カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[105日目]

投稿日:2018年5月22日

第1湯目は何とも遠い…

四国編 6日目(2007年3月15日)

 太地温泉の国民宿舎「白鯨」の朝湯に入る。湯から上がると、ご飯、味噌汁、塩ジャケ、玉子焼き、サラダ、佃煮、煮物、漬物といった朝食を食べ、8時30分に出発する。

 南紀の海岸線では鎖状に点々と温泉がつづくので、
「さー、今日は入るぞ!」
 と意気込んでスズキSKYWAVE400を走らせる。

 国道42号を行く。南紀の海を眺めながらの快適走行だ。

 まず最初は佐部温泉の国民宿舎「あらふね」で入浴を頼む。すると16時からとのことで入れなかった。

 次に月野瀬温泉の「ぼたん荘」で入浴を頼むと11時からなので諦めた。

 南紀のシンボル、橋杭岩のすぐそばにある弘法温泉「弘法湯」に行くと13時30分から。

 本州最南の串本温泉では日帰り湯「サンゴの湯」に行ったが11時から。そこで高台上の「串本ロイヤルホテル」で聞いてみた。すると14時から。もう一軒の「ヒルトップホテル和田金」は入浴のみは不可。結局、串本温泉も諦めた。

 串本を過ぎたところで国道42号をいったん離れ、国道371号に入っていく。峠を越えると、古座川沿いの道。古座川峡の渓谷美を眺めながら走る。その中に巨大な古座川の一枚岩がある。「日本のエアーズロック」だ。なつかしい。

 1993年の夏、エアーズロックを目指して、オーストラリアの荒野をバイクで走った。その年の秋、一緒に走った「豪州軍団」の仲間たちはこの古座川の一枚岩の下に日本各地から集合した。ひと晩中、飲んで騒いで…。翌日は「日本のエアーズロック」に裏側から登り、そのあとは近くの美女湯温泉に入った。「本州西部編」の宝塚温泉で出会った吉松さんはそのときのメンバーだ。

 古座川の一枚岩をしばらく眺めたあと、古座川沿いに走り、対岸に渡り、美女湯温泉まで行く。すると今日は入浴日(火、木、土、日の週4日)だったが、入浴は14時から…。ということで、このなつかしの美女湯温泉も諦めた。

 国道42号に戻り、すさみ温泉へ。海岸の国民宿舎「枯木灘すさみ」で聞いてみると16時から。町中の公衆温泉浴場「いのぶた温泉」も16時から。高台上の「ホテルシーパレス」は15時からということで、すさみ温泉も諦めた。第1湯目は何とも遠い…。

 やっと入れた第1湯目は日置川温泉だ。日置川の河口に近い地中海風「リヴァージュ・スパひきかわ」の「渚の湯」に入れた。時間はすでに12時近い。大浴場の湯につかりながら目の前に広がる南紀の海を眺めた。温めの「源泉湯」や露天風呂にも入った。「いやー、いいねえ!」を連発。第1湯目が遠かっただけに、温泉のありがたさが倍増。それと同時に救われたような、ホッとした気分をも味わった。

 第2湯目は日置川をさかのぼったところにあるえびね温泉。日置川温泉が「海の温泉」だとすると、えびね温泉は「山の温泉」。泉質の良さには定評があり、源泉をくみに来る人たちが次々にやってくる。日置川の河畔にある日帰り湯「えびね温泉」に入る。13角形の石の湯船が浴室の中央にある。源泉掛け流しの湯につかりながら、日置川の清流を眺めた。湯から上がると、食堂で昼食。「きつねうどん」を食べた。ここでは大阪からやってきた「温泉大好き」の2組の夫婦と話した。いつも一緒に温泉旅をしているという。「和歌山の市内で泊まるなら花山温泉がいいよ」と教えてくれた。このような温泉情報はありがたい。

 えびね温泉を出るころには雨になった。国道42号に戻るころには本降りになる。そのおかげで花粉症の猛烈な目のかゆみはおさまり、猛烈なくしゃみの連発も止まった。鼻みず、鼻づまりもずいぶんと楽になった。まさに恵みの雨だ。

 第3湯目は椿温泉。国道42号沿いの温泉旅館「しらさぎ」の湯に入る。4階の展望大浴場。湯につかりながら椿温泉と南紀の海を見渡した。ここも源泉掛け流し。泉質の良さもあって湯治客も多くやってくる。ここでは定年退職をした人と「湯の中談義」。こうして温泉めぐりをするのが一番の楽しみだという。

「定年退職さん」は「青春18きっぷ」で温泉をめぐっていた。大阪の天王寺から鈍行を乗り継ぎ、6時間かけて椿温泉にやって来た。ここの湯に入ったあとはまた6時間かけて天王寺駅まで戻るという。次は松山の道後温泉に行くそうで、同じように「青春18きっぷ」での日帰り温泉旅になるという。

 第4湯目は白浜温泉。名物露天風呂の「崎の湯」に入る。目の前に広がる海を眺めながら湯につかる気分はたまらない。ここではバイク大好きな若者との「湯の中談義」。「この崎の湯が関西では一番いいですよ」という。今日はバイクではなく車でやってきたとのことだが、ネイキッドのスポーツタイプ、ハーレー、スクーターの3台を持っていて、車とは別のバイク専用ガレージに入れているという。「お互いにこれからも、気をつけて乗りましょう」といって別れたが、気分のいい、陽気な若者だった。

 第5湯目は口熊野温泉の日帰り湯「弁慶のさと湯」。田辺の国道42号のバイパスの近くにあるのだが、なかなか見つけられず、30分以上もウロウロしてしまった。大浴場と露天風呂。天然温泉の浴槽は赤茶けた湯だ。

 第6湯目はみなべ温泉の国民宿舎「紀州路みなべ」の湯。高台の宿で、浴室からは海を見下ろす。大浴場の内風呂のみ。けっこう混みあっていた。

 第7湯目は山中の鶴の湯温泉の一軒宿「鶴の湯温泉」。内風呂と露天風呂は場所が分かれている。こういうところは2度、脱いだり着たりを繰り返さなくてはならない。ここの湯はすごくいい。にごり湯で、濃い草色をしている。湯が体にしみ込んでいくような感じがした。

 みなべICで阪和道に入り、広川ICで降りて第8湯目の湯浅温泉へ。国民宿舎「湯浅城」は天守閣の温泉宿。湯浅城の城主になったような気分で湯につかる。入浴料は300円。これだけの温泉施設で300円とは安い。

 湯浅からは国道42号で和歌山に向かっていく。

 第9湯目は有田川温泉の日帰り湯「光の湯」。湯から上がると夕食の「ウナギ丼」を食べたが、その前にいつものように写真を撮った。すると店の人なのだろう、すぐさま飛んできて「写真は撮ってはいけない」と、かなりきつい口調でいわれた。そうか、この「ウナギ丼」は企業秘密なのか…。

 第10湯目の黒潮温泉の日帰り湯「黒潮温泉」に入り、和歌山へ。大阪の2組の夫婦が教えてくれた花山温泉に行くと、残念ながら「本日休業」。そこで南海の和歌山市駅に近いビジネスホテル「ビジネスイン南海」に泊まった。宿到着は22時45分。窮屈な部屋湯に入り、湯から上がると、カンビールで乾杯。午前中は1湯にも入れなかったのに、よくぞ10湯を達成したものだ。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 太地温泉の国民宿舎「白鯨」
朝食 太地温泉の国民宿舎「白鯨」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、玉子焼き、サラダ、佃煮、煮物、漬物
8時30分 太地温泉の国民宿舎「白鯨」を出発
佐部温泉 入れず
月野瀬温泉 入れず
弘法温泉 入れず
串本温泉 入れず
美女湯温泉 入れず
すさみ温泉 入れず
957湯目 日置川温泉「リヴァージュ・スパひきかわ」(500円)
958湯目 えびね温泉「えびね温泉」(500円)
昼食 えびね温泉「えびね温泉」 「きつねうどん」(500円)
959湯目 椿温泉「しらさぎ」(600円)
960湯目 白浜温泉「崎の湯」(300円)
961湯目 口熊野温泉「弁慶のさと湯」(700円)
962湯目 みなべ温泉「紀州路みなべ」(500円)
963湯目 つるの湯温泉「つるの湯温泉」(500円)
964湯目 湯浅温泉「湯浅城」(300円)
965湯目 有田川温泉「光の湯」(700円)
夕食 有田川温泉「光の湯」 「うなぎ丼」(1000円)
966湯目 紀州黒潮温泉「紀州黒潮温泉」(800円)
22時45分 和歌山「ビジネスイン南海」(1泊朝食 6200円)
本日の走行距離数 303キロ
本日の温泉入浴数 10湯

太地温泉の国民宿舎「白鯨」から見る早朝の海「白鯨」の朝湯に入る「白鯨」の朝食を食べる

太地温泉の国民宿舎「白鯨」から見る早朝の海 「白鯨」の朝湯に入る 「白鯨」の朝食を食べる

「白鯨」を出発南紀のシンボルの橋杭岩「日本のエアーズロック」といわれる古座川の一枚岩

「白鯨」を出発 南紀のシンボルの橋杭岩 「日本のエアーズロック」といわれる古座川の一枚岩

古座川沿いの美女湯温泉すさみ温泉の国民宿舎「枯木灘すさみ」日置川温泉「リヴァージュ・スパひきかわ」

古座川沿いの美女湯温泉 すさみ温泉の国民宿舎「枯木灘すさみ」 日置川温泉「リヴァージュ・スパひきかわ」

「リヴァージュ・スパひきかわ」から見る南紀の海えびね温泉「えびね温泉」「えびね温泉」の受付

「リヴァージュ・スパひきかわ」から見る南紀の海 えびね温泉「えびね温泉」 「えびね温泉」の受付

「えびね温泉」の「きつねうどん」白浜温泉「崎の湯」「崎の湯」の露天風呂

「えびね温泉」の「きつねうどん」 白浜温泉「崎の湯」 「崎の湯」の露天風呂

「崎の湯」から見る太平洋白浜温泉「牟婁の湯」口熊野温泉「弁慶のさと湯」

「崎の湯」から見る太平洋 白浜温泉「牟婁の湯」 口熊野温泉「弁慶のさと湯」

みなべ温泉「紀州路みなべ」つるの湯温泉「つるの湯温泉」有田川温泉「光の湯」

みなべ温泉「紀州路みなべ」 つるの湯温泉「つるの湯温泉」 有田川温泉「光の湯」

「光の湯」の「うなぎ丼」紀州黒潮温泉「紀州黒潮温泉」

「光の湯」の「うなぎ丼」 紀州黒潮温泉「紀州黒潮温泉」  

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