カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[60日目]

投稿日:2017年11月5日

「すずさん」一家と温泉めぐり

本州西部編 11日目(2007年1月20日)

 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、焼き魚、おでん、半熟卵、納豆、のり、サラダ、ヒジキ、きんぴらといった朝食を食べ、9時30分、出発。

 糸魚川から国道8号で富山県境に向かっていく。その途中、北陸道一番の険路、「親不知」の展望台に立つ。ここは北アルプスが日本海に落ち込む地点で、断崖がはるかかなたまでつづいている。親不知は日本列島の大きな境目。ここより北の正月魚は「サケ」、南は「ブリ」というような文化圏の境目であり、「東日本」と「西日本」に二分する境目も親不知だ。

 県境の境川を渡って富山県に入る。さ〜、「富山の温泉めぐり」の開始だ。

 第1湯目は朝日さざなみ温泉「リゾートホテル地中海」の湯。内風呂と露天風呂にはともに翡翠を使った「翡翠風呂」がある。湯につかりながら日本海を眺める。ここは海の見える温泉。すぐ近くをJR北陸本線の特急列車が通り過ぎていく。

 第2湯目はたから温泉「たから温泉」の湯。内風呂と露天風呂。塩分を含んだ湯。湯から上がると名物の「たら汁鍋」を食べた。たら汁はタラの頭をとり、内臓を取り出し、タラコと肝を別にしたタラをぶつ切りにし、コンブでダシをとった汁に味噌で煮込み、ネギをいれただけの素朴な汁。ところがこれがうまい。脂ののった富山湾産のタラの白身と越中味噌が混じり合い、絶妙の味をつくり出している。

 第3湯目は境温泉の日帰り湯「境鉱泉」。茶色い湯。「湯の中談義」した地元の人は、「ここの湯は体がすごく温まるんですよ」といっていた。その言葉どおりで、湯から上がったあとのぽかぽか感がたまらない。「境鉱泉」では「すずさん」一家と出会った。家族でのキャンプを繰り返している富山県在住の「すずさん」は、奥様、2人の息子さんと一緒にやってきた。「ようこそ、富山へ」。そんな「すずさん」には「ますずし」などの富山名産やドリンクの「ニンニクの力」を差し入れてもらった。

 ここからは「すずさん」一家と一緒に富山の温泉をめぐる。

 第4湯目は小川温泉「天望閣」。6階の展望風呂からは朝日の町並みとその向こうに広がる日本海を眺めた。「すずさん」の2人の息子は「あきクン」と「じゅんぺいクン」。上の「あきクン」は小学1年生。かわいい盛りだ。一緒に湯につかっていた年配の人は目を細め、「このころが一番いいねえ」といっている。同感、同感。子育ての時期を過ぎて振り返ってみると、子供たちが小学生になる頃が一番よかった。

 第5湯目は小川温泉元湯「ホテル小川」の湯。広々とした大浴場。大浴場は石造りの湯船。その隣りには檜の大樽露天風呂。ともによかった。

 第6湯目は富山県内では最大の温泉地の宇奈月温泉。富山地方鉄道の宇奈月温泉駅の「温泉噴水」前で「すずさん」一家と記念撮影。そのあと共同浴場「宇奈月温泉会館」の湯に入った。湯の中で息子さんたちのめんどうをみる「すずさん」のお父さんぶりは何ともほほえましいものだった。

 宇奈月温泉で「すずさん」一家と別れた。

 第7湯目は黒部川明日温泉「バーデン明日」の湯。大浴場と大露天風呂。岩風呂につかりながら目の前の石の庭園を見る。

 第8湯目は宮崎温泉「宮崎鉱泉本館」の湯。ここは温泉銭湯といった感じ。薄茶色の湯。湯温を高く設定しているので、熱い湯船につかると、体が真っ赤になるほど。

 第9湯目は金太郎温泉「カルナの館」の湯。ここは人気の温泉で、広い駐車場が満車状態になるほど。「立山連峰パノラマ大浴殿」と「庭園大露天風呂」の湯に入る。塩分を含んだ濁り湯だ。

 第10湯目は天神山温泉「宝泉閣」の湯。金太郎温泉と比べると、こちらは閑散としていた。大岩を配した大浴場の湯につかった。

 今晩の宿は富山駅前のビジネスホテル「シティーイン富山」。21時45分の到着だ。狭い部屋での楽しい夕食。「すずさん」が差し入れてくれた「ますずし」、「かぶらずし」、「かまぼこ」をカンビールを飲みながら食べるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」
朝食 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」 ご飯、味噌汁、焼き魚、おでん、半熟卵、納豆、のり、サラダ、ヒジキ、きんぴら
9時30分 フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」を出発
富山県に入る
520湯目 朝日さざ波温泉「リゾートホテル地中海」(500円)
521湯目 たから温泉「たから温泉」(500円)
昼食 「たから温泉」 「たら汁鍋&ライス」(1000円)
522湯目 境温泉「境鉱泉」(400円)
「すずさん」一家との出会い
523湯目 小川温泉「展望閣」(500円)
524湯目 小川温泉元湯「ホテル小川」(1000円)
525湯目 宇奈月温泉「宇奈月温泉会館」(250円)
「すずさん」一家との別れ
526湯目 黒部川明日温泉「バーデン明日」(500円)
527湯目 宮崎温泉「宮崎鉱泉本館」(350円)
「らくちーの」 天然温泉ではないようなのでパス
528湯目 金太郎温泉「カルナの館」(700円)
529湯目 天神山温泉「宝泉閣」(400円)
みのわ温泉 見つけられず…
小泉温泉 廃業湯
22時15分 富山「シティーイン富山」(素泊まり3500円)
夕食 「すずさん」が差し入れてくれた「ますずし」、「かぶらずし」、「かまぼこ」
本日の走行距離数 164キロ
本日の温泉入浴数 10湯

フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」から見る姫川「ホテル糸魚川」の大浴場「ホテル糸魚川」の露天風呂に入る

フォッサマグナ糸魚川温泉「ホテル糸魚川」から見る姫川 「ホテル糸魚川」の大浴場 「ホテル糸魚川」の露天風呂に入る

「ホテル糸魚川」の朝食「ホテル糸魚川」の翡翠の原石「ホテル糸魚川」を出発

「ホテル糸魚川」の朝食 「ホテル糸魚川」の翡翠の原石 「ホテル糸魚川」を出発

親不知の断崖国道8号で富山県に入る朝日さざ波温泉「リゾートホテル地中海」

親不知の断崖 国道8号で富山県に入る 朝日さざ波温泉「リゾートホテル地中海」

「リゾートホテル地中海」の露天風呂たから温泉たから温泉の看板

「リゾートホテル地中海」の露天風呂 たから温泉 たから温泉の看板

たから温泉の露天風呂たから温泉の「たら汁」境温泉で出会った「すずさん」のお子さん2人

たから温泉の露天風呂 たから温泉の「たら汁」 境温泉で出会った「すずさん」のお子さん2人

境温泉を出発小川温泉「展望閣」「展望閣」からの眺め。日本海が見える

境温泉を出発 小川温泉「展望閣」 「展望閣」からの眺め。日本海が見える

小川温泉元湯「ホテル小川」「ホテル小川」の檜の大樽露天風呂宇奈月温泉「宇奈月温泉会館」

小川温泉元湯「ホテル小川」 「ホテル小川」の檜の大樽露天風呂 宇奈月温泉「宇奈月温泉会館」

黒部川明日温泉「バーデン明日」宮崎温泉「宮崎鉱泉本館」金太郎温泉「カルナの館」

黒部川明日温泉「バーデン明日」 宮崎温泉「宮崎鉱泉本館」 金太郎温泉「カルナの館」

天神山温泉「宝泉閣」の大狸天神山温泉「宝泉閣」富山に到着。雪はない

天神山温泉「宝泉閣」の大狸 天神山温泉「宝泉閣」 富山に到着。雪はない

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