。乙女峠を越えて御殿場へ。御殿場からは国道246号で伊勢原へ。その途中で第14湯目、秦野市温泉の日帰り湯「丹沢湯彩ほたる」に入った。到着したのは22時20分。ここの受付は22時30分までなので、かろうじて間に合った。内風呂と露天風呂に入り、営業の終了を知らせる「蛍の光」が流れてきたところで湯から上がった。

 伊勢原市の自宅に戻ったのは23時15分。まずは「自宅湯」に入り、妻が用意してくれた鍋をつつきながら一人でビールを飲むのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 伊勢原の自宅
朝食 伊勢原の自宅
8時30分 伊勢原を出発
箱根湯本駅前
186湯目 箱根湯本温泉「弘法の湯」(1050円)
昼食 箱根湯本温泉「弘法の湯」 「さぬき釜あげうどん」(600円)
187湯目 塔ノ沢温泉「上湯温泉大衆浴場」(450円)
188湯目 大平台温泉「たきい」(1050円)
189湯目 宮ノ下温泉「太閤湯」(300円)
堂ヶ島温泉(入れず)
190湯目 強羅温泉「ホテル文の郷」(500円)
昼食 強羅温泉の食堂「若葉」 「オムライス」(780円)
191湯目 二ノ平温泉「亀の湯」(550円)
192湯目 湯ノ花沢温泉「湯ノ花温泉ホテル」(1625円)※特例で入った
箱根峠(峠返し)
193湯目 芦ノ湯温泉「山形屋」(500円)
194湯目 小涌谷温泉「箱根ホテル小涌谷」(1300円)※特例で入った
195湯目 底倉温泉「つたや」(1050円)
196湯目 宮城野温泉「宮城野温泉会館」(650円)
197湯目 仙石原温泉「一の湯」(1050円)
198湯目 大涌谷温泉「かま家」(750円)
乙女峠(峠越え)
静岡県に入る
神奈川県に入る
199湯目 秦野市温泉「丹沢湯彩ほたる」(650円)
23時15分 伊勢原 自宅泊まり
本日の走行距離数 158キロ
本日の温泉入浴数 14湯

箱根湯本駅前を出発箱根湯本温泉に入っていく箱根湯本温泉の共同浴場「弥坂湯」

箱根湯本駅前を出発 箱根湯本温泉に入っていく 箱根湯本温泉の共同浴場「弥坂湯」

箱根湯本温泉「弘法の湯」箱根湯本温泉「弘法の湯」の玄関箱根湯本温泉「弘法の湯」の「さぬき釜あげうどん」

箱根湯本温泉「弘法の湯」 箱根湯本温泉「弘法の湯」の玄関 箱根湯本温泉「弘法の湯」の「さぬき釜あげうどん」

大平台温泉の「美肌の滝」大平台温泉の共同浴場「姫之湯」宮ノ下温泉の共同浴場「太閤湯」

大平台温泉の「美肌の滝」 大平台温泉の共同浴場「姫之湯」 宮ノ下温泉の共同浴場「太閤湯」

強羅温泉「ホテル文の郷」の湯強羅温泉の食堂「若葉」の「オムライス」二ノ平温泉「亀の湯」

強羅温泉「ホテル文の郷」の湯 強羅温泉の食堂「若葉」の「オムライス」 二ノ平温泉「亀の湯」

二ノ平温泉「亀の湯」の湯船二ノ平温泉「亀の湯」の湯につかる国道1号の箱根峠で峠返し

二ノ平温泉「亀の湯」の湯船 二ノ平温泉「亀の湯」の湯につかる 国道1号の箱根峠で峠返し

芦ノ湯温泉「山形屋」芦ノ湯温泉「山形屋」の湯仙石原温泉「一の湯」の湯

芦ノ湯温泉「山形屋」 芦ノ湯温泉「山形屋」の湯 仙石原温泉「一の湯」の湯

秦野市温泉「丹沢湯彩ほたる」の湯

秦野市温泉「丹沢湯彩ほたる」の湯    

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