カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[96日目]

投稿日:2018年4月23日

飛騨の温泉めぐりを終えた

本州西部編 47日目(2007年2月25日)

 一乃湯温泉「乗政一乃湯」の朝湯に入り、9時に出発。乗政湯屋温泉には入れず。喫茶店「ジョーダン」で「モーニングサービス」の朝食を食べた。

「温泉めぐり日本一周」の相棒、スズキDJEBEL250を走らせ、国道257号→国道41号で中央分水嶺の宮峠へ。峠の気温は氷点下1度。

 つづいて長野県境の長峰峠へ。

 長峰峠下の塩沢温泉が第1湯目。「七峰館」の湯に入った。広々とした大浴場の湯につかる。冷えきった体があたたまっていく。

「生き返った!」

 ガラス張りの浴室からは高根の集落を見下ろした。

 塩沢温泉からは雪道を走り、鈴蘭温泉を通っていく。鈴蘭温泉は別荘地に引いた温泉で、入浴施設はない。

 第2湯目はくるみ温泉の「くるみ温泉宿」。内風呂の岩風呂に入る。温泉の成分の濃さを感じさせるにごり湯。湯から上がると昼食。「イワナの蒲焼定食」を食べた。開きにしたイワナはけっこうな食べ応え。ご飯についたそばがうまかった。

 第3湯目はその先の秋神温泉。温泉旅館「秋神温泉」の湯に入る。赤茶けた湯の色。浴室からは目の前の渓流を眺める。あたりは一面の雪景色。ここには「氷点下の森」がある。まさに氷の芸術。青白く光り輝く氷のオブジェには心を奪われた。

 さらに飛騨の温泉めぐりはつづく。

 鈴蘭峠を越えて下島温泉へ。

 第4湯目の下島温泉では日帰り湯「ひめしゃがの湯」にはいった。入口には飲泉所。鉄錆のような味がする。若干、甘味もあってサイダーっぽい味もする。大浴場と大露天風呂の湯につかったが、湯は濃いミカン色をしている。

 第5湯目は湯屋温泉。温泉街の中央には飲泉所。そこには薬師如来像と日光菩薩像、月光菩薩像がまつられている。ここでは温泉旅館「ニコニコ荘」の湯に入った。宿内にも飲泉所があるが、湯屋温泉の炭酸泉は飲泉効果がきわめて大きいと聞いた。内風呂の湯につかる。木枠の石造りの湯船。にごり湯。小さな露天風呂もある。

 湯屋温泉「ニコニコ荘」の湯から上がると小坂へ。小坂からは国道41号を南下した。

 第6湯目は飛騨川温泉「しみずの湯」。大浴場と露天風呂。ともに無色透明の湯。露天風呂は大岩風呂。大庭園を見ながら湯につかった。つづいて萩原温泉に行ったが、廃業湯で入れなかった。

 第7湯目は飛騨馬瀬川温泉「美輝の里」の湯。大浴場と露天風呂。ともに無色透明の湯で、露天風呂からの眺めはすごくいい。

 第8湯目は下呂温泉。岐阜県内では最大の温泉地だ。ここは草津温泉、有馬温泉と並ぶ「日本三名泉」のひとつに数えられている。「日本三名泉」は江戸時代の儒学者、林羅山が選んだもので、当時の下呂温泉は草津温泉や有馬温泉に負けず劣らずの温泉地だったことがわかる。

 下呂温泉では無料湯の混浴露天風呂「噴泉池」に入った。河原の湯につかりながら、対岸の高層温泉ホテルを眺める。暮れなずむ温泉街の風景が目に残る。毎日この湯に入りにきているという地元の人たち3人と一緒になったが、みなさんは口をそろえて、「下呂ではこの湯が一番いいよ」といっていた。

 第9湯目は飛騨金山温泉。日帰り湯「ゆったり館」の湯に入る。大浴場と露天風呂。大浴場には寝湯や打たせ湯がある。露天風呂は小さめ。ここを最後に飛騨の温泉めぐりを終えた。

 飛騨金山温泉の「ゆったり館」を出発したのは19時30分。ジェベルに「頼むぞ!」と声をかけて走り出す。ここからが勝負。今晩の宿は愛知県足助の白鷺温泉。一軒宿の「白鷺館」には、「9時までには着きますから」ということで泊めてもらえたからだ。飛騨金山温泉から白鷺温泉までは100キロ以上もの距離がある。

 国道41号で美濃加茂へ。美濃加茂ICで東海環状に入ると、ジェベルのエンジン全開で豊田藤岡ICまで、一気に高速道を突っ走る。厳しい冷え込み。どこかで体を温めたかったが、ぐっとこらえて走りつづけた。

 豊田藤岡ICからは有料の猿投グリーンロード経由で国道153号に入り、足助の白鷺温泉「白鷺館」に到着したのは45分遅れの21時45分。

「すっかり遅くなってすいませ〜ん」

 平身低頭して謝り、なんとか泊めてもらえた。よかった!

 さっそく第10湯目の「宿湯」に入る。ぬめりのある湯にどっぷりつかり、骨の髄まで冷え切った体を温めた。冷えきった体には温泉が一番。湯から上がると、コンビニ弁当の遅い夕食を食べるのだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 一乃湯温泉「乗政一乃湯」
9時 一乃湯温泉「乗政一乃湯」を出発
乗政湯屋温泉 入れず
朝食 喫茶店「ジョーダン」 「モーニングサービス」(360円)
宮峠 峠返し
866湯目 塩沢温泉「七峰館」(500円)
867湯目 くるみ温泉「くるみ温泉宿」(500円)
昼食 くるみ温泉「くるみ温泉宿」 「イワナの蒲焼定食」(1500円)
868湯目 秋神温泉「秋神温泉」(500円)
鈴蘭峠 峠越え
869湯目 下島温泉「ひめしゃがの湯」(700円)
870湯目 湯屋温泉「ニコニコ荘」(500円)
871湯目 飛騨川温泉「しみずの湯」(500円)
萩原温泉 廃業湯
872湯目 馬瀬川温泉「美輝の里」(700円)
873湯目 下呂温泉「噴泉池」(無料湯の混浴露天風呂)
874湯目 飛騨金山温泉「ゆったり館」(400円)
愛知県に入る
21時45分 白鷺温泉「白鷺館」(1泊朝食8085円)
875湯目 白鷺温泉「白鷺館」
夕食 コンビニ弁当
本日の走行距離数 339キロ
本日の温泉入浴数 10湯

一乃湯温泉「乗政一乃湯」を出発乗政湯屋温泉には入れず喫茶店「ジョーダン」の「モーニングサービス」

一乃湯温泉「乗政一乃湯」を出発 乗政湯屋温泉には入れず 喫茶店「ジョーダン」の「モーニングサービス」

国道41号の宮峠塩沢温泉「七峰館」「七峰館」の飲泉所

国道41号の宮峠 塩沢温泉「七峰館」 「七峰館」の飲泉所

「七峰館」の大浴場雪の鈴蘭高原を行くくるみ温泉「くるみ温泉宿」の湯

「七峰館」の大浴場 雪の鈴蘭高原を行く くるみ温泉「くるみ温泉宿」の湯

「くるみ温泉宿」の「イワナの蒲焼定食」これがイワナの蒲焼「イワナの蒲焼定食」のそば

「くるみ温泉宿」の「イワナの蒲焼定食」 これがイワナの蒲焼 「イワナの蒲焼定食」のそば

秋神温泉「秋神温泉」「秋神温泉」の湯「秋神温泉」の「氷点下の森」

秋神温泉「秋神温泉」 「秋神温泉」の湯 「秋神温泉」の「氷点下の森」

鈴蘭峠へ鈴蘭峠に到達鈴蘭峠からの眺め

鈴蘭峠へ 鈴蘭峠に到達 鈴蘭峠からの眺め

下島温泉「ひめしゃがの湯」湯屋温泉の飲泉所湯屋温泉「ニコニコ荘」の露天風呂

下島温泉「ひめしゃがの湯」 湯屋温泉の飲泉所 湯屋温泉「ニコニコ荘」の露天風呂

「ニコニコ荘」の露天風呂に入る飛騨川温泉「しみずの湯」飛騨馬瀬川温泉「美輝の里」

「ニコニコ荘」の露天風呂に入る 飛騨川温泉「しみずの湯」 飛騨馬瀬川温泉「美輝の里」

下呂温泉「噴泉池」から見る対岸の高層温泉ホテル飛騨金山温泉「ゆったり館」白鷺温泉「白鷺館」で食べるコンビニ弁当

下呂温泉「噴泉池」から見る対岸の高層温泉ホテル 飛騨金山温泉「ゆったり館」 白鷺温泉「白鷺館」で食べるコンビニ弁当

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