カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[146日目]

投稿日:2018年9月28日

「恐怖の連休」が終わった

九州編 17日目(2007年5月6日)

 博多温泉の温泉旅館「清水園」の朝湯に入り、ご飯、味噌汁、ハムエッグ、納豆、焼き魚、蒲鉾、明太子、ヒジキの煮物、海苔、漬物の朝食を食べ、8時30分、出発。

 博多駅前まで行き、そこから国道3号を南下する。久しぶりの青空。スズキBandit1250Sのエンジン音も軽やかに聞こえる。

「よかったなあ、晴れて」
 と、バンディットに声をかける。

 だが、その喜びもつかのま、大宰府に近づくころには青空は消え、ぱらぱら雨が降ってきた。まあ、仕方ないか…。

 第1湯目は二日市温泉。10時30分の到着。「御前湯」か「博多湯」、どちらかの共同浴場に入るつもりでいた。2つの共同浴場は道をはさんで向かい合っている。そこではスズキのST250に乗る「千と源のとうちゃん」がぼくを待ち構えていた。「御前湯」、「博多湯」はともに9時にオープンする。「千と源のとうちゃん」は9時前からずっとぼくを待ってくれていたのだ。

 そんな「千と源のとうちゃん」と一緒に「御前湯」に入った。内風呂のみで大、中、小の3つの湯船。小が一番、熱い。二日市温泉は万葉集にも詠われている古湯。大宰府政庁の置かれていたころは「吹田の湯」と呼ばれていたという。熱めの湯につかりながら「湯の中談義」。「千と源のとうちゃん」のブログネームは中2の娘さんと中1の息子さんの名前からとったものだという。ほのぼのとした家庭の温かさが伝わってくるではないか。温泉大好きの「千と源のとうちゃん」だが、ブログには毎日、必ずST250の写真を更新してのせている。湯から上がると、差し入れの「リポビタンD」で乾杯!

「千と源のとうちゃん」の先導で第2湯目のパノラマ温泉へ。天拝坂の住宅街を抜け出た高台上に日帰り湯「天拝の郷」がある。大浴場と露天風呂。大浴場には無色透明の湯とにごり湯の湯船。大宰府を一望する露天風呂はにごり湯。「天拝の郷」を出たところで「千と源のとうちゃん」と別れた。

 筑紫野ICで九州道に入り、鳥栖JCTから長崎道へ。そのころから雨の降り方が激しくなった。またしても本降りだ。

 佐賀大和ICで長崎道を降り、佐賀県内の第3弾目の温泉めぐりを開始する。

 第3湯目は川上峡温泉「ホテル龍登園」の湯。大浴場と露天風呂。大浴場には広々とした大きな湯船。露天風呂は趣のある岩風呂だ。

 第4湯目は熊ノ川温泉「熊ノ川浴場」。温めの湯とさらに温い2つの湯船。浴室からは渓流と新緑の山々が間近に見える。

 第5湯目は古湯温泉「古湯温泉センター」の湯。大浴場の内風呂のみで、温湯にどっぷりつかる。ここは長湯できるので、「うたた寝湯」で知られている。ほんとうにうたた寝したくなるような湯。飲泉可。湯から上がると昼食。「野菜炒め定食」を食べた。

 第6湯目は三瀬温泉「やまびこの湯」。大浴場と露天風呂。ほぼ無色透明の湯。浴室からは渓流を見下ろす。露天風呂には雨に濡れながら入った。

 第7湯目は神埼温泉「国民年金保養センター」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。浴室からは吉野ケ里遺跡周辺の平野を一望する。

 第8湯目は東瀬振温泉「山茶花の湯」。源泉は43・2度。

 東瀬振温泉「山茶花の湯」を上がると、近くの東瀬振ICで長崎道に入り、高速を1区間走って鳥栖ICで降り、国道3号を北へと走る。

 第9湯目は基山温泉。法泉寺の境内にある「基山ラジウム温泉」に入る。ここでは地元のライダー、本山聖悟さんとの出会い。

「こげんところでカソリさんに出会えてうれしか〜!」
 といって喜んでくれた。

 本山さんは宮崎県から来たお父さんと一緒だった。お孫さんの初節句で来たという。「湯の中談義」でそんな話を聞くと、こっちまでうれしくなってくる。

 このあとすぐに、本山さんからは「300日3000湯」のサイトに次ぎのような書き込みがあった。

「今夜はびっくり!! 忘れられないお風呂になりました。お昼は初孫の初節句で、都城から出てきた両親と小城市に行ってきました。疲れたから、風呂でも行くかと、いつものラジウム温泉に。そこに浜松ナンバーのバイクが…。まさか、賀曽利の親分さんがいらっしゃてるとは…マジ、びっくり仰天!!! 嬉しかったです。握手してもらって、元気をもらいました。フレーフレー、賀曽利!!」

 基山温泉を出発し、佐賀県から福岡県に入る。

 第10湯目は筑紫野温泉「アマンディ」の湯。大浴場と露天風呂。トロピカルムード満点の大浴場にはいくつもの湯船。

 第11湯目は上津温泉「游心の湯」。大浴場と露天風呂。露天風呂は樹林の中の湯船風にしている。湯から上がると夕食。「長崎皿うどん」を食べた。極細の揚げた中華麺の上にはとろみをつけた野菜たっぷりの具がのっている。

 今夜の泊りは久留米温泉「ホテル湯の坂」。到着は23時10分。

 すぐさま第12湯目の「宿湯」に入る。まずは5階の宿泊者専用の展望風呂に入り、次に1階の大浴場へ。ここは日帰り湯「湯の坂 久留米温泉」で、大露天風呂に思いっきり体を伸ばしてつかった。つるっとしたぬめりのある湯。やっと「恐怖の連休」が終わったので、のびやかな気分で湯につかることができた。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 博多温泉「清水園」
朝食 博多温泉「清水園」 ご飯、味噌汁、ハムエッグ、納豆、焼き魚、蒲鉾、明太子、ヒジキの煮物、海苔、漬物
8時30分 博多温泉「清水園」を出発
大宰府温泉(廃業湯)
1372湯目 二日市温泉「御前湯」(200円)
出会い 「千と源のとうちゃん」
1373湯目 パノラマ温泉「天拝の郷」(750円)
佐賀県に入る
1374湯目 川上峡温泉「ホテル龍登園」(800円)
1375湯目 熊ノ川温泉「熊ノ川浴場」(700円)
1376湯目 古湯温泉「古湯温泉センター」(300円)
昼食 古湯温泉「古湯温泉センター」 野菜炒め定食(600円)
向合峠(峠越え)
1377湯目 三瀬温泉「やまびこの湯」(300円)
1378湯目 神埼温泉「国民年金保養センター」(500円)
1379湯目 東背振温泉「山茶花の湯」(700円)
1380湯目 基山温泉「基山ラジウム温泉」(300円)
福岡県に入る
1381湯目 筑紫野温泉「アマンディ」(950円)
1382湯目 上津温泉「游心の湯」(600円)
夕食 上津温泉「游心の湯」長崎皿うどん(540円)
23時10分 久留米温泉「ホテル湯の坂」(1泊朝食5250円)
1383湯目 久留米温泉「ホテル湯の坂」
本日の走行距離数 209キロ
本日の温泉入浴数 12湯

博多温泉「清水園」の朝湯に入る「清水園」の朝食貝汁が美味

博多温泉「清水園」の朝湯に入る 「清水園」の朝食 貝汁が美味

「清水園」を出発「千と源のとうちゃん」との出会い二日市温泉「御前湯」

「清水園」を出発 「千と源のとうちゃん」との出会い 二日市温泉「御前湯」

「千と源のとうちゃん」とパノラマ温泉「天拝の郷」へ川上峡温泉「ホテル龍登園」の大浴場「ホテル龍登園」の露天風呂

「千と源のとうちゃん」とパノラマ温泉「天拝の郷」へ 川上峡温泉「ホテル龍登園」の大浴場 「ホテル龍登園」の露天風呂

熊ノ川温泉「熊ノ川浴場」古湯温泉「古湯温泉センター」「古湯温泉センター」で昼食。「野菜炒め定食」を食べる

熊ノ川温泉「熊ノ川浴場」 古湯温泉「古湯温泉センター」 「古湯温泉センター」で昼食。「野菜炒め定食」を食べる

三瀬温泉「やまびこの湯」神埼温泉「国民年金保養センター」東背振温泉「山茶花の湯」

三瀬温泉「やまびこの湯」 神埼温泉「国民年金保養センター」 東背振温泉「山茶花の湯」

基山温泉「基山ラジウム温泉」筑紫野温泉「アマンディ」上津温泉「游心の湯」

基山温泉「基山ラジウム温泉」 筑紫野温泉「アマンディ」 上津温泉「游心の湯」

上津温泉「游心の湯」で夕食。「長崎皿うどん」を食べる今晩の宿、久留米温泉「ホテル湯の坂」に到着

上津温泉「游心の湯」で夕食。「長崎皿うどん」を食べる 今晩の宿、久留米温泉「ホテル湯の坂」に到着  

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