カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

温泉めぐり日本一周[157日目]

投稿日:2018年12月9日

鹿児島県に入った

九州編 28日目(2007年5月17日)

 人吉温泉の国民宿舎「くまがわ荘」の朝湯に入る。年季の入った木の湯船。ここは「若返りの湯」で、よか男、よか女に変身する湯なのだという。ご飯、味噌汁、塩ジャケ、明太子、ハムエッグ、フキとゼンマイの煮物、カボチャ、梅干し、海苔の朝食を食べ、8時30分に出発。前日の雨も上がり、青空が広がっている。ところで人吉温泉だが、人吉の中心部にある温泉の総称で、温泉宿が何軒もある。すごいのは公衆温泉浴場で全部で16ヵ所にある。源泉の数は50以上。人吉は大変な温泉地なのだ。

 第1湯目はさがら温泉「茶湯里」の湯。大浴場と露天風呂はともに石造りの湯船。露天風呂の湯船はそれほど大きくはないが、広々とした敷地内にあるのでゆったり気分で湯につかった。若干の濁り湯で無味無臭。温泉館前のグランドゴルフ場では、年配の皆さん方が歓声を上げてグランドゴルフを楽しんでいる。

 第2湯目は山江温泉「ほたる」の湯。大浴場と露天風呂はともに広々していて気持ちよく湯につかれる。

 第3湯目は明哲温泉「明哲温泉」の湯。大浴場と露天風呂。大岩を配した大露天風呂はじつに趣がある。ともに温めの湯なので長湯できる。

 これら人吉周辺の3湯に入ったあと、国道219号で湯前に向かっていく。その途中では神城温泉、錦町温泉、薬師温泉、多良木温泉の4湯に入る。

 第4湯目は神城温泉「神城温泉」の湯。大浴場と露天風呂には誰もいない。しばし貸し切り湯状態で湯につかり、思い切り手足を伸ばした。

 第5湯目は錦町温泉「錦町温泉センター」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。ここでも誰もいない湯に自分一人で入った。隣の女湯からはおそらくグループで来たのだろう、数人の女性たちの声が聞こえてくる。はっきりと聞き取れる声なのだが、熊本訛りというのか、球磨訛りというのか、わかるのは半分くらいだった。

 第6湯目は薬師温泉「ヘルシーランド」の湯。ここも大浴場の内風呂のみ。無色透明の湯。浴室からは温迫峠の山並みが見える。

 第7湯目はえびす温泉「えびす温泉」の湯。ここは多良木駅前の温泉施設。大きなえびすさんの像がドーンと鎮座している。大浴場と露天風呂。大浴場の湯船の一角には電気風呂がある。ビリビリッとくるこの電気風呂はどうも好きになれない。露天風呂は庭園風呂。湯から上がると、「カレーうどん」を食べた。

 国道219号で湯前に到着。

 第8湯目はゆの前温泉の日帰り湯「湯楽里」の湯。大浴場と露天風呂。高台上にある温泉施設なので眺めがいい。九州山地の第2の高峰、市房山(1720m)が間近に見える。「湯楽里」の湯から上がるとさらに国道219号を走り、熊本・宮崎県境の横谷峠まで行き、峠を貫くトンネルの入口で折り返した。

 人吉に戻ると九州道に入り、八代ICで降り、そこからは国道3号を南下する。国道3号沿いの温泉めぐりを開始する。

 第9湯目の日奈久温泉は一番大きな温泉地。国道3号から温泉街の中に入り、「松の湯」に入った。入浴料金は150円。熱めの湯と温めの湯。日奈久温泉は名湯だ。

 第10湯目は御立岬温泉「御立岬温泉センター」の湯。大浴場と露天風呂。塩分の濃い湯。それも塩辛いのではなく、甘辛い湯。湯につかりながら目の前の天草の島々を見る。絶景湯だ。

 第11湯目は計石温泉「計石温泉センター」の湯。大浴場の内風呂のみ。湯は地元のみなさんで混み合っていた。湯につかりながら、みなさん方の話を聞いている。話題はもっぱら「ハウス栽培」。大浴場は農業講習会の会場と化し、湯につかりながら熱心にハウス栽培の情報交換をしていた。

 第12湯目は湯浦温泉「ヘルシーパーク芦北」の湯。ここは大浴場の内風呂のみ。湯のやわらかな感触が肌に残った。

 第13湯目はつなぎ温泉「四季彩」の湯。モノレールで展望風呂へ。大浴場と露天風呂。露天風呂は崖下の岩風呂だ。

 第14湯目は湯ノ鶴温泉「四浦屋本店」の湯。ここは石の湯船の内風呂のみ。かなり熱い湯で、湯につかりながら、思わず「アチチ!」と声を上げてしまった。そのあとは熱い湯の中で体を動かさないようにして、じっと湯につかった。

 国道3号で県境を越えて鹿児島県に入った。

 今晩の宿、出水温泉「薩摩つる乃湯」に到着したのは21時30分。「間に合った」。22時までは大浴場の湯に入れるのだ。さっそく第15湯目の「宿湯」に入る。大浴場の湯から上がると、フロントに置いてあるパック入りの「おこわ」が目に入り、買おうとした。ところが受付の美人姉妹は「これは売れ残ったものだから」といって代金を受け取らない。それだけではなく、「どうぞ、これも」といって、カンビールとウーロン茶も持たせてくれた。ありがたく薩摩美人の姉妹の好意を受け取ったが、部屋でカンビールを飲みながら食べる「おこわ」はとびきりのうまさだった。

本日のデータ 料金等は当時のものです
朝湯 人吉温泉「くまがわ荘」
朝食 人吉温泉「くまがわ荘」 ご飯、味噌汁、塩ジャケ、明太子、ハムエッグ、フキとゼンマイの煮物、カボチャ、梅干し、海苔
8時30分 人吉温泉「くまがわ荘」を出発
1523湯目 さがら温泉「茶湯里」(400円)
1524湯目 山江温泉「ほたる」(400円)
1525湯目 明哲温泉「明哲温泉」(300円)
1526湯目 神城温泉「神城温泉」(500円)
1527湯目 錦町温泉「錦町温泉センター」(300円)
1528湯目 薬師温泉「ヘルシーランド」(300円)
1529湯目 えびす温泉「えびす温泉」(300円)
昼食 えびす温泉「えびす温泉」カレーうどん(400円)
1530湯目 ゆの前温泉「湯楽里」(400円)
横谷峠(峠返し)
1531湯目 日奈久温泉「松の湯」(150円)
1532湯目 御立岬温泉「御立岬温泉センター」(500円)
鶴木山温泉(廃業湯)
1533湯目 計石温泉「計石温泉センター」(170円)
1534湯目 湯浦温泉「ヘルシーパーク芦北」(300円)
1535湯目 つなぎ温泉「四季彩」(500円)
1536湯目 湯ノ鶴温泉「四浦屋本店」(200円)
夕食 国道3号沿いの「ファミリーマート」コンビニ弁当
鹿児島県に入る
21時30分 出水温泉「薩摩つる乃湯」(1泊朝食5000円)
1537湯目 出水温泉「薩摩つる乃湯」
夕食 出水温泉「薩摩つる乃湯」 おこわ、カンビール、ウーロン茶
本日の走行距離数 256キロ
本日の温泉入浴数 15湯

人吉温泉「くまがわ荘」の前を流れる球磨川「くまがわ荘」の朝湯に入る人吉温泉の宣伝用ポスター

人吉温泉「くまがわ荘」の前を流れる球磨川 「くまがわ荘」の朝湯に入る 人吉温泉の宣伝用ポスター

「くまがわ荘」の朝食「くまがわ荘」を出発さがら温泉「茶湯里」

「くまがわ荘」の朝食 「くまがわ荘」を出発 さがら温泉「茶湯里」

明哲温泉明哲温泉の入口明哲温泉の露天風呂

明哲温泉 明哲温泉の入口 明哲温泉の露天風呂

神城温泉神城温泉の大浴場神城温泉の露天風呂

神城温泉 神城温泉の大浴場 神城温泉の露天風呂

錦町温泉「錦町温泉センター」「錦町温泉センター」の大浴場薬師温泉「ヘルシーランド」

錦町温泉「錦町温泉センター」 「錦町温泉センター」の大浴場 薬師温泉「ヘルシーランド」

えびす温泉のえびす様えびす温泉の「カレーうどん」ゆの前温泉「湯楽里」

えびす温泉のえびす様 えびす温泉の「カレーうどん」 ゆの前温泉「湯楽里」

ゆの前温泉「湯楽里」の露天風呂「湯楽里」の露天風呂に入る「湯楽里」の大浴場

ゆの前温泉「湯楽里」の露天風呂 「湯楽里」の露天風呂に入る 「湯楽里」の大浴場

「湯楽里」から見る湯前国道219号の熊本・宮崎県境の横谷峠日奈久温泉「日奈久の湯」には入れなかった

「湯楽里」から見る湯前 国道219号の熊本・宮崎県境の横谷峠 日奈久温泉「日奈久の湯」には入れなかった

日奈久温泉「松の湯」「松の湯」の浴室御立岬温泉「御立岬温泉センター」

日奈久温泉「松の湯」 「松の湯」の浴室 御立岬温泉「御立岬温泉センター」

計石温泉「計石温泉センター」湯浦温泉「ヘルシーパーク芦北」つなぎ温泉「四季彩」

計石温泉「計石温泉センター」 湯浦温泉「ヘルシーパーク芦北」 つなぎ温泉「四季彩」

湯ノ鶴温泉「四浦屋本店」の湯国道3号沿いの「ファミリーマート」での夕食出水温泉「薩摩つる乃湯」での夕食

湯ノ鶴温泉「四浦屋本店」の湯 国道3号沿いの「ファミリーマート」での夕食 出水温泉「薩摩つる乃湯」での夕食

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