カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[40日目]

投稿日:2017年8月14日

フォッサマグナの温泉めぐり

甲信編 16日目(2006年12月16日)

 7時30分、白馬のペンション「ミーティア」を出発。桑原さんと内田さんが同行してくれる。白馬のコンビニで朝食。「コンビニ弁当」を食べると国道148号を北へ。新潟県境まで行き、その間の温泉をめぐった。「フォッサマグナの温泉めぐり」。国道148号は日本列島の大断層線、フォッサマグナの静岡糸魚川構造線に沿っている。

 第1湯目は若栗温泉「乗鞍荘」の湯。湯量豊富な温泉。大浴場は濁り湯だ。ほかには入浴客もいなかったので、我ら3人の貸し切り湯のようなもの。湯につかりながら話が弾んだ。

 第2湯目は下里瀬温泉「サンテインおたり」の湯。オープンしたばかりで我々は一番湯を楽しんだ。湯から上がると自転車をこいでエクスサイズ。そのあと休憩所で「10分寝」。ぴったり10分で目を覚ますと出発だ。

 第3湯目は奉納温泉「奉納温泉旅館」の湯。ここは国道148号を右折し、県道330号を登りつめたところにある。「日本のチロル」を思わせるような一軒宿の温泉。北アルプスの山並みを一望する。どっぷりと内風呂の湯につかったが、温泉の成分の濃い味がする。「子宝の湯」としても知られる奉納温泉だ。

 第4湯目は小谷温泉。ここでは一番奥にある共同湯の露天風呂まで行った。だが残念ながら冬期閉鎖中。公共の宿「雨飾荘」も休業中。その下の「山田旅館」の湯には入れた。木造の老舗温泉旅館。ここの湯は「極上湯」だ。源泉は45度とジャスト適温で、湯温を調整する必要もない。加熱することも加水することもない。湯量が豊富なので循環することも消毒することもない。自然湧出の湯が滝になって湯船に流れ落ちている。その湯に向かって手を合わせ、一心に祈っている人がいた。自然そのままの、まさに「自然の賜物」の小谷温泉は厚い信仰の対象になるほどの温泉だ。

 第5湯目の来馬温泉「風吹荘」の湯に入り、第6湯目は北小谷温泉「深山の湯」。道の駅「小谷」に併設された日帰り温泉施設。大浴場と露天風呂はともに濁り湯。鉄分を多く含んだ湯で体の芯まであたたまる。湯につかりながら、すぐ近くを走り去っていく大型トラックの轟音を聞く。それがいかにも道の駅の温泉らしいところだ。湯から上がると昼食。「塩ラーメン」と「海鮮丼」を食べたが、海から遠い山中で食べる「海鮮丼」も悪くはない。

 第7湯目は島温泉「島之湯旅館」の湯。3人も入ればいっぱいになるような小さな湯船に、我々は押し合いへし合いで入った。無色透明のヌメリのある湯。つづいて国道148号の右手にあった猫鼻温泉に行ったが、残念ながら廃業湯。ここは日帰り温泉で大露天風呂があった。

 新潟県に入ると蒲原温泉と白馬温泉は廃業湯、蓮華温泉と雨飾温泉は冬期休業で入れなかった。

 第8湯目は姫川温泉。国道148号から姫川の対岸に渡ったところにある。この一帯は長野県になる。1995年の大水害で徹底的に破壊された姫川温泉だが、想像以上に復興していた。ここでは「ホテル朝日荘」の「大岩風呂」に入った。あっと驚く天然の大岩風呂で、自然の大岩を取り込んだ混浴の湯。膨大な湯量の温泉で、50度以上の高温湯が勢いよく湯船に流れ込んでいる。その湯に打たれると、「アチチチチ」と火傷をしそうな熱さ。ここには展望露天風呂もある。

 姫川温泉からは国道148号で白馬に戻り、白馬周辺の温泉をめぐった。

 第9湯目は栂池温泉「栂の森荘」の湯。大浴場と露天風呂。湯は黄緑色をしている。

 第10目は白馬塩の道温泉。日本海からの塩の道がここを通っている。「岩岳の湯」は休業中だったが、「倉下の湯」に入れた。コインを無人機に投入して入る。木の湯船、木の洗い場。濁り湯で湯はすごくいい。

 第11湯目は白馬八方温泉「みみずくの湯」。ここは無色透明無味無臭の湯だ。

 第12湯目の白馬かたくり温泉では、日帰り湯の「十郎の湯」に入った。玄関には門松が飾られていた。正月がもう間近に迫っている。20時過ぎに入ったのにもかかわらず、ここはワサワサ混み合っていた。ゆっくり入れなかっただけでなく、湯もあまりよくない。ここまでの「フォッサマグナの温泉」はどこも湯がよかったので、よけいに感じてしまう。強い消毒の塩素臭には興ざめした。この湯を最後に桑原さん、内田さんと白馬のペンション「ミーティア」へ。連泊だ。

「ミーティア」には滝野沢優子さんや大熊さんが来てくれていた。さらに信州在住の「よかさん」も。さっそくみんなで乾杯。うれしいことに、熱々の味噌味の鍋が用意されていた。その味噌というのは、「よかさん」の自家製信州味噌。「手前味噌」の味わいを堪能させてもらった。何種もの漬物もあるが、それらもすべて「よかさん」の自家製。とくに野沢菜のうまさといったらなかった。「よかさん」は温泉のみならず、ファミリーキャンプの大好きな人。娘さんの「すずらんちゃん」も連れてきている。みなさんたちとの何とも楽しい2夜連続の「忘年会」になった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
7時30分 白馬のペンション「ミーティア」を出発
朝湯 白馬のペンション「ミーティア」
朝食 白馬のコンビニ コンビニ弁当
336湯目 若栗温泉「乗鞍荘」(600円)
337湯目 下里瀬温泉「サンテインおたり」(500円)
338湯目 奉納温泉「奉納温泉旅館」(500円)
339湯目 小谷温泉「山田旅館」(500円)
340湯目 来馬温泉「風吹荘」(400円)
341湯目 北小谷温泉「深山の湯」(500円)
昼食 北小谷温泉「深山の湯」 「海鮮丼」&「塩ラーメン」(1280円)
342湯目 島温泉「島之湯旅館」(500円)
猫鼻温泉(廃業湯)
新潟県に入る
蒲原温泉(廃業湯)
白馬温泉(廃業湯)
蓮華温泉(冬期休業)
雨飾温泉(冬期休業)
長野県に入る
343湯目 姫川温泉「ホテル朝日荘」(600円)
344湯目 栂池温泉「栂の森荘」(700円)
345湯目 白馬塩の道温泉「倉下の湯」(500円)
346湯目 白馬八方温泉「みみずくの湯」(500円)
347湯目 白馬かたくり温泉「十郎の湯」(300円)
21時45分 白馬のペンション「ミーティア」
大熊さん、滝野沢さん、「よかさん」との出会い
夕食 そば、鍋、漬物
本日の走行距離数 136キロ
本日の温泉入浴数 12湯

白馬のペンション「ミーティア」を出発白馬から見る北アルプスの雪山朝食の「コンビニ弁当」

白馬のペンション「ミーティア」を出発 白馬から見る北アルプスの雪山 朝食の「コンビニ弁当」

若栗温泉「乗鞍荘」若栗温泉「乗鞍荘」の湯下里瀬温泉「サンテインおたり」

若栗温泉「乗鞍荘」 若栗温泉「乗鞍荘」の湯 下里瀬温泉「サンテインおたり」

下里瀬温泉「サンテインおたり」の湯に入る下里瀬温泉「サンテインおたり」で「10分寝」奉納温泉「奉納温泉旅館」の湯に入る

下里瀬温泉「サンテインおたり」の湯に入る 下里瀬温泉「サンテインおたり」で「10分寝」 奉納温泉「奉納温泉旅館」の湯に入る

小谷温泉周辺の雪原を走る小谷温泉「山田旅館」小谷温泉「山田旅館」の湯から上がり小休止

小谷温泉周辺の雪原を走る 小谷温泉「山田旅館」 小谷温泉「山田旅館」の湯から上がり小休止

来馬温泉「風吹荘」北小谷温泉「深山の湯」に入る北小谷温泉「深山の湯」で昼食

来馬温泉「風吹荘」 北小谷温泉「深山の湯」に入る 北小谷温泉「深山の湯」で昼食

島温泉「島之湯旅館」島温泉「島之湯旅館」の湯に入る姫川を渡る

島温泉「島之湯旅館」 島温泉「島之湯旅館」の湯に入る 姫川を渡る

姫川温泉「ホテル朝日荘」姫川温泉「ホテル朝日荘」の湯に入る栂池温泉「栂の森荘」

姫川温泉「ホテル朝日荘」 姫川温泉「ホテル朝日荘」の湯に入る 栂池温泉「栂の森荘」

栂池温泉「栂の森荘」の湯に入る白馬塩の道温泉「倉下の湯」白馬八方温泉「みみずくの湯」

栂池温泉「栂の森荘」の湯に入る 白馬塩の道温泉「倉下の湯」 白馬八方温泉「みみずくの湯」

白馬かたくり温泉「十郎の湯」白馬のペンション「ミーティア」の夕食のそばよかさんが作ってくれた鍋

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よかさん手製の漬物の数々

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