カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[78日目]

投稿日:2018年2月6日

有福温泉に3台のジェベルが並んだ

本州西部編 29日目(2007年2月7日)

 湯迫温泉「湯迫温泉旅館」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、焼き魚、カマボコ、ヒジキ、ジュンサイ、生卵、のり、漬物の朝食を食べ、8時45分に出発。相棒のスズキDJEBEL250XCを走らせ、国道9号を西へ。

 第1湯目は石見の名湯、温泉津温泉。温泉津港は江戸時代の石見銀山の銀の積出し港。港近くの旧石見銀山街道沿いに温泉街が延びている。その一角にある共同浴場の「薬師の湯」に入る。

 源泉掛け流しのにごり湯。島根県では一番の泉質との評価が高い。石造りの湯船のふちや洗い場には湯の成分が厚くこびりつき、鍾乳洞の鍾乳石のような景観を見せている。湯から上がると、3階の展望室から温泉津温泉の温泉街を見渡した。

 温泉津温泉からさらに国道9号を西へ。

 江津に近づいたところで、1台のジェベルとすれ違った。しばらくしてそのジェベルがぼくの後ろを走っているのに気がついた。「ヤッサン」だ。

 そのまま第2湯目の有福温泉まで一緒に走り、共同浴場「御前湯」の駐車場に2台のジェベルを停めた。そんな「ヤッサン」と「御前湯」に入った。じつにやわらかい湯の感触。真綿につつまれているかのようだ。ここも温泉津温泉に負けず劣らずの岩見の名湯。1000年もの歴史がある。

 湯から上がると、「ヤッサン」の差し入れの「リポビタンD」で乾杯。「御前湯」を出ると、地元のおばちゃんが有福温泉の由来から効能など、こと細かに説明してくれた。博識の方。そのおかげで有福温泉がぐっと身近なものに感じられた。

「御前湯」の駐車場に戻ってびっくり!

 何と3台目のジェベルがやってきた。広島県の福山からやってきた藤井さん。

 藤井さんはカソリ本の読者の方で、『世界を駆けるゾ!』(フィールド出版)などは全4巻を読んでくれている。

「昨夜もカソリさんの本を読んでいたんですよ」
 という藤井さんは自転車でオーストラリアを一周したこともある。

 ぼくはジェベルで「オーストラリア2周7万2000キロ」を走ったが、それを読んで藤井さんはジェベルにしたという。有福温泉に3台のジェベルが並んだ。

 これから「御前湯」に入るという藤井さんと別れ、「ヤッサン」の先導で第3湯目の美又温泉へ。

 那賀グリーンラインを走ったが、ゆるやかな上り下りのつづく快適なワインディングルート。美又温泉では「ヤッサン」おすすめの「美又温泉会館」の湯に入る。ツルツルヌルヌル系の「美人湯」。湯から上がると、これから仕事に行くという「ヤッサン」と別れた。

 第4湯目は旭温泉。「あさひ荘」は改装中で入れず、「しろつの荘」の湯に入った。内風呂も露天風呂も、湯船がすごくいい。とくに大岩をふんだんに配した露天風呂には気持ちよく入れた。

 湯から上がると、道をはさんで反対側にある「しろつめ荘別館」で昼食。「刺身定食」を食べた。

 第5湯目は湯屋温泉。「子安華湯館」の湯に入った。ここは丘陵上にポツンとある共同湯風の日帰り温泉施設。小さな湯船にはすでに何人もの人たちが入っていて満杯状態。その中に割り込ませてもらって湯につかった。浴室からの眺めがいい。

 第6湯目の伊木温泉へ。日帰り湯「伊木の湯」は14時から。それも水曜日、土曜日、日曜日の週3日しかやっていない。

 伊木温泉への道は狭いし、わかりにくいし、温泉に入れる日、入れる時間は限られている。それでもこの山間の温泉には次々と入浴客がやってくる。「伝説の泉」と呼ばれ、ここの湯の効能は「すごい!」と、誰もが口をそろえていう。

 抜群の殺菌力を持つ湯だとのことで、源泉は1年おいても腐らないそうだ。順番待ちでポリ風呂の「伝説の泉」につかったが、残念ながら一度入ったぐらいではその効能のすごさはわからない。湯から上がると、ここのオバチャンはストーブで焼いた餅をふるまってくれた。何か突然、ポーンと別世界に飛び込んだような、伊木温泉ではそんな気分を味わった。

 浜田から国道9号を西へ。日本海の絶景湯、荒磯温泉「荒磯館」は日帰り入浴の時間がすでに過ぎていて入れなかった。残念…。

 益田からは海沿いの国道191号を行き、仏峠のトンネルを抜け、山口県に入った。

 さー、山口県の温泉めぐりの開始だ。

 第7湯目は田万川温泉の日帰り湯「憩いの湯」。大浴場と露天風呂。塩分の濃い湯。ここはなつかしの地だ。日本を歩きはじめたばかりの頃、田万川温泉に近い江崎温泉のひなびた温泉宿に泊った。田植えの季節でカエルがゲロゲロ鳴いていた。その江崎温泉も今はない。

 第8湯目は萩本陣温泉「萩本陣」。ここの入浴料は1200円で1000円を超えるが、特例ということにして大浴場の湯に入った。

 第9湯目は湯免温泉「湯免ふれあいセンター」の湯。大浴場と露天風呂に入った。

 仙崎漁港前の「喜楽」で「ウニめし」を食べ、青海島温泉の「シーサイドホテル」に泊った。いよいよ下関が間近になってきた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 湯迫温泉「湯迫温泉旅館」
朝食 湯迫温泉「湯迫温泉旅館」 ご飯、味噌汁、焼き魚、カマボコ、ヒジキ、ジュンサイ、生卵、のり、漬物
8時45分 湯迫温泉「湯迫温泉旅館」を出発
703湯目 温泉津温泉「薬師湯」(300円)
「ヤッサン」との出会い
704湯目 有福温泉「御前湯」(300円)
「藤井さん」との出会い&別れ
705湯目 美又温泉「美又温泉会館」(250円)
「ヤッサン」との別れ
706湯目 旭温泉「しろつの荘」(400円)
昼食 「しろつの荘別館」 「刺身定食」(1200円)
707湯目 湯屋温泉「子安華湯館」(400円)
708湯目 伊木温泉「伊木の湯」(300円)
荒磯温泉 入れず
山口県に入る
709湯目 田万川温泉「憩いの湯」(400円)
阿湖温泉 定休日で入れず
710湯目 萩本陣温泉「萩本陣」(1200円)※特例で入る
711湯目 湯免温泉「湯免ふれあいセンター」(500円)
夕食 仙崎の「喜楽」 「ウニめし」(1890円)
21時15分 青海島温泉「シーサイドホテル」(1泊5500円)
712湯目 青海島温泉「シーサイドホテル」
本日の走行距離数 243キロ
本日の温泉入浴数 10湯

湯迫温泉「湯迫温泉旅館」の朝食「湯迫温泉旅館」を出発温泉津温泉の温泉街に入っていく

湯迫温泉「湯迫温泉旅館」の朝食 「湯迫温泉旅館」を出発 温泉津温泉の温泉街に入っていく

温泉津温泉の案内図温泉津温泉「薬師湯」「薬師湯」からの眺め

温泉津温泉の案内図 温泉津温泉「薬師湯」 「薬師湯」からの眺め

「薬師湯」に入る「ヤッサン」との出会い美又温泉「美又温泉会館」

「薬師湯」に入る 「ヤッサン」との出会い 美又温泉「美又温泉会館」

美又温泉「美又温泉会館」の湯旭温泉「しろつの荘」の湯に入る旭温泉「しろつの荘別館」で昼食

美又温泉「美又温泉会館」の湯 旭温泉「しろつの荘」の湯に入る 旭温泉「しろつの荘別館」で昼食

湯屋温泉「子安華湯館」伊木温泉「伊木の湯」荒磯温泉「荒磯館」には入れず…

湯屋温泉「子安華湯館」 伊木温泉「伊木の湯」 荒磯温泉「荒磯館」には入れず…

国道191号の島根・山口県境の仏峠国道191号で山口県に入る田万川温泉「憩いの湯」

国道191号の島根・山口県境の仏峠 国道191号で山口県に入る 田万川温泉「憩いの湯」

田万川温泉「憩いの湯」に入る萩本陣温泉「萩本陣」湯免温泉「湯免ふれあいセンター」

田万川温泉「憩いの湯」に入る 萩本陣温泉「萩本陣」 湯免温泉「湯免ふれあいセンター」

仙崎の「喜楽」の「ウニめし」

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