カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[140日目]

投稿日:2018年9月5日

「九州一周編」を開始

九州編 11日目(2007年4月30日)

 湯田温泉「富士の家」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、納豆、豆腐、生卵、かまぼこ、煮物、海苔、梅干、漬物の朝食を食べ、9時、湯田温泉「富士の家」を出発。

 湯田温泉を出発すると、小郡ICで中国道に入る。初夏の風を切って走る。スズキBandit1250Sでの高速走行はたまらない。あっというまに下関に到着だ。

 下関ICで高速を降り、国道2号の関門トンネルで関門海峡を渡り、九州に入った。

 国道2号は国道3号に変わった。

 かつてのターミナル駅の風情をたっぷりと残すJRの門司港駅前でバンディットを停める。ここが「東京→門司」の「九州往路編」のゴール地点であり、「門司→門司」の「九州一周編」のスタート地点になる。

「さー、行くゾ、バンディットよ!」

「九州一周編」を開始。反時計回りでの九州一周だ。

 国道3号で門司から小倉へ。ここが北九州市の中心。門司、小倉、八幡、戸畑、若松の個性豊かな5市が合併してできた北九州市だが、小倉だけが飛びぬけて繁栄しているかのように見える。

 第1湯目は小倉の日明にある日明温泉「日明の湯」。大浴場と露天風呂。大浴場の湯は薄茶色。濃い味がする。露天風呂にはいくつかの湯船。陶器の壷湯もある。

 小倉から八幡へ。ここは昭文社の桑原さんの故郷。桑原さんは「鉄の町」で生まれ育ったのだ。だが今では高炉の火は消え、鉄の町も寂しいかぎり。

「皿倉山の頂上から見下ろす八幡の風景はすごいものでしたよ」
 と桑原さんは製鉄所が活況を呈していたころの話をしてくれたことがある。

 第2湯目は八幡にある東田温泉「シーサイドパレス」。ここはかつての「八幡製鉄所」が掘った1500メートルの大深度温泉。大浴場と露天風呂。大浴場の湯は無色透明無味無臭。露天風呂は茶色い湯でかなり濃い味がする。

 第3湯目は皿倉山の東側にある河内温泉。日帰り湯「あじさいの湯」に入る。大浴場と露天風呂。露天風呂から眺める新緑の山々がきれいだ。八幡のすぐ背後にはこのような自然が広がっている。

 第4湯目は本城温泉。奥深くまで切れ込んだ洞海湾の西側にある温泉。日帰り湯「おとぎの杜」の湯に入る。大浴場と露天風呂。大浴場には何種もの湯船。110センチの深い浴槽では手すりにつかまり、どっぷりと身をひたした。この「おとぎの杜」の速報を送ると、間髪を入れずに桑原さんから電話をもらった。

「カソリさん、そこはね、ウチの先祖が開いたところなんですよ」

 桑原家の本家は本城。この地の埋め立ては、桑原さんのご先祖がやったらしい。

 第5湯目は遠賀川温泉。田園風景のただ中にある日帰り湯「遠賀川温泉」の湯に入った。強烈な色の赤湯。どろっとしている。味も濃い。すごい湯だ。露天風呂はそんな源泉から鉄分を取り除いてるとのことで、色も味も薄い。温めの湯で長湯できる。遠賀川温泉の湯から上がると、国道3号で古賀まで行った。

 古賀の国道3号からわずかに南に入ったところにログハウスのレストラン「遊牧民」がある。ここは桑原さんの結婚披露宴を開いた店。全店を借り切って、それは盛大な宴(本人談)だったという。

「遊牧民」のご主人、船越勝則さんは車もバイクも大好きな人。ガレージを見せてもらったが、そこにはカワサキのゼファー750と一緒に、ピカピカに磨き上げられたスポーツカーの「ケーターハムスーパーセブンVX−RE」があった。

「遊牧民」には桑原夫人のご両親の馬場さんご夫妻が駆けつけてくれた。馬場さんご夫妻の家もログハウスで、この近くにあるという。八幡からこの地に移り住んだのだ。悠々自適といったお2人。うれしいことに馬場さんはカソリ本を何冊も読んでくれている。

 馬場さんご夫妻とはブルーベリーのタルトを食べ、コーヒーを飲みながら話した。そのあとさらにピザを食べ、ハーブティーを飲んだ。

 名残おしかったが、馬場夫妻、船越夫妻に別れを告げ、「遊牧民」をあとにした。

 第6湯目はあがの温泉「白糸の湯」。大浴場からは新緑の山々を一望。ここに来る途中には上野焼の窯元。「陶器市」の幟が道沿いに立っていた。

 第7湯目はほうじょう温泉「ふじ湯の里」。大浴場と露天風呂。ここはかなり混み合っていた。湯から上がると夕食の「焼きそば」を食べた。

 第8湯目は日王山温泉「日王の湯」。大浴場と露天風呂。時間はすでに20時を過ぎているが、ここもかなり混み合っていた。

 第9湯目は松原温泉。大浴場と露天風呂。ビリビリッとくる電気風呂もある。

 今晩の宿は飯塚に近い伊川温泉の温泉旅館「こうの湯温泉」。22時20分という遅い時間の到着にもかかわらず、気持ちよく泊めてもらえたのがありがたい。第10湯目の宿湯から上がると、バタンキューで深い眠りに落ちていった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 湯田温泉「富士の家」
朝食 湯田温泉「富士の家」 ご飯、味噌汁、納豆、豆腐、生卵、かまぼこ、煮物、海苔、梅干、漬物
9時 出発
福岡県に入る
門司港駅
1310湯目 日明温泉「日明の湯」(1000円)
1311湯目 ゆったり温泉「シーサイドスパ」(900円)
1312湯目 河内温泉「あじさいの湯」(800円)
昼食 河内温泉「あじさいの湯」 おにぎりセット(520円)
1313湯目 本城温泉「おとぎの杜」(900円)
1314湯目 遠賀川温泉「遠賀川温泉」(700円)
古賀の「遊牧民」 ピザ(馬場夫妻にいただく)
1315湯目 あがの温泉「白糸の湯」(800円)
1316湯目 ほうじょう温泉「ふじ湯の里」(500円)
夕食 ほうじょう温泉「ふじ湯の里」 焼きそば(250円)
1317湯目 日王山温泉「日王の湯」(500円)
1318湯目 松原温泉「松原温泉」(500円)
烏尾峠(峠越え)
22時20分 伊川温泉「こうの湯温泉」(1泊朝食5500円)
1319湯目 伊川温泉「こうの湯温泉」
本日の走行距離数 287キロ
本日の温泉入浴数 10湯

湯田温泉「富士の家」の朝湯に入る「富士の家」の朝食「富士の家」を出発

湯田温泉「富士の家」の朝湯に入る 「富士の家」の朝食 「富士の家」を出発

門司港駅前に到着!日明温泉「日明の湯」ゆったり温泉「シーサイドスパ」

門司港駅前に到着! 日明温泉「日明の湯」 ゆったり温泉「シーサイドスパ」

河内温泉「あじさいの湯」「あじさいの湯」の「おにぎりセット」本城温泉「おとぎの杜」

河内温泉「あじさいの湯」 「あじさいの湯」の「おにぎりセット」 本城温泉「おとぎの杜」

遠賀川流域の花園遠賀川温泉「遠賀川温泉」「遊牧民」での馬場さんご夫妻との出会い。右はご主人、船越勝則さん

遠賀川流域の花園 遠賀川温泉「遠賀川温泉」 「遊牧民」での馬場さんご夫妻との出会い。右はご主人、船越勝則さん

「遊牧民」のブルーベリーのタルト。ルッコラの花と葉、ステピアの葉が添えられている「遊牧民」のピザ「遊牧民」のハーブティー

「遊牧民」のブルーベリーのタルト。ルッコラの花と葉、ステピアの葉が添えられている 「遊牧民」のピザ 「遊牧民」のハーブティー

あがの温泉「白糸の湯」ほうじょう温泉「ふじ湯の里」「ふじ湯の里」の「焼きそば」

あがの温泉「白糸の湯」 ほうじょう温泉「ふじ湯の里」 「ふじ湯の里」の「焼きそば」

今晩の宿、伊川温泉「こうの湯温泉」に到着!

今晩の宿、伊川温泉「こうの湯温泉」に到着!    

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