カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[95日目]

投稿日:2018年4月21日

雛飾りの季節になった

本州西部編 46日目(2007年2月24日)

 朝、明るくなると一面の雪景色。雪はかなりの勢いで降っている。

「くろゆり荘」の朝食は7時30分だとのことで、朝湯の前に朝食を食べる。塩ジャケや半熟卵、煮物、和え物のほかに「朴葉味噌」がついていた。まずは熱々のご飯の上にのせて食べる。「朴葉味噌」はおかず味噌で、その味は「飛騨」を強く感じさせるものだ。

 いつもとは順番が違うが、朝食のあとで朝湯に入る。

 昨夜は内風呂に入ったので、今朝は道をはさんで反対側にある別棟の露天風呂に入る。雪はまったくやむ気配がなく、笠をかぶって湯につかった。岩風呂に流れ込む源泉は52度という高温湯だが、氷点下の気温なので温めの湯になってしまう。そのためなかなか出られずに長湯をした。

 9時、平瀬温泉「くろゆり荘」を出発。国道156号で岐阜・富山の県境に向かったが、けっこう激しく雪が降っているのにもかかわらず、路面にはまったくといっていいほど雪はない。ごく普通にスズキDJEBEL250XCを走らせることができた。

「世界遺産」にも登録されている白川郷を通り、県境へ。気温は0度。だが、体感温度は氷点下10度。冬用のグローブではなく、防水用のグローブなので指の痛みは強烈。ちぎれんばかりだ。

 白川郷に戻ると、第1湯目、白川郷温泉の日帰り湯「白川郷の湯」に入った。「さぞかし混んでいるのだろうな」と思っていったのだが、ガラガラ状態でちょっと拍子抜け。露天風呂は「雪見の湯」。雪はさらに激しさを増し、「蛭ヶ野峠を越えられるかなあ…」と心配になるほどだった。

 第2湯目の大白川温泉の日帰り湯「しらみずの湯」。ここもガラガラ状態でほとんど入浴客はいない。大浴場と大露天風呂の湯につかりながら、降りつづく雪を見る。湯から上がると、「次平」で極細麺の「次平ラーメン」を食べた。

 気合を入れて、蛭ヶ野峠を登っていく。はたして越えられるかどうか、緊張してジェベルを走らせる。だが、雪は小降りになり、助かった。峠上の「ひるがのスキー場」は大盛況。ここまで来ると雪はやみ、青空が見えている。飛騨は雪、美濃は晴天。またしても飛騨と美濃の違いをくっきりと見せつけられた。

 国道156号の東側を走る「やまびこロード」沿いの3湯をめぐる。辛いのは花粉症。飛騨側ではおさまっていたが、美濃側に入るとクシャミの連発、鼻水ズルズル状態。「助けて〜」と声が出るほど。それでもカソリは行く。

 第3湯目は牧歌の湯温泉「牧華」。大浴場と露天風呂。湯につかりながら雪景色を眺める。

 第4湯目はふたごえ温泉「コージュ高鷲」の湯。大浴場と露天風呂。目の前には東海北陸道の大橋脚が見える。

 第5湯目は鷲ヶ岳温泉。ここでは「ホテルレインボー」、「鷲ヶ岳高原ホテル」とまわったが入れず。「鷲ヶ岳温泉」の湯に入ることができた。すごい人。スキーヤーであふれかえっていた。

 高鷲ICから東海北陸道に入り、郡上八幡ICまで高速道を走る。

 郡上八幡ICから国道156号を南下する。

 第6湯目は高畑温泉「湯之本館」の湯。無色透明の湯で、小さな湯船につかる。浴室からは渓谷を見下ろす。

 第7湯目の日本真ん中温泉の日帰り湯「子宝の湯」。大浴場と露天風呂。露天風呂には円形の湯船と木の湯船がある。ここはスキー帰りの人たちで混んでいた。「子宝の湯」は駅舎温泉。館内からそのまま長良川鉄道の「みなみ子宝温泉駅」のプラットフォームに出られる。その入口には信号がある。列車到着の30分前になると青信号が灯り、15分前には黄色、5分前になると赤信号に変わる。

 美濃ICで東海北陸道に入り、すぐに東海環状へ。

 東海環状の美濃加茂ICで降り、国道41号を行く。

 第8湯目は白川温泉の温泉旅館「飛水館」。高台上の温泉宿で、山間の白川の夜景を見下ろす。玄関に飾られた雛飾りが季節を感じさせた。

 晩秋の11月1日にスタートした「300日3000湯」の「温泉めぐり日本一周」も、まもなく春の雛祭りを迎えようとしている。

 ここは内風呂のみ。やわらかな感触の湯につかる。

 第9湯目の新白川温泉の日帰り湯「美濃白川スポーツ・スパランド」。大浴場と露天風呂の湯にどっぷり、まったりつかった。

 新白川温泉「美濃白川スポーツ・スパランド」の湯から上がると、今晩の宿、一乃湯温泉へ。国道41号沿いのコンビニ「タイムリー」で食料を買い込む。夕食は「ますずし」&「ぶりずし」のおにぎり。ともに富山産。こうして富山産のおにぎりがあるというのは、「国道41号つながり」というものなのか。

 それと伊予産のミカンと薩摩産の薩摩焼酎を買った。

 花粉症の季節が終わるまでは極力、ビールを飲まないようにしている。飲みたいときはこうして日本酒とか焼酎などにする。どいういう因果関係かわからないが、とにかくビールを飲むと花粉症の症状は目に見えて悪化するのだ。いやはやいやはや辛い季節…。

 一乃湯温泉「乗政一乃湯」に到着したのは21時15分。最初に男湯の木の湯船につかり、次に女湯の石の湯船につかる。というのは宿泊はぼく一人で、女将さんには「両方とも入ってかまわないわよ」といわれたからだ。

 ここは一人だけ、もしくは一組だけが泊れる温泉宿。このような宿は日本中探してもそうはないだろう。

 日帰り入浴は21時までで、22時を過ぎると、女将さんたちは自分の家に帰ってしまう。そのあとは自分一人。若干、心細い気分になる。湯から上がると、「ますずし」&「ぶりずし」のおにぎりを食べ、そのあとワンカップの薩摩焼酎を飲むのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝食 平瀬温泉「くろゆり荘」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、半熟卵、ホオ葉味噌、煮物、和え物、漬物
朝湯 平瀬温泉「くろゆり荘」
9時 平瀬温泉「くろゆり荘」を出発
岐阜・富山県境 折り返し
856湯目 白川郷温泉「白川郷の湯」(700円)
857湯目 大白川温泉「しらみずの湯」(600円)
昼食 「次平」 「次平ラーメン」(600円)
蛭ヶ野峠 峠越え
858湯目 牧歌の里温泉「牧華」(800円)
859湯目 ふたごえ温泉「コージュ高鷲」(650円)
860湯目 鷲ヶ岳温泉「鷲ヶ岳温泉」(800円)
861湯目 高畑温泉「湯之本館」(600円)
862湯目 日本真ん中温泉「子宝の湯」(500円)
863湯目 白川温泉「飛水館」(630円)
864湯目 新白川温泉「美濃白川スポーツランド」(400円)
21時15分 一乃湯温泉「乗政 一乃湯」(素泊まり4000円)
865湯目 一乃湯温泉「乗政 一乃湯」
夕食 コンビニのおにぎり
本日の走行距離数 285キロ
本日の温泉入浴数 10湯

平瀬温泉「くろゆり荘」の雪景色「くろゆり荘」の朝食「くろゆり荘」の朝食の「朴葉味噌」

平瀬温泉「くろゆり荘」の雪景色 「くろゆり荘」の朝食 「くろゆり荘」の朝食の「朴葉味噌」

「くろゆり荘」の朝湯に入る「くろゆり荘」を出発国道41号の岐阜・富山県境

「くろゆり荘」の朝湯に入る 「くろゆり荘」を出発 国道41号の岐阜・富山県境

岐阜・富山県境の風景白川郷の雪原を行く白川郷温泉「白川郷の湯」

岐阜・富山県境の風景 白川郷の雪原を行く 白川郷温泉「白川郷の湯」

「白川郷の湯」の大浴場大白川温泉「しらみずの湯」「次平」の「次平ラーメン」

「白川郷の湯」の大浴場 大白川温泉「しらみずの湯」 「次平」の「次平ラーメン」

蛭ヶ野峠のスキー場牧歌の里温泉「牧華」蛭ヶ野高原の雪景色

蛭ヶ野峠のスキー場 牧歌の里温泉「牧華」 蛭ヶ野高原の雪景色

ふたごえ温泉「コージュ高鷲」スキー場は満車状態鷲ヶ岳温泉の「鷲ヶ岳温泉」

ふたごえ温泉「コージュ高鷲」 スキー場は満車状態 鷲ヶ岳温泉の「鷲ヶ岳温泉」

高畑温泉「湯之本館」日本真ん中温泉「子宝の湯」「子宝の湯」の信号灯

高畑温泉「湯之本館」 日本真ん中温泉「子宝の湯」 「子宝の湯」の信号灯

白川温泉「飛水館」の雛飾り「飛水館」の大浴場新白川温泉「美濃白川スポーツランド」

白川温泉「飛水館」の雛飾り 「飛水館」の大浴場 新白川温泉「美濃白川スポーツランド」

一乃湯温泉「乗政 一乃湯」の湯上りに食べた夕食

一乃湯温泉「乗政 一乃湯」の湯上りに食べた夕食    

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